(C)2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.
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2024.7.4

全米衝撃のスキャンダルをモデルにした「メイ・ディセンバー ゆれる真実」試写会レビュー

ドット・ヘインズ監督の最新作「メイ・ディセンバー ゆれる真実」が7月12日に公開。公開に先駆け、試写会に参加したSASARUムービー編集部が見どころを徹底レビューします。

映画のモデルとなった”メイ・ディセンバー事件”は、36歳の女性と13歳の少年という親子ほど歳の離れた2人の不倫から始まった実際のスキャンダルです。本作は、事件の映画化が決定し、役作りのために女優が二人に接近することから始まります。女優が見た真実とは?
気になるストーリーや見どころを、ぜひチェックしてみて。
 

「メイ・ディセンバー ゆれる真実」の気になるストーリー

「メイ・ディセンバー ゆれる真実」の場面写真

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当時36歳の女性・グレイシー(ジュリアン・ムーア)が13歳の少年・ジョー(チャールズ・メルトン)と不倫の末、実刑判決を受けます。獄中で少年との子どもを出産、刑期を終えて2人が結婚するというセンセーショナルなスキャンダルは連日タブロイド誌を賑わせていました。事件から20年以上が経ち、嫌がらせを受けながらも幸せに過ごす2人...。


そんな2人を題材にした映画が制作されることになり、グレイシー役を演じる女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が役作りとリサーチのために彼らの元を訪れます。
エリザベスからの執拗な観察と質問を受け、夫婦は次第に互いの過去と向き合うことに。夫婦の本音や証言と女優が紐とく事件の真相が絡み合い、徐々に真実がわからなくなるストーリー展開から目が離せません。

純愛か洗脳か。引き込まれるストーリー

幸せそうに暮らす2人の真実を暴こうとする女優・エリザベスが接近してきたことで、夫婦の隠された本心が見えてきます。グレイシーがジョーを愛した理由やジョーがグレイシーとの結婚を選んだ意味は?

グレイシーは、映画化の話があっても、動じることがありません。エリザベスに対して、「あなたに真実が語れるかしら?」とむしろ挑戦的。事件に関しても、罪悪感を感じている様子はなく、どこか世間一般の常識とはかけ離れた雰囲気を感じます。

自分たちは純愛で結ばれたという幸せなストーリーを作り上げ、周りを洗脳しているのような印象も受けます。完璧な元夫や子ども、家族を裏切り周りを悲しませたという事実を純愛ストーリーで塗り替えようとしているようにも感じました。エリザベスからこの"純愛"というストーリーに疑念を抱かれたことで、次第に苛立つ様子は、周りを支配してきた身勝手さを露呈しているよう...。


 

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また、当時13歳と幼くしてスキャンダルの当事者になってしまったジョーは、過去の自分の選択が正しかったのかと疑念を抱き始めます。過去と現在の繊細な葛藤からも目が離せません。過去と向き合うため、グレイシーに「あの時、将来を決めるには若すぎたとしたら」と疑問を投げかけると「あなたが誘惑したくせに」と感情的になり取り合ってくれません。
このシーンは、グレイシーの相手を支配しようとする傲慢さが表れているように感じます。


 
エリザベスとグレイシーの心理的な攻防戦も見どころのひとつ。少しずつ明らかになる真実と夫婦の秘められた感情は、グレイシーになりきろうと調査を続けるエリザベスをも変えてしまいます。

ふんわりとした柔らかいイメージのエリザベスに対し、グレイシーは都会的な雰囲気を持つ対照的な女性でしたが、グレイシーと行動を共にするうちに見た目もエリザベスに近づいていき...。2人の女性が徐々に重なる描写は、観ているこちらまで圧倒されます。グレイシーがエリザベスにメイクを教わるシーンは必見ですよ。本作は鏡をモチーフとしたシーンが印象的で、その中でもメイクシーンでは、鏡に映る2人の表情の変化と共に口調が変化している様子は緊張感あふれるシーンです。
 

