2024.10.9

「ふれる。」長井龍雪監督の舞台挨拶レポート

10月4日に公開された、不思議な生き物"ふれる"の力で心がつながっている3人の青年の友情を描いたオリジナル長編アニメーション「ふれる。」。本作を手掛けた長井龍雪監督の舞台挨拶を、映画の魅力や舞台裏とともに、SASARU movie編集部がレポートします。

長井龍雪監督が語る「ふれる。」の制作にいたるまでと舞台裏

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」の青春3部作を手がけ、多くの観客を感動の涙で包み込んだ長井監督。新たに挑んだ作品「ふれる。」の舞台挨拶では、制作にいたるまでの経緯や、舞台裏をたくさん教えてくれました。

―――今作品は、人と人とのつながりをすごく感じさせられる、そんな作品だと感じました。この「ふれる。」の制作に至った経緯を教えてください。

ふわっとした感じなのですが、前作品の制作終盤ぐらいの頃から、私とキャラクターデザインの田中さんと、脚本家の岡田さんで次は何をしようかみたいな話を始めました。本当に雑談レベルからスタートしたんです。2019年からのスタートなので、約5年前からスタートした、ということになりますね。

―――今作品は友情物語ですが、友情物語にしようと思われたのはいつ頃でしたか?

最初の頃からですね。上京というキーワードが最初にでてきたテーマで、まずは上京するところから始めようというのと、前作が姉妹の話だったので、今回は男の子にして3人がルームシェアをするというお話が最初のイメージとしてありました。その中から色々話を広げていって、今回の形になりました。
 
―――ストーリーを彩るのが主人公を演じる永瀬廉さん、坂東龍汰さん、前田拳太郎さんの3人。今回、オーディションで選ばれたということですが、印象はいかがでしたか。

本当にキャラクターにぴったり、そんな3人でした。

今回は、キャラクターに合うかどうかだけを最初に見させていただきました。
主人公、秋の永瀬さんは、ニュアンスを伝えるのが本当に素晴らしい方でした。秋は割と無口で口下手だけれど、内心では色々考えている、という少し表現しにくいキャラクターなんですが、短いセリフの中で色々なニュアンスを伝えてくれました。そのイメージをオーディションの時からやっていただけたので、それがポイントになり選ばせていただきました。

―――諒を演じた坂東龍汰さんの印象についてはいかがですか。

坂東さんは、実写のドラマ作品だと割とクールな印象があったんですが、諒を演じてもらって、陽気なキャラクターというかすごく豪快な感じでした。諒というキャラクター自体も割と豪快で口が悪いけれど、内面はとても兄貴っぽい感じなんですね。内面の優しさみたいなものが滲み出る芝居をオーディションの時からやっていただけて、それが決め手になりました。

―――優太を演じる前田拳太郎さんについてはいかがでしょうか。

前田さんは、アニメが大好きで、このオーディションに本当に受かりたかった、とおっしゃっていただいたんです。アニメをたくさん研究して、最初から優太の声のイメージをしっかり固めてオーディションに挑んでいただき、それが本当にぴったりだったんです。

―――前田さんは、永井監督、岡田さん、田中さんのファンであるとも聞いたのですが...。

そう言って頂けてありがたいです。前田さんが作品を見ていたのが学生の頃とかですかね。最初の作品「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の時は、小学生だったと思うと時代を感じてしまいました(笑)

(C)2024 FURERU PROJECT

―――3人の雰囲気が和気あいあいとした感じでまるで実写バージョンのようだったとお聞きしています。アフレコ現場での何か印象深いエピソードなどはありますか?

今回、なるべく3人一緒で録らせていただいたんですけども、3人の仲の良さを見ているとこちらも楽しくなってしまうような現場で、うれしい気持ちになりました。

終盤で秋が感情を爆発させるシーンがあるんですが、そのシーンを何度か永瀬さんが録り直して、調整ブースで3人で聞きながら、みんなでお互いの芝居を評価したり、色々話し合ったりしていて、そこで友情を感じました。まさに全員で作り上げた、という感じですね。


―――そして、5年ぶりの新作となる今作の舞台は東京です。上京を物語にした理由を教えていただけますか?

前作で、秩父が舞台の高校生の話が終わり、私も田中さんも岡田さんも全員上京組なので、それで舞台が東京、というのはすぐ決まりました。

そして3人とも、上京したての頃にルームシェアをしていたのが分かりまして、その頃の話をしながらエピソードを盛り込みつつストーリーを作っていきました。

完成した作品を見て、常に友達がいる環境ってそれまでなかったので本当に楽しかった思い出がよみがえった感じです。



 
―――"ふれる"という不思議な力を持つキャラクター。とても可愛らしい姿をしていますが、ふれるの存在やビジュアルにはどのような狙いがあったんでしょうか?

