2024.12.10

MEGUMIさん「恐怖心を打破したい」。日本映画産業の可能性へチャレンジする理由とは??

2024年12月6日(金)〜12月9日(月)まで開催される食と映画のイベント「キュイジーヌシネマin 函館 あなたの美味しい物語り」。このイベントで総合プロデューサーを務めるのは、俳優であり、BABEL LABEL(※1)に映像プロデューサーとして参加するMEGUMIさんです。第77回カンヌ国際映画祭にて主宰した「JAPAN NIGHT」
(※2)のエピソードや映像制作へ挑戦する理由をお聞きしました。
(text/photo|矢武兄輔[キャプテン・ポップコーン])
「JAPAN NIGHT」写真提供|株式会社 Rice Entertainments


※1:「BABEL LABEL」・・・東京を拠点に活動する映像レーベル。映画、CM、MV、ドラマ制作といった様々な映像メディアに特化したディレクター集団です。『新聞記者』『余命十年』の藤井道人監督が設立し、『帰ってきたあぶない刑事』の原廣利監督や『Winny』の松本優作監督が参加しています。
 
※2:「JAPAN NIGHT」・・・2024年5月17日(金)にカンヌ国際映画祭で開催されたイベント。俳優・斎藤工や深田晃司監督らがプレゼンテーションを行い、海外の映画産業に携わる関係者との交流を広げることが目的です。

 

―――「キュイジーヌシネマ」を立ち上げた理由を教えてください。

MEGUMI:
函館開催は、食部門プロデューサーのATSUMI.Kさんと縁があって、お声がけ頂きました。今までも静岡県や広島県で小さなイベントを実施してきましたが、北海道は食の宝庫なので、実施する意味が大きいです。私はずっとエンターテイメントの世界にいて、飲食事業も手掛けているので、両方のアイデンティティを持っている特殊なタレント。日本のすばらしい食材、自然の恵みに寄り添っているシェフの方々をお目にかかる中、(後継者不足などで食文化が)衰退していく現状を映像のチカラを活用して、世界の方々へ(日本の魅力を)発信していきたいです。
 
 
―――いま世界や映像という言葉がでました。俳優業のほかにも、映像プロデュースや「JAPAN NIGHT」を主宰されるなど、これらに挑戦しようとしたキッカケは??

MEGUMI:私たちは受け身の仕事です。どんなに努力しても、声がかからないと稼働できない。常にそういった恐怖心があることから打破したい、ということが一番大きいです。また、時代的にSNS等で自分のことを発信する時代なのに、我々芸能人は割と受け身だったりします。そろそろ時代に合わせて、自分で発信していかないとならないと何年か思考中で「もう少しこういう作品が増えたらいいなぁ」「すばらしい監督がいるなぁ」ということを常に思っていました。「じゃあ、自分で制作すればいいんだ、仕事をつくればいいんだ」というのが最初の理由です。
 
ショートドラマから始めて長編映画など今まで6、7作品をつくってきました。そういったことをやっていくうちに日本の映画産業というものが、ビジネス的に難しくなってきているということに気づき、現場の方々も過酷で人間らしくない生活を強いられている方もいます。最近は改善されてきましたが、自分が愛すべき(映像の)世界をビジネス的に大きくしなければいけないし、日本映画の魅力を海外に発信していければいいと考えました。
2022年にカンヌ国際映画祭に参加した際、「日本の映画が大好きだよ!」というヨーロピアンの方にたくさん会えたので、2024年の同映画祭で「JAPAN NIGHT」を思い切って主宰しました。
 
―――先ほど電話で「JAPAN NIGHT」に招待された映画監督に聞くと、「(イベントが)すごかった!」と。これまで日本が実施するPRイベントが、他の国と比べて注目されていなかったから、MEGUMIさんがプロデュースした企画はとても目を惹いていたとのことです。「JAPAN NIGHT」を主宰する上で、日本映画産業の課題点など気づくものがございましたか??