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出演俳優の演技にも注目


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女優・エリザベス役を演じるナタリー・ポートマンとグレイシー役のジュリアン・ムーアの演技は圧巻。人間の心理を描く、緊迫感のある演技に注目です。物語が進むにつれて、真相を知りたいとの思いから、グレイシーになりきろうとするエリザベスの感情の変化は狂気に満ち、こちらまでその世界観に引きずり込まれてしまいます。

また、事件当事者にしかわからない真実を表現するという難役を演じたジュリアン・ムーアの演技にも注目。二面性のある揺れ動く感情が伝わり、こちらまで深みに入ってしまいそうに。少女のような笑顔と人を支配しようとする怖さが相まり不思議な魅力に取りつかれてしまいます。

斬新な音楽演出が表現するものとは?

本作は、斬新な音楽の使い方にも注目!今回は、トッド・ヘインズ監督が脚本を読んだ段階から頭にあったという作曲家ミシェル・ルグランの楽曲を一部使用。監督は、ストーリーの流れと音楽が完全にマッチする必要はないと考えていたため、従来の慣習とは異なる大胆な使い方をしています。シーンと音楽の違和感、刺激的なストーリ展開が観客を引きずり込む、今までにない音楽演出。
この演出がなにを表すものなのかは、実際に映画を見て体感するのがおすすめ。

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■受賞・ノミネート情報


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●第96回 アカデミー賞®(2024年)
【ノミネート】
脚本賞 サミー・バーチ アレックス・メヒャニク

●第81回 ゴールデングローブ賞(2024年)

【ノミネート】
最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ)  
最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ) ナタリー・ポートマン
最優秀助演女優賞 ジュリアン・ムーア
最優秀助演男優賞 チャールズ・メルトン

●第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)
【出品】
コンペティション部門
出品作品 トッド・ヘインズ

作品情報

監督:トッド・ヘインズ(『キャロル』) 脚本:サミー・バーチ 原案:サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク
出演:ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア、チャールズ・メルトン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2023 年|アメリカ|カラー|アメリカンビスタ|5.1ch|英語|字幕翻訳:松浦美奈
原題:MAY DECEMBER|117 分|R15+
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公式サイト https://happinet-phantom.com/maydecember/
公式 X:@maydecember_jp
#メイ・ディセンバー

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「メイ・ディセンバー ゆれる真実」の気になるストーリー

「メイ・ディセンバー ゆれる真実」の場面写真

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当時36歳の女性・グレイシー(ジュリアン・ムーア)が13歳の少年・ジョー(チャールズ・メルトン)と不倫の末、実刑判決を受けます。獄中で少年との子どもを出産、刑期を終えて2人が結婚するというセンセーショナルなスキャンダルは連日タブロイド誌を賑わせていました。事件から20年以上が経ち、嫌がらせを受けながらも幸せに過ごす2人...。


そんな2人を題材にした映画が制作されることになり、グレイシー役を演じる女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が役作りとリサーチのために彼らの元を訪れます。
エリザベスからの執拗な観察と質問を受け、夫婦は次第に互いの過去と向き合うことに。夫婦の本音や証言と女優が紐とく事件の真相が絡み合い、徐々に真実がわからなくなるストーリー展開から目が離せません。

純愛か洗脳か。引き込まれるストーリー


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幸せそうに暮らす2人の真実を暴こうとする女優・エリザベスが接近してきたことで、夫婦の隠された本心が見えてきます。グレイシーがジョーを愛した理由やジョーがグレイシーとの結婚を選んだ意味は?