この子にはさわると痛いという設定があったので、トゲのイメージからハリネズミやヤマアラシじゃないかという話が出た中でシナリオの最中に田中さんにさらさらっとラフを描いていただいて、それがものすごく可愛かったんです。他のスタッフにもすごく好評でした。ただ、田中さんは、ハリネズミを割とリアルに描いたつもりだったらしく、後から調べたら全然違うことに気が付いて、途中でハリネズミに寄せようと何度か描き直していました。他にも、陸上生物以外に海洋生物などパターンはたくさん出してもらったんですが、当初の姿のままになりました。


 

(C)2024 FURERU PROJECT

―――そして、映画のタイトルである「ふれる。」というひらがな表記の最後には丸がついていますが、これは何か意図はあるんでしょうか?

実は、"ふれる"という生き物が出てくる前に、青年3人の物語としてのプロット(構想をまとめたもの)があり、その段階から「ふれる」というタイトルがついていたんです。元々、動詞の意味のふれるという意味合いと、後から出てきた生き物の名前としての"ふれる"、というふたつの意味がかかっているので、動詞の意味を兼ねて、丸をつけさせていただきました。岡田さんが違うこと言っていたら本当に申し訳ないんですが、僕はそのように記憶しています(笑)。

マスコットキャラクターが出る作品の経験が少なく、かつオリジナルで作るということが初めてでした。田中さんを筆頭に作画スタッフ、音響スタッフさんなど"ふれる"をいかに可愛く見せるか注力して作っています。その可愛さをぜひ確かめていただければ、と思います。

「ふれる。」の基本情報

・作品名:『ふれる。』
・出演:永瀬廉 坂東龍汰 前田拳太郎 白石晴香 石見舞菜香 皆川猿時 津田健次郎
・監督:長井龍雪
・脚本:岡田麿里
・キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
・音楽:横山克 TeddyLoid
・主題歌:YOASOBI「モノトーン」(Echoes / Sony Music Entertainment (Japan) Inc.)
・配給:東宝 アニプレックス
・製作:「ふれる。」製作委員会
・公開日:大ヒット上映中
・公式サイト: https://fureru-movie.com/
 

(C)2024 FURERU PROJECT

長井龍雪監督が語る「ふれる。」の制作にいたるまでと舞台裏

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」の青春3部作を手がけ、多くの観客を感動の涙で包み込んだ長井監督。新たに挑んだ作品「ふれる。」の舞台挨拶では、制作にいたるまでの経緯や、舞台裏をたくさん教えてくれました。

―――今作品は、人と人とのつながりをすごく感じさせられる、そんな作品だと感じました。この「ふれる。」の制作に至った経緯を教えてください。

ふわっとした感じなのですが、前作品の制作終盤ぐらいの頃から、私とキャラクターデザインの田中さんと、脚本家の岡田さんで次は何をしようかみたいな話を始めました。本当に雑談レベルからスタートしたんです。2019年からのスタートなので、約5年前からスタートした、ということになりますね。

―――今作品は友情物語ですが、友情物語にしようと思われたのはいつ頃でしたか?

最初の頃からですね。上京というキーワードが最初にでてきたテーマで、まずは上京するところから始めようというのと、前作が姉妹の話だったので、今回は男の子にして3人がルームシェアをするというお話が最初のイメージとしてありました。その中から色々話を広げていって、今回の形になりました。
 
―――ストーリーを彩るのが主人公を演じる永瀬廉さん、坂東龍汰さん、前田拳太郎さんの3人。今回、オーディションで選ばれたということですが、印象はいかがでしたか。

本当にキャラクターにぴったり、そんな3人でした。

今回は、キャラクターに合うかどうかだけを最初に見させていただきました。
主人公、秋の永瀬さんは、ニュアンスを伝えるのが本当に素晴らしい方でした。秋は割と無口で口下手だけれど、内心では色々考えている、という少し表現しにくいキャラクターなんですが、短いセリフの中で色々なニュアンスを伝えてくれました。そのイメージをオーディションの時からやっていただけたので、それがポイントになり選ばせていただきました。

―――諒を演じた坂東龍汰さんの印象についてはいかがですか。

坂東さんは、実写のドラマ作品だと割とクールな印象があったんですが、諒を演じてもらって、陽気なキャラクターというかすごく豪快な感じでした。諒というキャラクター自体も割と豪快で口が悪いけれど、内面はとても兄貴っぽい感じなんですね。内面の優しさみたいなものが滲み出る芝居をオーディションの時からやっていただけて、それが決め手になりました。