MEGUMI:
今年のカンヌのメインビジュアルが1991年に公開された黒澤明監督の『八月の狂詩曲(ラプソディー)』、監督週間が北野武監督のアニメーションでした。映画界への多大な貢献をたたえる「名誉パルムドール」をスタジオジブリさんが受賞したりと、日本映画が盛り上がっていました。カンヌに来ていた方とお話しすると、黒澤明監督や横溝正史監督、今村昌平監督ら先人がつくった作品を今でも好きな方がメチャクチャいて、「なぜ、彼らからインスピレーションを受けた作品をつくらないんだ??」とおっしゃるんですよ。日本の怪談話やアート作品…、キュビズム(※3)の時代などがあって「これが(現代の映画)ある!」とコレクターの方々は語りながら、作品に没入したいという想いがあるんですね。でも、私たちは「先人がつくった素晴らしさ」というのを知ってはいるけど深くは理解していない、作品に落とし込めていない現状があります。「もう少しこうしたらいいのに」と思っている現地の方々の意図を、意外と私たち日本人はしらない。「カンヌでノミネートされたい!」と思ってはいるけど・・・。そこをお伝えできるワークショップを次の「JAPAN NIGHT」で実行しようと計画中です。
 
※3:「キュビズム」・・・20世紀初頭にパリで生み出された芸術運動です。

 
―――まだまだ可能性はありますね??

MEGUMI: はい!
まだまだ先人たちが築き上げた作品を知るべきだと思っています。

―――ローカルに対して、日本映画の発展に寄与するという部分で可能性は感じますか??

MEGUMI:
Netflixオリジナルドラマ「First Love 初恋」(22)、「さよならのつづき」(24)は北海道が舞台ということが、個人的には意味があると思っています。海外の方々に見ていただく(日本の)景色というのは東京も面白いですが、地方でもある北海道は「特に人気だ」と聞いていて、こういう支持から、聖地巡礼や観光の方がロケーションの場所に訪れるということがたくさんあり、地方を盛り上げることに繋がります。
地方を盛り上げながら映画をつくっていき、世界へ発信していくことを私たちはチャレンジしていきたいし、大きな可能性を感じます。


MEGUMIさんが総合プロデューサーを務めるイベント「キュイジーヌシネマin 函館 あなたの美味しい物語り」は公式サイトをチェック!
公式サイト:https://www.cuisinecinema-hakodate.com/index.html
―――「キュイジーヌシネマ」を立ち上げた理由を教えてください。

MEGUMI:
函館開催は、食部門プロデューサーのATSUMI.Kさんと縁があって、お声がけ頂きました。今までも静岡県や広島県で小さなイベントを実施してきましたが、北海道は食の宝庫なので、実施する意味が大きいです。私はずっとエンターテイメントの世界にいて、飲食事業も手掛けているので、両方のアイデンティティを持っている特殊なタレント。日本のすばらしい食材、自然の恵みに寄り添っているシェフの方々をお目にかかる中、(後継者不足などで食文化が)衰退していく現状を映像のチカラを活用して、世界の方々へ(日本の魅力を)発信していきたいです。
 
 
―――いま世界や映像という言葉がでました。俳優業のほかにも、映像プロデュースや「JAPAN NIGHT」を主宰されるなど、これらに挑戦しようとしたキッカケは??

MEGUMI:私たちは受け身の仕事です。どんなに努力しても、声がかからないと稼働できない。常にそういった恐怖心があることから打破したい、ということが一番大きいです。また、時代的にSNS等で自分のことを発信する時代なのに、我々芸能人は割と受け身だったりします。そろそろ時代に合わせて、自分で発信していかないとならないと何年か思考中で「もう少しこういう作品が増えたらいいなぁ」「すばらしい監督がいるなぁ」ということを常に思っていました。「じゃあ、自分で制作すればいいんだ、仕事をつくればいいんだ」というのが最初の理由です。
 
