(C)2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS - GOODFELLAS - PATHE' FILMS
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2025.1.31

官能文学の美と解放『エマニュエル』、映画.com副編集長と振り返る『室井慎次 生き続ける者』

毎週・木曜日の深夜1時30分から北海道・札幌のエフエムノースウェーブで放送されている、矢武企画制作・映画専門ラジオ番組「キャプテン・ポップコーン」の内容をSASARU movieでも配信!

キャプテン・ポップコーンこと矢武企画が映画の情報はもちろん、映画に関係するまちの情報をお届けします。

1月16日(木)に放送された「キャプテン・ポップコーン」は、『エマニュエル』と『366 日』、『アンデッド 愛しき者の不在』をご紹介!そして映画.com副編集長と人気警察ドラマ『踊る大捜査線』シリーズの中心人物・室井慎次を主人公に描いた映画二部作の後編『室井慎次 生き続ける者』についてお話していきます。

※提供:キャプテンポップコーン
この記事では1月16日(木)放送の内容をお届けします。

「カツオ節のゆーへい、どきどきっ映画くじ」のコーナー#38

このコーナーは全国大会で大阪府知事賞を受賞した「やぶやぶ節」がインターネットと平岸直売店で好評販売中のカツオ節の富樫政雄商店・ゆーへいさんに映画館での劇場体験、そしてクジで引けなければ観なかったであろう映画を運命的にマッチングするコーナーです。

今回は、映画『エマニュエル』をご紹介!
この映画は、1974 年に映画化され日本でも大ヒットを記録したエマニエル・アルサンの小説「エマニエル夫人」を、『あのこと』(22)で第78回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したフランスのオドレイ・ディワン監督が、舞台を現代に移して新たに映画化。『エマニュエル』は、オーナー企業から香港のハイクラスなホテル査察依頼を受ける。滞在しホテルの裏側を調べる中、宿泊客やホテル関係者との交流が、彼女を「快楽」へ誘い始める物語です。

矢武:ゆーへいさんはどうでしたか??

ゆーへい:映像美が素晴らしい作品でした。ホテル内の客室やレストラン、人物の身体や表情の変化、場面ごとの音も細部へのこだわり、全てを美しく魅せようという丁寧さが伝わってきました。
主人公のエマニュエルが香港の高級ホテル内の品質調査員というシチュエーションに、ホテルマンだった頃の自分を思い出し、こういうところをチェックされてたなぁ、色んなお客さんの様々な場面に出くわしたなぁとか少し懐かしい気持ちになって観ていました。

矢武:おお、ほぼニューヨーカー、すぐ自分にトレースしちゃって!

ゆーへい:今の仕事や自分自身に窮屈さを感じているように見えたエマニュエルが、ホテル内で日系人のケイ・シノハラや周囲の人たちに影響を受けながら、官能的な部分を含めた自分の全てを少しずつ表現していく様子を観て、この映画で伝えていきたいこと特に女性の「自己の解放」というメッセージが強く伝わってきたキレイな映画でした。

(C)2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS - GOODFELLAS - PATHE' FILMS


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矢武:ここでリスナーさんからのメッセージです。

「『あのこと』のオードレイ・ディヴァン監督ということで私も鑑賞しました。女性が主体的に自らの人生を切り拓いていくドラマがとても現代的で、欲のないケイ・シノハラとの邂逅が迎える結末含めて良作だったと思います。そしてノエミ・メルランは現代のフランス俳優の中でもトップクラスに上手いことが再認識できました。」

映画『エマニュエル』(R15+)は、札幌シネマフロンティア、シアターキノ、イオンシネマ釧路で絶賛公開中。函館シネマアイリスは2月7日(金)公開。

矢武企画ことキャプテン・ポップコーンが最新映画をご紹介っ!

映画『366 日』。
2003 年沖縄、高校生・真喜屋湊は、同じ高校の後輩・玉城美海と出会います。好きな音楽を通じて惹かれ合うようになった二人は、湊の卒業式に付き合い始める。母親を病気で亡くした湊は音楽を作るという自分の夢を諦めかけていたが、美海に後押しされて東京の大学に進学。2年後に上京してきた彼女と再会し、二人で幸せな日々を過ごしていたが、ある日、湊は美海に別れを告げます。

2025年に、結成25周年を迎えた、沖縄出身のバンド・HY の楽曲「366 日」をモチーフに恋をした、ある男女の20 年間を描いた純愛ラブストーリーです。

HY の「366 日」と聞いて、とくに30 代前後の方はケータイ小説をドラマ・映画化した「赤い糸」を思い出しませんか?南沢奈央と溝端淳平が主演の。ケータイ小説とか響きが懐かしいですね(笑)。
そして、なんと本作にも溝端淳平が出演しています。試写で見始めたときは、その共通項に気が付かなかったのですが、気が付いた時は感激です!

