(C)& TM DC(C) 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
(C)& TM DC(C) 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

2024.10.11

悪のカリスマなのか心優しきただの人間なのか。ジョーカーのその後を描く「ジョーカー2」試写会レビュー

「バットマン」シリーズに登場するジョーカーの誕生秘話を描き、第76回ベネチア国際映画祭で金獅子賞、第92回アカデミー賞で主演男優賞を受賞し、世界興行収入1,500億円を記録したサスペンスエンターテインメント「ジョーカー」の続編が10月11日に公開。前作に続きトッド・フィリップスが監督を務めた本作に、今回は謎の女性リー役でレディー・ガガが参加。心優しかった男の暴走の行方とは?
公開に先駆け試写会に参加したSASARU movie編集部が映画の見どころをレビューします。世紀のショーをぜひチェックしてみてくださいね。

 

「ジョーカー2」の気になるストーリー

世界中で社会現象を巻き起こした前作「ジョーカー」から5年。理不尽な世の中で社会への反逆者、民衆の代弁者として寵児となったジョーカー(ホアキン・フェニックス)。そんな彼の前に謎の女性リー(レディー・ガガ)が現れます。ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝わり、孤独で心優しかった男が悪のカリスマとなって暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こります。ジョーカーになった男のその後とは…。

英雄的存在なのか...ジョーカーの狂気的な空気感に衝撃が走る

テレビ司会者を生放送中に殺害し、他にも4人を殺したジョーカーことアーサー・フレックは精神病院に収容されています。外ではジョーカーが寵児として崇められドラマも制作される中、ついにアーサーの裁判が始まりました。骨が浮かび上がるほど痩せた体と、絶望なのか、悲しみなのか、ぞっとするような虚脱状態の表情をうかべるアーサー。映し出される狂気的な存在は、観ているこちらが辛くなるほど。貧困、介護、精神障害…悲しいほどにお金にも仕事にも恵まれなかったアーサーのネガティブな姿へと変貌していく様は、今作でも色々な意味で心を奪われていきます。

負の感情と共感性が交差する、秀逸な展開から目が離せない

そして今作で一番ポイントとなるであろう、突如現れる謎の女性リーと強烈に惹かれ合っていく展開。通常なら素敵なストーリーなのかもしれません。孤独なアーサーに「もう一人じゃない」と、優しく美しい感情が戻るのでは?というポジティブな感情ではなく、狂乱が生まれ、さらに社会への反逆が強まっていくようなネガティブな感覚になってしまう描写がなんとも恐ろしい作品。そして、なぜか2人に感情移入してしまう自分に違和感を抱きます。もちろん許してはいけない殺人者なのに、なぜか2人をとりまく悲しい世界と虚しい思考に共感してしまう部分も...。どこにでもいる優しくて素朴な人間が、ほんの些細なことで自尊心を全て無くした時、あらゆるネガティブな感情の先に何があるのか…世の中で起きている社会問題すら考えさせられてしまいます。

音楽は何を表すのか?ジョーカーとリーの歌唱シーンにも注目

この作品で、もうひとつ注目していただきたいシーンは、ジョーカーとリーの歌唱シーン。前作では、バスルームや階段で踊るジョーカーの姿が強烈に脳裏に焼き付いていますが、今回はジョーカーの脳内で強い妄想ともとれる2人の歌うシーンがとにかく圧巻。まるで、ひとつのショーを観ているよう。ただのショーではなく、2人が訴えたいこと、お互いの心をぶつけ合うような雰囲気に圧倒されてしまいます。

人間の優しさ、悲しみ、嫌悪、妬み恨み…誰もがもつ感情を歌声から感じとることができて、まさにこれもひとつのアート作品。
悪のカリスマなのか優しい人間なのか、ジョーカーという人間を通して見る社会の普遍性をこの作品で感じとってみてください。

ジョーカー2の基本情報

■正式タイトル
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』

■配給
ワーナー・ブラザース映画

■監督
トッド・フィリップス

■出演
ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツ

■公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/index.html

「ジョーカー2」の気になるストーリー

世界中で社会現象を巻き起こした前作「ジョーカー」から5年。理不尽な世の中で社会への反逆者、民衆の代弁者として寵児となったジョーカー(ホアキン・フェニックス)。そんな彼の前に謎の女性リー(レディー・ガガ)が現れます。ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝わり、孤独で心優しかった男が悪のカリスマとなって暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こります。ジョーカーになった男のその後とは…。