ショートドラマから始めて長編映画など今まで6、7作品をつくってきました。そういったことをやっていくうちに日本の映画産業というものが、ビジネス的に難しくなってきているということに気づき、現場の方々も過酷で人間らしくない生活を強いられている方もいます。最近は改善されてきましたが、自分が愛すべき(映像の)世界をビジネス的に大きくしなければいけないし、日本映画の魅力を海外に発信していければいいと考えました。
2022年にカンヌ国際映画祭に参加した際、「日本の映画が大好きだよ!」というヨーロピアンの方にたくさん会えたので、2024年の同映画祭で「JAPAN NIGHT」を思い切って主宰しました。
 
―――先ほど電話で「JAPAN NIGHT」に招待された映画監督に聞くと、「(イベントが)すごかった!」と。これまで日本が実施するPRイベントが、他の国と比べて注目されていなかったから、MEGUMIさんがプロデュースした企画はとても目を惹いていたとのことです。「JAPAN NIGHT」を主宰する上で、日本映画産業の課題点など気づくものがございましたか??

MEGUMI:
今年のカンヌのメインビジュアルが1991年に公開された黒澤明監督の『八月の狂詩曲(ラプソディー)』、監督週間が北野武監督のアニメーションでした。映画界への多大な貢献をたたえる「名誉パルムドール」をスタジオジブリさんが受賞したりと、日本映画が盛り上がっていました。カンヌに来ていた方とお話しすると、黒澤明監督や横溝正史監督、今村昌平監督ら先人がつくった作品を今でも好きな方がメチャクチャいて、「なぜ、彼らからインスピレーションを受けた作品をつくらないんだ??」とおっしゃるんですよ。日本の怪談話やアート作品…、キュビズム(※3)の時代などがあって「これが(現代の映画)ある!」とコレクターの方々は語りながら、作品に没入したいという想いがあるんですね。でも、私たちは「先人がつくった素晴らしさ」というのを知ってはいるけど深くは理解していない、作品に落とし込めていない現状があります。「もう少しこうしたらいいのに」と思っている現地の方々の意図を、意外と私たち日本人はしらない。「カンヌでノミネートされたい!」と思ってはいるけど・・・。そこをお伝えできるワークショップを次の「JAPAN NIGHT」で実行しようと計画中です。
 
※3:「キュビズム」・・・20世紀初頭にパリで生み出された芸術運動です。

 
―――まだまだ可能性はありますね??

MEGUMI: はい!
まだまだ先人たちが築き上げた作品を知るべきだと思っています。

―――ローカルに対して、日本映画の発展に寄与するという部分で可能性は感じますか??

MEGUMI:
Netflixオリジナルドラマ「First Love 初恋」(22)、「さよならのつづき」(24)は北海道が舞台ということが、個人的には意味があると思っています。海外の方々に見ていただく(日本の)景色というのは東京も面白いですが、地方でもある北海道は「特に人気だ」と聞いていて、こういう支持から、聖地巡礼や観光の方がロケーションの場所に訪れるということがたくさんあり、地方を盛り上げることに繋がります。
地方を盛り上げながら映画をつくっていき、世界へ発信していくことを私たちはチャレンジしていきたいし、大きな可能性を感じます。


MEGUMIさんが総合プロデューサーを務めるイベント「キュイジーヌシネマin 函館 あなたの美味しい物語り」は公式サイトをチェック!
公式サイト:https://www.cuisinecinema-hakodate.com/index.html

矢武兄輔

まちのえいが屋さん/キャプテン・ポップコーン

20歳の1月。札幌映画サークルに入会直後、さぬき映画祭への参加で『踊る大捜査線』の製作陣や深田晃司監督と出逢い、映画界の現実や地方から発信するエンタメの可能性を知る。そこから「映画館へ行く人を増やす」という目標を持ち、カネゴンを呼んでみたり、学生向け媒体をつくったり、休学して東京国際映画祭で勤務、映画館へ就職→退職→「矢武企画」を起業からの今は某局でラジオDJ。 すべては『踊る』の完結が始まりだった。そして、踊るプロジェクト再始動と共に…! ということで、皆さんにとって映画がもっと近くなれますように。

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