ちなみに、HY の仲宗根泉が当時付き合っていた男性と一時的に別れて、作詞・作曲したというエピソードがある楽曲ですが、今回、制作陣は「歌詞に描かれていない、男性側の視点から」オリジナルストーリーを作りたかったんですって!

映画『366 日』はTOHO シネマズ すすきの、札幌シネマフロンティア、ローソン・ユナイテッドシネマ札幌のほか、旭川、小樽、江別、釧路、北見、苫小牧で1月10日(金)から公開。

(C) 2025映画「366日」製作委員会


(C)2024 Einar Film, Film i Vast, Zentropa Sweden, Filmiki Athens, E.R.T. S.A.

映画『アンデッド 愛しき者の不在』。
この作品の舞台は、現代のオスロ。
最愛の息子を亡くしたばかりのアナとその父・マーラーは、悲しみに暮れる日々を送っていました。そんな中、墓地で小さな音を聞いたマーラーは墓を掘り起こし、孫の身体を家に連れて帰ります。うつ状態だったアナは生気を取り戻し、人目につかない山荘に親子で隠れ住むようになるが、還ってきた息子はまばたきや呼吸はするものの全く言葉を発しない。やがて、招かれざる訪問者が山荘にやって来ます。
同じ頃、別の家族にも悲劇と歓喜が訪れていました。

『ボーダー 二つの世界』(19)の原作者として知られるスウェーデンの作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストが2005 年に発表した小説を映画化した北欧ホラーです。

ホラーとうたわれていますが、冒頭から映画文学を感じさせられるカメラワークに惹き込まれます。いい意味で生活感があり、その中の不気味さを知ることができてよかったなぁと思う映画です。
ちなみにグリーフケアが必要な方は留意が必要です。

※グリーフケアとは「喪失の悲嘆へのケア」のこと

映画『アンデッド 愛しき者の不在』は札幌シネマフロンティアで1月17日(金)から公開。

映画.com副編集長と語る『室井慎次 生き続ける者』

1997年に放送されたテレビドラマのほか、映画版も大ヒットを記録してきた人気警察ドラマ「踊る大捜査線」。
同シリーズの中心人物・室井慎次を主人公に描いた映画二部作の後編ということで今回は、映画.com副編集長の大塚史貴さんとお話をしていきます。

矢武:やっと室井さんの話ができますね。

大塚:随分かかっちゃいましたね!

矢武:そうですね。でもまだ公開されて2ヶ月ぐらいしか経っていないですからね。

大塚:このタイミングなのである程度お話ができるかなと思います。
矢武さんは今回、(映画の中で)警視庁に入庁されたんですよね。

矢武:そうです。新しい経歴として、警視庁・刑事部捜査第一課の刑事として捜査本部に詰めて、事件を追いかけてました。

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝


(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

大塚:何をしていたのですか?

矢武:ずっと捜査をしてました。管理官に怒られたり…。

大塚:なるほど。もちろん本編は観ていますけれどもごめんなさい、矢武さんは見つけられませんでした…。

矢武:大きく出てるとこもあるんですよ!室井さん、仁狩さん、矢武というカットもありました。そのカットの4分の1は警視庁の矢武で嬉しかったですね!

大塚:なるほど、もう完全に作品に没入してしまって、矢武さんのことが頭になかったみたいですね(笑)。

矢武:やっぱりいつもと雰囲気が違うので、刑事の風貌、刑事の雰囲気を出しているので…。

大塚:なるほど、そこにまた注視して見直してみるというのも、一興かもしれませんね。

矢武:早くブルーレイが出ないかなと思っていますけど、でも柏市役所のフィルムコミッションが出した写真では、真ん中に僕しかいない写真が出てたんですよ。
そんな思い出もあって、間接的に室井さんと最後に捜査ができてよかったです。

大塚:何日間くらい参加されてたんですか?