英雄的存在なのか...ジョーカーの狂気的な空気感に衝撃が走る

テレビ司会者を生放送中に殺害し、他にも4人を殺したジョーカーことアーサー・フレックは精神病院に収容されています。外ではジョーカーが寵児として崇められドラマも制作される中、ついにアーサーの裁判が始まりました。骨が浮かび上がるほど痩せた体と、絶望なのか、悲しみなのか、ぞっとするような虚脱状態の表情をうかべるアーサー。映し出される狂気的な存在は、観ているこちらが辛くなるほど。貧困、介護、精神障害…悲しいほどにお金にも仕事にも恵まれなかったアーサーのネガティブな姿へと変貌していく様は、今作でも色々な意味で心を奪われていきます。

負の感情と共感性が交差する、秀逸な展開から目が離せない

そして今作で一番ポイントとなるであろう、突如現れる謎の女性リーと強烈に惹かれ合っていく展開。通常なら素敵なストーリーなのかもしれません。孤独なアーサーに「もう一人じゃない」と、優しく美しい感情が戻るのでは?というポジティブな感情ではなく、狂乱が生まれ、さらに社会への反逆が強まっていくようなネガティブな感覚になってしまう描写がなんとも恐ろしい作品。そして、なぜか2人に感情移入してしまう自分に違和感を抱きます。もちろん許してはいけない殺人者なのに、なぜか2人をとりまく悲しい世界と虚しい思考に共感してしまう部分も...。どこにでもいる優しくて素朴な人間が、ほんの些細なことで自尊心を全て無くした時、あらゆるネガティブな感情の先に何があるのか…世の中で起きている社会問題すら考えさせられてしまいます。

音楽は何を表すのか?ジョーカーとリーの歌唱シーンにも注目

この作品で、もうひとつ注目していただきたいシーンは、ジョーカーとリーの歌唱シーン。前作では、バスルームや階段で踊るジョーカーの姿が強烈に脳裏に焼き付いていますが、今回はジョーカーの脳内で強い妄想ともとれる2人の歌うシーンがとにかく圧巻。まるで、ひとつのショーを観ているよう。ただのショーではなく、2人が訴えたいこと、お互いの心をぶつけ合うような雰囲気に圧倒されてしまいます。

人間の優しさ、悲しみ、嫌悪、妬み恨み…誰もがもつ感情を歌声から感じとることができて、まさにこれもひとつのアート作品。
悪のカリスマなのか優しい人間なのか、ジョーカーという人間を通して見る社会の普遍性をこの作品で感じとってみてください。

ジョーカー2の基本情報

■正式タイトル
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』

■配給
ワーナー・ブラザース映画

■監督
トッド・フィリップス

■出演
ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツ

■公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/index.html

休日のスケジュールが決まっていない方、何を見ようか迷っている方など"ライトな映画ファン"に対して、映画館に出かけて、映画を楽しむことをおすすめします。SASARU movie編集部では、話題性の高い最新映画を中心にその情報や魅力を継続的に発信していきます。

tvSASARU movie

point注目映画一覧(外部サイト)

Beetlejuice Beetlejuice

ビートルジュース ビートルジュース

2024-09-27

死後の世界で “人間怖がらせ屋” を営んでいる推定年齢600歳のお騒がせ者・ビートルジュース(マイケル・キートン)は、 かつて結婚を迫るも叶わなかったリディア(ウィノナ・ライダー)のことが今も忘れられないでいる。彼の願いはただひとつ、「人間と結婚」し、死後の世界から人間界へ移り住むことなのだ。一方、リディアは自身の霊能力を活かしTV番組「ゴースト ハウス」の司会としてお茶の間の人気を博しているものの、私生活では一人娘・アストリッド(ジェナ・オルテガ)との母娘関係に頭を悩ませている。なぜならアストリッドは幽霊の存在をまったく信じておらず、母親の霊能力をインチキだとさえ思っているからだ。そんななか、死後の世界で事件が起きる。何世紀にもわたり、死後の世界の倉庫に身体をバラバラに封じ込められていたビートルジュースの元妻・ドロレス(モニカ・ベルッチ)が復活してしまう。ドロレスはビートルジュースに復讐したい因縁があるらしく執拗に探し回るが、一年で最も不気味な夜が訪れるハロウィンの日に急展開が。なんとアストリッドが死後の世界に囚われてしまい、なんとか娘を助け出したいリディアは最終手段としてビートルジュースに助けを求めることに。ビートルジュースへの復讐に燃えるドロレス、今度こそリディアとの結婚を成就させたいビートルジュース、死後の世界に囚われた一人娘を助け出したいリディア、はたしてハロウィンの夜に訪れる結末とは——。

