2025.10.21

映画は、生きることそのもの――北海道で語られたジョニー・トー最新作の構想と創作の真髄

10月10日(金)〜12日(日)に札幌で開催された「北海道フービーフェスティバル2025」。その注目プログラムのひとつとして、香港映画界の巨匠・ジョニー・トー監督を迎えた映画『エグザイル/絆』(08)の特別上映とトークイベントが行われました。
会場は満席。観客の熱気があふれる中、名古屋・シネマスコーレ支配人の坪井篤史氏が司会を務め、トー監督との対話が始まりました。

憧れの監督を前に、熱気あふれる会場

「ジョニー・トー監督に会うために、仕事をサボって来ました!」開口一番、坪井氏の言葉に会場は笑いに包まれました。 興奮を抑えきれない様子で「心臓が出ちゃいそうです」と語る姿に、観客からも拍手が起こります。

そしてついに――。「映画界の神様、ジョニー・トー監督です」と紹介されると、会場の空気が一変。登場した監督は穏やかな笑みを浮かべながら「みなさん、こんばんは」と挨拶し、その存在感だけで場の空気を支配しました。

坪井氏は「うちの劇場はジョニー・トー作品を日本で一番上映しています」と誇らしげに語り、監督も「ありがとうございます」と笑顔で応えました。

『エグザイル/絆』誕生の裏側

上映に先立ち、監督は『エグザイル/絆』(08)制作当時の心境を語りました。「『エレクション』(07)シリーズを撮り終えたとき、私はとても疲れていました。休みたかったのですが、『エグザイル』の撮影が始まりました。「マカオへ行き、リラックスしながら撮影しました」とさらに驚くべき事実も明かされます。

続いて監督は「『エグザイル/絆』(08)の映画撮影では脚本はありませんでした。全く書いていなかったのです。今夜満足できなかったらごめんなさい」と会場の笑いを誘いました。
即興の現場から生まれた作品――。
脚本を現場で変更・発展させる“即興的”アプローチで知られる監督だからこそ、「構築」と「直感」の両立が自然と成り立つのだと感じさせる一幕でした。

「映画は生活」――食卓に宿る哲学

司会の坪井氏が「監督の作品には食事のシーンが多い」と切り出すと、監督は静かに頷きながら言葉を選びました。「映画は人の生活です。生活には食べ物が必要です。食べる場面では登場人物の変化を自然に見せることができます。良い人も悪い人も、みんな食べなければ生きられません」と答え、続けてこう語ります。

「レストランに行って隣に嫌いな人がいたら、そこから何かが起こるかもしれません。食事という行為には、物語を変える力があるのです」と食卓に宿る哲学を教えてくれました。

“食と映画”というフェスティバルテーマを象徴する言葉。“映画=生活”という監督の哲学が語られると、観客は静かに聞き入っていました。

北海道の味、そして新作への想い

トークの中盤、坪井氏が「北海道で好きな食べ物はありますか」と尋ねると、監督は笑みを浮かべてこう答えました。「たくさんあります。滞在するときは毎回5つの決まったレストランに行きます」 という言葉から、北海道グルメへの強い関心がうかがえました。

そして話題は、新作映画の構想へ。

監督は「北海道に滞在した際は、おいしい食事が多く、都会に比べて落ち着いた雰囲気で過ごしやすいと感じました。特に雪がとても印象的で、大好きになりました。」と語り、「私の作品は日本映画に強く影響を受けており、いつか日本で映画を撮りたいと思ったとき、思い浮かんだのが北海道でした」と北海道への想いを語ってくれました。
今回の作品は香港と日本のマフィアが登場する作品になる予定なのだそう。
撮影は来年の秋から冬にかけて行われる予定だと語り、会場からは歓声が上がりました。
雪を愛する監督が描く“北海道の映画”――その実現が待ち遠しい瞬間でした。

トークの締めくくり、監督は深く一礼し、静かに感謝を伝えました。「今日はありがとうございました。またすぐに皆さんにお会いできることを願っています」との監督の言葉を受け、会場は温かな拍手に包まれました。
 

憧れの監督を前に、熱気あふれる会場

「ジョニー・トー監督に会うために、仕事をサボって来ました!」開口一番、坪井氏の言葉に会場は笑いに包まれました。 興奮を抑えきれない様子で「心臓が出ちゃいそうです」と語る姿に、観客からも拍手が起こります。

そしてついに――。「映画界の神様、ジョニー・トー監督です」と紹介されると、会場の空気が一変。登場した監督は穏やかな笑みを浮かべながら「みなさん、こんばんは」と挨拶し、その存在感だけで場の空気を支配しました。

坪井氏は「うちの劇場はジョニー・トー作品を日本で一番上映しています」と誇らしげに語り、監督も「ありがとうございます」と笑顔で応えました。

『エグザイル/絆』誕生の裏側

上映に先立ち、監督は『エグザイル/絆』(08)制作当時の心境を語りました。「『エレクション』(07)シリーズを撮り終えたとき、私はとても疲れていました。休みたかったのですが、『エグザイル』の撮影が始まりました。「マカオへ行き、リラックスしながら撮影しました」とさらに驚くべき事実も明かされます。

続いて監督は「『エグザイル/絆』(08)の映画撮影では脚本はありませんでした。全く書いていなかったのです。今夜満足できなかったらごめんなさい」と会場の笑いを誘いました。
即興の現場から生まれた作品――。
脚本を現場で変更・発展させる“即興的”アプローチで知られる監督だからこそ、「構築」と「直感」の両立が自然と成り立つのだと感じさせる一幕でした。

「映画は生活」――食卓に宿る哲学

司会の坪井氏が「監督の作品には食事のシーンが多い」と切り出すと、監督は静かに頷きながら言葉を選びました。「映画は人の生活です。生活には食べ物が必要です。食べる場面では登場人物の変化を自然に見せることができます。良い人も悪い人も、みんな食べなければ生きられません」と答え、続けてこう語ります。

「レストランに行って隣に嫌いな人がいたら、そこから何かが起こるかもしれません。食事という行為には、物語を変える力があるのです」と食卓に宿る哲学を教えてくれました。

“食と映画”というフェスティバルテーマを象徴する言葉。“映画=生活”という監督の哲学が語られると、観客は静かに聞き入っていました。

北海道の味、そして新作への想い

トークの中盤、坪井氏が「北海道で好きな食べ物はありますか」と尋ねると、監督は笑みを浮かべてこう答えました。「たくさんあります。滞在するときは毎回5つの決まったレストランに行きます」 という言葉から、北海道グルメへの強い関心がうかがえました。

そして話題は、新作映画の構想へ。

監督は「北海道に滞在した際は、おいしい食事が多く、都会に比べて落ち着いた雰囲気で過ごしやすいと感じました。特に雪がとても印象的で、大好きになりました。」と語り、「私の作品は日本映画に強く影響を受けており、いつか日本で映画を撮りたいと思ったとき、思い浮かんだのが北海道でした」と北海道への想いを語ってくれました。
今回の作品は香港と日本のマフィアが登場する作品になる予定なのだそう。
撮影は来年の秋から冬にかけて行われる予定だと語り、会場からは歓声が上がりました。
雪を愛する監督が描く“北海道の映画”――その実現が待ち遠しい瞬間でした。

トークの締めくくり、監督は深く一礼し、静かに感謝を伝えました。「今日はありがとうございました。またすぐに皆さんにお会いできることを願っています」との監督の言葉を受け、会場は温かな拍手に包まれました。
 

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