矢武:2日間です。朝から夕方まで2日間、ゴールデンウィークに千葉県に行きました。

大塚:いい経験になったんじゃないですか?
矢武:本当にとても素晴らしい体験だったし、ここまで来たら次も警視庁にいたいと思っちゃいますね。

大塚:これネタバレというか、ニュースでも散々出ていますけど、踊るシリーズの主人公となる青島俊作(織田 裕二)さんの現在の所属部署が捜査支援分析センターということが映画の中で語られてますけれども。

矢武:警視庁刑事部、本庁に実在している部署ですね。

大塚:本庁に組み上げられて、きっと捜査一課に行くはずが、誰かの差し金でそっちに飛ばされた…みたいなシチュエーションも考えられますよね。

矢武:ただ青島くんだから要領よくやってるのかなって気はしますけどね。

大塚:元々の前職(※1)のことを考えると、違和感なくアジャストしている可能性はありますよね。
次はきっと捜査支援分析センターの青島というものが、観られるんじゃないですかね。湾岸署じゃない、そして室井さんもいない中で、周りに味方なんて誰もいない四面楚歌っていう状況で、さぁ青島どうするっていうような描かれ方になるんじゃないかなって、私は勝手に思ってます。
※1:青島俊作はコンピュータシステム開発会社「シンバシ・マイクロシステム」に勤務し、成績1位の営業マンでした。脱サラして警察官になった設定です。

矢武:たしかに。でもキャリア組は、沖田(真矢ミキ)さんしかいないから、沖田さんと青島くんが仲良くしてたらびっくりしますね。

大塚:でも沖田さんも変わったっぽいですからね。
20年前の最初のインパクトが強烈すぎて…。

矢武:年末に「踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル」(98)の再放送を見たときに、新城(筧利夫)さんが青島のことを根に持ってるシーンを観て、この27年後、ああいうことになるのにと思うとすごく愛おしかったですね。

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝


(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

大塚:新城さんは完全に青島と湾岸署の毒牙にかかってミイラ獲りがミイラになっちゃってますからね。

矢武:新城さんが1番人生変わったんじゃないですか?人生を変えられちゃったんじゃないかなと思います。

大塚:ある種、自業自得というか。

矢武:新城さんはどちらかと言えば巻き込まれた人じゃないですか?
エリート街道まっしぐらの人でしたからね。秋田県警本部長になった時に吐露するセリフは結構重みがありました。

大塚:ありましたね、あのセリフは。

矢武:今回の室井さんの結末ですが…

大塚:そうですね。
脚本家の君塚良一さんが室井を成仏させたいっていうところから、企画が始まっているからこの結末は仕方ないことなのかなって思います。

別に亡くなることはないんじゃないかっていうご意見もいくつかネット上で見かけましたけれども、それで柳葉さんも納得してるのであれば、これは正しいのかなという気はしましたけどね。

賛否両論があるのは観た後に起こるだろうなと思いましたけれど、私は長年の踊る大捜査線シリーズのファンであり、取材をずっとし続けたものとしては腑に落ちる結末でしたけどね。

矢武:そうですね。僕も腑に落ちるというか、受け入れられる結末でした。

最後に室井さんがね、「楽しい」って言ってくれて良かったと思います。
あの室井さんがですよ?「楽しい」っていう言葉を言うんですよ。

大塚:きっと、本編で描かれてないところ、意外なところで静かに佇みながら湖畔でウイスキーを1人で飲むっていうところは、ある種、心穏やかな楽しい瞬間だったかもしれませんね。
矢武:そうですね。踊るシリーズのを初めて観た方たちは今回の映画が結構好きという人が多くて、あの生活に憧れるっていう声が結構ありましたね。

大塚:君塚さんは最初、ロシア映画みたいなものを撮りたいっていうことを仰っていたみたいです。プロデューサーの亀山千広さんがそれはちょっと…という感じで色々な要素を取り入れてあの形になったみたいですけどね。

矢武:大塚さんは亀山さんのインタビューもされていますよね。

大塚:長丁場のインタビューをさせていただいて2時間ちょっとでしたね。

今回、エンディングで、松山千春さんの曲がかかるのですが、聞いたところ柳葉さんのリクエストだったらしいですよ。前向きに検討しようかなと亀山さんが考えていたところ、現場に行ったら柳葉さんが松山さんに電話をして「OK取ったから」って返事があったみたいで、もうこれ却下できないなっていうことで、合意になったみたいですね。エンディングで松山千春さんの歌が流れるとは思わなかったですよね。