Joker: Folie à Deux

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

2024-10-11

彼の前に突然現れた謎の女リーとともに、狂乱が世界へ伝播していく。孤独で心優しかった男は、悪のカリスマなのか、ただの犯罪者か?その暴走の行方とは?ついに「ジョーカー」が完全となる、世紀のXデーの目撃者となれ。

Alien: Romulus

エイリアン:ロムルス

2024-09-06

地球から遠く離れた宇宙──人生の行き場を失った若者たちが、廃墟と化した宇宙ステーションを発見し、一攫千金を夢みて探索を開始する。だが、そこには希望ではなく、逃げ場のない絶望的な恐怖が待っていた。人間に寄生し進化するエイリアン──この宇宙最強にして最恐の生命体と対峙する若者たちの運命は…?

Civil War

シビル・ウォー アメリカ最後の日

2024-10-04

連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。「国民の皆さん、我々は歴史的勝利に近づいている——」。就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスへと向かう。だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていくー

Late Night with the Devil

悪魔と夜ふかし

2024-10-04

1977年、ハロウィンの夜。テレビ番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック・デルロイは生放送でのオカルト・ライブショーで人気低迷を挽回しようとしていた。霊聴、ポルターガイスト、悪魔祓い……怪しげな超常現象が次々とスタジオで披露され、視聴率は過去最高を記録。しかし番組がクライマックスを迎えたとき、思いもよらぬ惨劇が巻き起こる!

Abigail

アビゲイル

2024-09-13

吸血鬼の少女を誘拐してしまった犯罪グループが過ごす戦慄の一夜を描いたアクションスリラー。 元刑事フランク、巨漢の用心棒ピーター、凄腕ハッカーのサミー、元狙撃兵リックルズ、逃走車ドライバーのディーン、医師ジョーイの互いに面識のない6人の男女。指示役ランバートによって集められた彼らは、富豪の娘であるバレリーナの少女アビゲイルを誘拐する。計画は順調に進み、あとは郊外の屋敷で少女をひと晩監視するだけで多額の報酬が手に入るはずだった。しかしその少女の正体は、恐ろしい吸血鬼だった。少女を監禁するはずが逆に屋敷に閉じ込められてしまった6人は、どうにか生きて脱出するべく悪戦苦闘するが……。

Kinds of Kindness

憐れみの3章

2024-09-27

選択肢を取り上げられた中、自分の人生を取り戻そうと格闘する男、海難事故から帰還するも別人のようになった妻を恐れる警官、奇跡的な能力を持つ特別な人物を懸命に探す女……という3つの奇想天外な物語からなる、映画の可能性を更に押し広げる、ダークかつスタイリッシュでユーモラスな未だかつてない映像体験。

Hit Man

ヒットマン

2024-09-13

ニューオーリンズで2匹の猫と静かに暮らすゲイリー・ジョンソン(グレン・パウエル)は、大学で心理学と哲学を教える傍ら、地元警察に技術スタッフとして協力していた。ある日、おとり捜査で殺し屋役となるはずの警官が職務停止となり、ゲイリーが急遽代わりを務めることに。これをきっかけに、殺人の依頼者を捕まえるためにさまざまな姿や人格に変身する才能を発揮し、有罪判決を勝ち取るための証拠を引き出し、次々と逮捕へ導いていく。 ところが、支配的な夫との生活に追い詰められた女性・マディソン(アドリア・アルホナ)が、夫の殺害を依頼してきたことで、ゲイリーはモラルに反する領域に足を踏み入れてしまう。 セクシーな殺し屋ロンに扮して彼女に接触。事情を聞くうちに、逮捕するはずの相手に対し「この金で家を出て新しい人生を手に入れろ」と見逃してしまう……!恋に落ちてしまったふたりは、やがてリスクの連鎖を引き起こしていくことに――。