グレイシーは、映画化の話があっても、動じることがありません。エリザベスに対して、「あなたに真実が語れるかしら?」とむしろ挑戦的。事件に関しても、罪悪感を感じている様子はなく、どこか世間一般の常識とはかけ離れた雰囲気を感じます。

自分たちは純愛で結ばれたという幸せなストーリーを作り上げ、周りを洗脳しているのような印象も受けます。完璧な元夫や子ども、家族を裏切り周りを悲しませたという事実を純愛ストーリーで塗り替えようとしているようにも感じました。エリザベスからこの"純愛"というストーリーに疑念を抱かれたことで、次第に苛立つ様子は、周りを支配してきた身勝手さを露呈しているよう...。


 

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また、当時13歳と幼くしてスキャンダルの当事者になってしまったジョーは、過去の自分の選択が正しかったのかと疑念を抱き始めます。過去と現在の繊細な葛藤からも目が離せません。過去と向き合うため、グレイシーに「あの時、将来を決めるには若すぎたとしたら」と疑問を投げかけると「あなたが誘惑したくせに」と感情的になり取り合ってくれません。
このシーンは、グレイシーの相手を支配しようとする傲慢さが表れているように感じます。


 

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エリザベスとグレイシーの心理的な攻防戦も見どころのひとつ。少しずつ明らかになる真実と夫婦の秘められた感情は、グレイシーになりきろうと調査を続けるエリザベスをも変えてしまいます。

ふんわりとした柔らかいイメージのエリザベスに対し、グレイシーは都会的な雰囲気を持つ対照的な女性でしたが、グレイシーと行動を共にするうちに見た目もエリザベスに近づいていき...。2人の女性が徐々に重なる描写は、観ているこちらまで圧倒されます。グレイシーがエリザベスにメイクを教わるシーンは必見ですよ。本作は鏡をモチーフとしたシーンが印象的で、その中でもメイクシーンでは、鏡に映る2人の表情の変化と共に口調が変化している様子は緊張感あふれるシーンです。
 

出演俳優の演技にも注目


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女優・エリザベス役を演じるナタリー・ポートマンとグレイシー役のジュリアン・ムーアの演技は圧巻。人間の心理を描く、緊迫感のある演技に注目です。物語が進むにつれて、真相を知りたいとの思いから、グレイシーになりきろうとするエリザベスの感情の変化は狂気に満ち、こちらまでその世界観に引きずり込まれてしまいます。

また、事件当事者にしかわからない真実を表現するという難役を演じたジュリアン・ムーアの演技にも注目。二面性のある揺れ動く感情が伝わり、こちらまで深みに入ってしまいそうに。少女のような笑顔と人を支配しようとする怖さが相まり不思議な魅力に取りつかれてしまいます。

斬新な音楽演出が表現するものとは?


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本作は、斬新な音楽の使い方にも注目!今回は、トッド・ヘインズ監督が脚本を読んだ段階から頭にあったという作曲家ミシェル・ルグランの楽曲を一部使用。監督は、ストーリーの流れと音楽が完全にマッチする必要はないと考えていたため、従来の慣習とは異なる大胆な使い方をしています。シーンと音楽の違和感、刺激的なストーリ展開が観客を引きずり込む、今までにない音楽演出。
この演出がなにを表すものなのかは、実際に映画を見て体感するのがおすすめ。

■受賞・ノミネート情報


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●第96回 アカデミー賞®(2024年)
【ノミネート】
脚本賞 サミー・バーチ アレックス・メヒャニク

●第81回 ゴールデングローブ賞(2024年)

【ノミネート】
最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ)  
最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ) ナタリー・ポートマン
最優秀助演女優賞 ジュリアン・ムーア
最優秀助演男優賞 チャールズ・メルトン

●第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)
【出品】
コンペティション部門
出品作品 トッド・ヘインズ

作品情報


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監督:トッド・ヘインズ(『キャロル』) 脚本:サミー・バーチ 原案:サミー・バーチ、アレックス・メヒャニク
出演:ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア、チャールズ・メルトン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2023 年|アメリカ|カラー|アメリカンビスタ|5.1ch|英語|字幕翻訳:松浦美奈
原題:MAY DECEMBER|117 分|R15+
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公式サイト https://happinet-phantom.com/maydecember/
公式 X:@maydecember_jp
#メイ・ディセンバー

休日のスケジュールが決まっていない方、何を見ようか迷っている方など"ライトな映画ファン"に対して、映画館に出かけて、映画を楽しむことをおすすめします。SASARU movie編集部では、話題性の高い最新映画を中心にその情報や魅力を継続的に発信していきます。

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