矢武:そうですね。まさか踊るシリーズで松山千春さんの歌がかかるとは思わなかった。すごい衝撃を受けましたね。だから、『室井慎次 生き続ける者』のラスト10分間、頭の整理が追いつかなかった方も多いみたいで、考えさせられる映画だなと思います。

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝


(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

大塚:あとは監督の本広克行さんですね。今回の作品で分岐点になったのは、「(室井の映画を撮るのは)俺じゃないんじゃないか」という問題提起をずっとし続けて悩んで眠れないくらい悩んで、倒れて入院してしまった本広さん。心配した亀山さんと君塚さんが「なんであんなに嫌がってんだろうな、あいつは…」という中で、きっとヘリコプターが出てこないからだよっていうところでヘリコプターを出したり、パトカーを出したりと踊るの要素を戻すことによって本広さんは元気になるんじゃないかと。
本広さんは、「そういうことじゃないんだけどな」って思いながら、でも、もう逃げられないと思って引き受けたらしいですけどね。

矢武:でもそのおかげで、警視庁のシーンも増えて僕が入庁することもできたから、物事はどこでどうなるかわからないという感じですね。

大塚:また、新シリーズというか、次回作『踊る大捜査線 N.E.W.』(26)が楽しみですね。

矢武:映画『室井慎次 生き続ける者』はT・ジョイ稚内で絶賛公開中です。
1月16日(木)に放送された「キャプテン・ポップコーン」は、『エマニュエル』と『366 日』、『アンデッド 愛しき者の不在』をご紹介!そして映画.com副編集長と人気警察ドラマ『踊る大捜査線』シリーズの中心人物・室井慎次を主人公に描いた映画二部作の後編『室井慎次 生き続ける者』についてお話していきます。

※提供:キャプテンポップコーン
この記事では1月16日(木)放送の内容をお届けします。

「カツオ節のゆーへい、どきどきっ映画くじ」のコーナー#38


(C)2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS - GOODFELLAS - PATHE' FILMS

このコーナーは全国大会で大阪府知事賞を受賞した「やぶやぶ節」がインターネットと平岸直売店で好評販売中のカツオ節の富樫政雄商店・ゆーへいさんに映画館での劇場体験、そしてクジで引けなければ観なかったであろう映画を運命的にマッチングするコーナーです。

今回は、映画『エマニュエル』をご紹介!
この映画は、1974 年に映画化され日本でも大ヒットを記録したエマニエル・アルサンの小説「エマニエル夫人」を、『あのこと』(22)で第78回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したフランスのオドレイ・ディワン監督が、舞台を現代に移して新たに映画化。『エマニュエル』は、オーナー企業から香港のハイクラスなホテル査察依頼を受ける。滞在しホテルの裏側を調べる中、宿泊客やホテル関係者との交流が、彼女を「快楽」へ誘い始める物語です。

矢武:ゆーへいさんはどうでしたか??

ゆーへい:映像美が素晴らしい作品でした。ホテル内の客室やレストラン、人物の身体や表情の変化、場面ごとの音も細部へのこだわり、全てを美しく魅せようという丁寧さが伝わってきました。
主人公のエマニュエルが香港の高級ホテル内の品質調査員というシチュエーションに、ホテルマンだった頃の自分を思い出し、こういうところをチェックされてたなぁ、色んなお客さんの様々な場面に出くわしたなぁとか少し懐かしい気持ちになって観ていました。

矢武:おお、ほぼニューヨーカー、すぐ自分にトレースしちゃって!