―――優太を演じる前田拳太郎さんについてはいかがでしょうか。

前田さんは、アニメが大好きで、このオーディションに本当に受かりたかった、とおっしゃっていただいたんです。アニメをたくさん研究して、最初から優太の声のイメージをしっかり固めてオーディションに挑んでいただき、それが本当にぴったりだったんです。

―――前田さんは、永井監督、岡田さん、田中さんのファンであるとも聞いたのですが...。

そう言って頂けてありがたいです。前田さんが作品を見ていたのが学生の頃とかですかね。最初の作品「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の時は、小学生だったと思うと時代を感じてしまいました(笑)

(C)2024 FURERU PROJECT

―――3人の雰囲気が和気あいあいとした感じでまるで実写バージョンのようだったとお聞きしています。アフレコ現場での何か印象深いエピソードなどはありますか?

今回、なるべく3人一緒で録らせていただいたんですけども、3人の仲の良さを見ているとこちらも楽しくなってしまうような現場で、うれしい気持ちになりました。

終盤で秋が感情を爆発させるシーンがあるんですが、そのシーンを何度か永瀬さんが録り直して、調整ブースで3人で聞きながら、みんなでお互いの芝居を評価したり、色々話し合ったりしていて、そこで友情を感じました。まさに全員で作り上げた、という感じですね。


―――そして、5年ぶりの新作となる今作の舞台は東京です。上京を物語にした理由を教えていただけますか?

前作で、秩父が舞台の高校生の話が終わり、私も田中さんも岡田さんも全員上京組なので、それで舞台が東京、というのはすぐ決まりました。

そして3人とも、上京したての頃にルームシェアをしていたのが分かりまして、その頃の話をしながらエピソードを盛り込みつつストーリーを作っていきました。

完成した作品を見て、常に友達がいる環境ってそれまでなかったので本当に楽しかった思い出がよみがえった感じです。



 

(C)2024 FURERU PROJECT

―――"ふれる"という不思議な力を持つキャラクター。とても可愛らしい姿をしていますが、ふれるの存在やビジュアルにはどのような狙いがあったんでしょうか?

この子にはさわると痛いという設定があったので、トゲのイメージからハリネズミやヤマアラシじゃないかという話が出た中でシナリオの最中に田中さんにさらさらっとラフを描いていただいて、それがものすごく可愛かったんです。他のスタッフにもすごく好評でした。ただ、田中さんは、ハリネズミを割とリアルに描いたつもりだったらしく、後から調べたら全然違うことに気が付いて、途中でハリネズミに寄せようと何度か描き直していました。他にも、陸上生物以外に海洋生物などパターンはたくさん出してもらったんですが、当初の姿のままになりました。


 
―――そして、映画のタイトルである「ふれる。」というひらがな表記の最後には丸がついていますが、これは何か意図はあるんでしょうか?

実は、"ふれる"という生き物が出てくる前に、青年3人の物語としてのプロット(構想をまとめたもの)があり、その段階から「ふれる」というタイトルがついていたんです。元々、動詞の意味のふれるという意味合いと、後から出てきた生き物の名前としての"ふれる"、というふたつの意味がかかっているので、動詞の意味を兼ねて、丸をつけさせていただきました。岡田さんが違うこと言っていたら本当に申し訳ないんですが、僕はそのように記憶しています(笑)。

マスコットキャラクターが出る作品の経験が少なく、かつオリジナルで作るということが初めてでした。田中さんを筆頭に作画スタッフ、音響スタッフさんなど"ふれる"をいかに可愛く見せるか注力して作っています。その可愛さをぜひ確かめていただければ、と思います。

「ふれる。」の基本情報


(C)2024 FURERU PROJECT

・作品名:『ふれる。』
・出演:永瀬廉 坂東龍汰 前田拳太郎 白石晴香 石見舞菜香 皆川猿時 津田健次郎
・監督:長井龍雪
・脚本:岡田麿里
・キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
・音楽:横山克 TeddyLoid
・主題歌:YOASOBI「モノトーン」(Echoes / Sony Music Entertainment (Japan) Inc.)
・配給:東宝 アニプレックス
・製作:「ふれる。」製作委員会
・公開日:大ヒット上映中
・公式サイト: https://fureru-movie.com/
 

休日のスケジュールが決まっていない方、何を見ようか迷っている方など"ライトな映画ファン"に対して、映画館に出かけて、映画を楽しむことをおすすめします。SASARU movie編集部では、話題性の高い最新映画を中心にその情報や魅力を継続的に発信していきます。

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