ゆーへい:今の仕事や自分自身に窮屈さを感じているように見えたエマニュエルが、ホテル内で日系人のケイ・シノハラや周囲の人たちに影響を受けながら、官能的な部分を含めた自分の全てを少しずつ表現していく様子を観て、この映画で伝えていきたいこと特に女性の「自己の解放」というメッセージが強く伝わってきたキレイな映画でした。

(C)2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS - GOODFELLAS - PATHE' FILMS

矢武:ここでリスナーさんからのメッセージです。

「『あのこと』のオードレイ・ディヴァン監督ということで私も鑑賞しました。女性が主体的に自らの人生を切り拓いていくドラマがとても現代的で、欲のないケイ・シノハラとの邂逅が迎える結末含めて良作だったと思います。そしてノエミ・メルランは現代のフランス俳優の中でもトップクラスに上手いことが再認識できました。」

映画『エマニュエル』(R15+)は、札幌シネマフロンティア、シアターキノ、イオンシネマ釧路で絶賛公開中。函館シネマアイリスは2月7日(金)公開。

矢武企画ことキャプテン・ポップコーンが最新映画をご紹介っ!


(C) 2025映画「366日」製作委員会

映画『366 日』。
2003 年沖縄、高校生・真喜屋湊は、同じ高校の後輩・玉城美海と出会います。好きな音楽を通じて惹かれ合うようになった二人は、湊の卒業式に付き合い始める。母親を病気で亡くした湊は音楽を作るという自分の夢を諦めかけていたが、美海に後押しされて東京の大学に進学。2年後に上京してきた彼女と再会し、二人で幸せな日々を過ごしていたが、ある日、湊は美海に別れを告げます。

2025年に、結成25周年を迎えた、沖縄出身のバンド・HY の楽曲「366 日」をモチーフに恋をした、ある男女の20 年間を描いた純愛ラブストーリーです。

HY の「366 日」と聞いて、とくに30 代前後の方はケータイ小説をドラマ・映画化した「赤い糸」を思い出しませんか?南沢奈央と溝端淳平が主演の。ケータイ小説とか響きが懐かしいですね(笑)。
そして、なんと本作にも溝端淳平が出演しています。試写で見始めたときは、その共通項に気が付かなかったのですが、気が付いた時は感激です!

ちなみに、HY の仲宗根泉が当時付き合っていた男性と一時的に別れて、作詞・作曲したというエピソードがある楽曲ですが、今回、制作陣は「歌詞に描かれていない、男性側の視点から」オリジナルストーリーを作りたかったんですって!

映画『366 日』はTOHO シネマズ すすきの、札幌シネマフロンティア、ローソン・ユナイテッドシネマ札幌のほか、旭川、小樽、江別、釧路、北見、苫小牧で1月10日(金)から公開。

(C)2024 Einar Film, Film i Vast, Zentropa Sweden, Filmiki Athens, E.R.T. S.A.

映画『アンデッド 愛しき者の不在』。
この作品の舞台は、現代のオスロ。
最愛の息子を亡くしたばかりのアナとその父・マーラーは、悲しみに暮れる日々を送っていました。そんな中、墓地で小さな音を聞いたマーラーは墓を掘り起こし、孫の身体を家に連れて帰ります。うつ状態だったアナは生気を取り戻し、人目につかない山荘に親子で隠れ住むようになるが、還ってきた息子はまばたきや呼吸はするものの全く言葉を発しない。やがて、招かれざる訪問者が山荘にやって来ます。
同じ頃、別の家族にも悲劇と歓喜が訪れていました。

『ボーダー 二つの世界』(19)の原作者として知られるスウェーデンの作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストが2005 年に発表した小説を映画化した北欧ホラーです。

ホラーとうたわれていますが、冒頭から映画文学を感じさせられるカメラワークに惹き込まれます。いい意味で生活感があり、その中の不気味さを知ることができてよかったなぁと思う映画です。
ちなみにグリーフケアが必要な方は留意が必要です。

※グリーフケアとは「喪失の悲嘆へのケア」のこと

映画『アンデッド 愛しき者の不在』は札幌シネマフロンティアで1月17日(金)から公開。

映画.com副編集長と語る『室井慎次 生き続ける者』


(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

1997年に放送されたテレビドラマのほか、映画版も大ヒットを記録してきた人気警察ドラマ「踊る大捜査線」。
同シリーズの中心人物・室井慎次を主人公に描いた映画二部作の後編ということで今回は、映画.com副編集長の大塚史貴さんとお話をしていきます。

矢武:やっと室井さんの話ができますね。

大塚:随分かかっちゃいましたね!

矢武:そうですね。でもまだ公開されて2ヶ月ぐらいしか経っていないですからね。

大塚:このタイミングなのである程度お話ができるかなと思います。
矢武さんは今回、(映画の中で)警視庁に入庁されたんですよね。

矢武:そうです。新しい経歴として、警視庁・刑事部捜査第一課の刑事として捜査本部に詰めて、事件を追いかけてました。

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

大塚:何をしていたのですか?

矢武:ずっと捜査をしてました。管理官に怒られたり…。

大塚:なるほど。もちろん本編は観ていますけれどもごめんなさい、矢武さんは見つけられませんでした…。

矢武:大きく出てるとこもあるんですよ!室井さん、仁狩さん、矢武というカットもありました。そのカットの4分の1は警視庁の矢武で嬉しかったですね!

大塚:なるほど、もう完全に作品に没入してしまって、矢武さんのことが頭になかったみたいですね(笑)。

矢武:やっぱりいつもと雰囲気が違うので、刑事の風貌、刑事の雰囲気を出しているので…。

大塚:なるほど、そこにまた注視して見直してみるというのも、一興かもしれませんね。

矢武:早くブルーレイが出ないかなと思っていますけど、でも柏市役所のフィルムコミッションが出した写真では、真ん中に僕しかいない写真が出てたんですよ。
そんな思い出もあって、間接的に室井さんと最後に捜査ができてよかったです。

大塚:何日間くらい参加されてたんですか?

矢武:2日間です。朝から夕方まで2日間、ゴールデンウィークに千葉県に行きました。

大塚:いい経験になったんじゃないですか?

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

矢武:本当にとても素晴らしい体験だったし、ここまで来たら次も警視庁にいたいと思っちゃいますね。

大塚:これネタバレというか、ニュースでも散々出ていますけど、踊るシリーズの主人公となる青島俊作(織田 裕二)さんの現在の所属部署が捜査支援分析センターということが映画の中で語られてますけれども。

矢武:警視庁刑事部、本庁に実在している部署ですね。

大塚:本庁に組み上げられて、きっと捜査一課に行くはずが、誰かの差し金でそっちに飛ばされた…みたいなシチュエーションも考えられますよね。

矢武:ただ青島くんだから要領よくやってるのかなって気はしますけどね。

大塚:元々の前職(※1)のことを考えると、違和感なくアジャストしている可能性はありますよね。
次はきっと捜査支援分析センターの青島というものが、観られるんじゃないですかね。湾岸署じゃない、そして室井さんもいない中で、周りに味方なんて誰もいない四面楚歌っていう状況で、さぁ青島どうするっていうような描かれ方になるんじゃないかなって、私は勝手に思ってます。
※1:青島俊作はコンピュータシステム開発会社「シンバシ・マイクロシステム」に勤務し、成績1位の営業マンでした。脱サラして警察官になった設定です。

矢武:たしかに。でもキャリア組は、沖田(真矢ミキ)さんしかいないから、沖田さんと青島くんが仲良くしてたらびっくりしますね。

大塚:でも沖田さんも変わったっぽいですからね。
20年前の最初のインパクトが強烈すぎて…。

矢武:年末に「踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル」(98)の再放送を見たときに、新城(筧利夫)さんが青島のことを根に持ってるシーンを観て、この27年後、ああいうことになるのにと思うとすごく愛おしかったですね。

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

大塚:新城さんは完全に青島と湾岸署の毒牙にかかってミイラ獲りがミイラになっちゃってますからね。

矢武:新城さんが1番人生変わったんじゃないですか?人生を変えられちゃったんじゃないかなと思います。

大塚:ある種、自業自得というか。

矢武:新城さんはどちらかと言えば巻き込まれた人じゃないですか?
エリート街道まっしぐらの人でしたからね。秋田県警本部長になった時に吐露するセリフは結構重みがありました。

大塚:ありましたね、あのセリフは。

矢武:今回の室井さんの結末ですが…

大塚:そうですね。
脚本家の君塚良一さんが室井を成仏させたいっていうところから、企画が始まっているからこの結末は仕方ないことなのかなって思います。

別に亡くなることはないんじゃないかっていうご意見もいくつかネット上で見かけましたけれども、それで柳葉さんも納得してるのであれば、これは正しいのかなという気はしましたけどね。

賛否両論があるのは観た後に起こるだろうなと思いましたけれど、私は長年の踊る大捜査線シリーズのファンであり、取材をずっとし続けたものとしては腑に落ちる結末でしたけどね。

矢武:そうですね。僕も腑に落ちるというか、受け入れられる結末でした。

最後に室井さんがね、「楽しい」って言ってくれて良かったと思います。
あの室井さんがですよ?「楽しい」っていう言葉を言うんですよ。

大塚:きっと、本編で描かれてないところ、意外なところで静かに佇みながら湖畔でウイスキーを1人で飲むっていうところは、ある種、心穏やかな楽しい瞬間だったかもしれませんね。

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

矢武:そうですね。踊るシリーズのを初めて観た方たちは今回の映画が結構好きという人が多くて、あの生活に憧れるっていう声が結構ありましたね。

大塚:君塚さんは最初、ロシア映画みたいなものを撮りたいっていうことを仰っていたみたいです。プロデューサーの亀山千広さんがそれはちょっと…という感じで色々な要素を取り入れてあの形になったみたいですけどね。

矢武:大塚さんは亀山さんのインタビューもされていますよね。

大塚:長丁場のインタビューをさせていただいて2時間ちょっとでしたね。

今回、エンディングで、松山千春さんの曲がかかるのですが、聞いたところ柳葉さんのリクエストだったらしいですよ。前向きに検討しようかなと亀山さんが考えていたところ、現場に行ったら柳葉さんが松山さんに電話をして「OK取ったから」って返事があったみたいで、もうこれ却下できないなっていうことで、合意になったみたいですね。エンディングで松山千春さんの歌が流れるとは思わなかったですよね。

矢武:そうですね。まさか踊るシリーズで松山千春さんの歌がかかるとは思わなかった。すごい衝撃を受けましたね。だから、『室井慎次 生き続ける者』のラスト10分間、頭の整理が追いつかなかった方も多いみたいで、考えさせられる映画だなと思います。

(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

大塚:あとは監督の本広克行さんですね。今回の作品で分岐点になったのは、「(室井の映画を撮るのは)俺じゃないんじゃないか」という問題提起をずっとし続けて悩んで眠れないくらい悩んで、倒れて入院してしまった本広さん。心配した亀山さんと君塚さんが「なんであんなに嫌がってんだろうな、あいつは…」という中で、きっとヘリコプターが出てこないからだよっていうところでヘリコプターを出したり、パトカーを出したりと踊るの要素を戻すことによって本広さんは元気になるんじゃないかと。
本広さんは、「そういうことじゃないんだけどな」って思いながら、でも、もう逃げられないと思って引き受けたらしいですけどね。

矢武:でもそのおかげで、警視庁のシーンも増えて僕が入庁することもできたから、物事はどこでどうなるかわからないという感じですね。

大塚:また、新シリーズというか、次回作『踊る大捜査線 N.E.W.』(26)が楽しみですね。

矢武:映画『室井慎次 生き続ける者』はT・ジョイ稚内で絶賛公開中です。

キャプテン・ポップコーン

映画専門ラジオ番組

キャプテン・ポップコーンは、エフエムノースウェーブで毎週木曜日深夜1時半から放送するラジオ番組です。北海道・札幌で映画のお仕事に従事する「まちのえいが屋さん・矢武企画」が気になった映画の情報、映画に関係したまちの情報、そして、映画がもっと近くなるようなお話をお届けします。映画がはじける、映画で踊る夜、きょうも映画と、コミュニケーションしていきましょう!

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アニメ『怪獣8号』第1期総集編/同時上映「保科の休日」

2025-03-28

怪獣大国日本。清掃業で働く日比野カフカは、日本防衛隊のホープである幼馴染・亜白ミナとの再会をきっかけに諦めていた防衛隊を再び志すが、その矢先に強大な力を持つ「怪獣8号」に変身してしまう。後輩・市川レノの協力を得て正体を隠しながら、防衛隊員選抜試験、初の実戦と、かつての夢へ着実に歩みを進めるカフカ。しかし日常を揺るがすように、高い知能を持つ謎の怪獣によって防衛隊基地の襲撃事件が発生!絶望的な状況を前にカフカはある重大な決断を迫られる…。 / 休日、それは防衛隊員に訪れる束の間の安息…。トレーニング漬けの日々で休日の過ごし方を忘れてしまったレノは、同じく非番の保科からただならぬ雰囲気を感じとり、伊春と共に尾行作戦を決行する!しかし、事態は思わぬ方向に動き出し…?!