2024.12.13

最新作『ライオンキング:ムファサ』ムファサ役・尾上右近さん、キロス役・渡辺謙さんにインタビュー!

ディズニー実写映画全世界No.1ヒット作『ライオン・キング』の最新作『ライオン・キング:ムファサ』。シンバの父・ムファサ王誕生までの物語を描いた今作。若き日の“ムファサ”の日本版声優を担当した尾上右近さんと、ムファサとタカ兄弟を執拗に追い掛けまわす敵ライオン“キロス”を演じた渡辺謙さんに、UHBアナウンサーの柴田平美がインタビュー。
 
歌舞伎の世界に生きる右近さんが共感した、ムファサの動物世界の王としての在り方や、終始気さくな雰囲気の謙さんには役作りについて詳しくお話を伺いました。

ムファサ役・尾上右近さん、キロス役・渡辺謙さんインタビュー

―――今回、日本版声優を務めることが決まった時の気持ちから教えてください。
 
右近:
元々『ライオン・キング』が本当に好きで、『ライオン・キング』で育ったような世代なので、とても思い入れのある作品でした。シンバのお父さんであるムファサが、いかにして王になったかというのが今回の物語です。自然界の伝統の中で生きるライオンの王・ムファサが、その世界でいかにして王になったかを描く作品という意味では、僕も伝統の世界に身を置いているので、親和性や分かり得る気持ちがありました。ムファサも子供の頃は孤児で、タカという兄弟に出会ったことで関係性が生まれて、みんなの力を信じることにより王になったという力でねじ伏せるスタイルではない王です。僕も本当に歌舞伎のために王になりたいと思う気持ちがある中での今作で、本当に自分にとっても励みになる作品です。また、初めて声優という仕事をするので、気合十分で飛び込むつもりでやらせていただいています。
―――謙さんはいかがですか?
 
渡辺:
『ライオン・キング』は30年の間、何世代にもわたってストーリーテリングできるひとつの題材だと思います。それは、基本的に人間社会と一緒ですよね。親が持っているものを継いでいく、友情を育んでいく、愛情を育んでいく…。そういうことは、僕らが抱えている世界と一緒だという気がしていて、だからこそ30年も続いている素敵なお話なのだと思います。僕は、「やってみない?」と言われたので、「はい、やります。」と言いました。
 
―――謙さんは、今回スカーとムファサを追い詰めるライオン“キロス”という役ですが、どのように臨もうと思われましたか?
 
渡辺:
良いライオン、悪いライオンで二極分化できるものかもしれないのですが、実はそうではなくて、キロス自身も動物社会から少し疎外されたところに住まざるを得ない、ある種の宿命みたいなものを背負ったライオンです。そういう意味では、単純に悪いというのではなくて、不思議な存在感というか、もしかすると“半透明ぐらいのいるのかいないのかわからない感じ”を本作も狙っていたし、吹き替え版でも狙いました。例えば、遠くにいる人に「おーい!」と大きく呼びかけるのではなくて、近くで低めに「おーい。」というような距離感がつかめない、そういう不思議なキャラクターだったのですごく面白かったです。
 
―――ミステリアスにふわっとやってくるような。
 
渡辺:
そうですね。それがすごく恐怖を感じるみたいな。
―――右近さん、ライオンの世界も歌舞伎の世界も、両方とも代々伝統が受け継がれている世界だと思います。歌舞伎役者としての経験が、今作に生きているという部分は何かありますか?
 
右近:
代々続いていることに価値があると思われる方もいらっしゃるし、僕もそれは大事なことだと思うのですが、重要なのはその“思い”が重なり続けること、初代というその家を始めた人の情熱や在り方、魂が代々受け継がれていくこと。魂が重ねられていくということが魅力的だし、思いのリレーが世襲や代を重ねるということに繋がっていると、僕は歌舞伎の伝統のことを捉えていています。
 
渡辺:伝統が初めからあったわけじゃないわけじゃないからね。
 
右近:そうですね。すごくそう思います。だから、僕も三代目の菊五郎が演じた役を自分が演じる際、同じことをやるというよりも、その人がどのような気持ちで作ったのかということに寄り添う人たちが再演を重ねてきて、先人たちがつくった型を踏まえながら、最初に作った人に思いを馳せることができるということが、僕が歌舞伎を好きな理由だったりするんですね。ムファサも、みんなの思いや心というものをひとつにまとめることによって王になったので、そのような王の在り方は、世界にはなかったことを作り出した人に繋がっていて、初代の王ということになり得たのだと思います。
僕の「これが大事なんだよね」と思うところと映画で描いていることが重なる部分があって、親和性というか、そのような気持ちが深い部分で繋がっていましたね。なぜなら、僕も父親が歌舞伎俳優ではなく、自分で切り拓いていくことや、人の縁に導かれているということへの感謝の気持ちをすごく大事にしているので、ムファサの気持ちはとてもわかるなと感じました。
―――王としての人間性というところに共感できたのですね。
そして謙さん、吹き替えに臨むにあたり、もしかしたら人と違うかもしれない独自のやり方や準備の仕方などがあれば教えてください。
 
渡辺:
非常にオリジナルに忠実にやらなければいけないのですが、キロス役をやる時にどういうアプローチをしたらいいのか、やはり悩みました。でも、アメリカ版声優のマッツ・ミケルセンさんの本作の声を聞いたときに、さっきもお話したような、どのような距離感や意図を持ってセリフを言っているかというところで、少し通常とは違うスタンスでセリフ言っていました。それを聞いたときに、「ああ、そういう距離感なんだ」と。それをうまく踏襲して日本語に乗せていこうと思ってからは、非常にやりやすくなりましたね。
 

『ライオン・キング:ムファサ』 UHBで特別番組の放送が決定!

SASARU movie presents
あなたの知らないライオン・キング
超実写版『ライオン・キング:ムファサ』劇場公開SP
 
放送日時:12月22日(日)ひる1時~
出 演:河野真也(オクラホマ)
島太星(NORD)
柴田平美(UHBアナウンサー)


ディズニー映画『ライオン・キング』のはじまりの物語、『ライオン・キング:ムファサ』の公開を記念した特別番組の放送が決定しました!今から30年前のアニメーション版『ライオン・キング』、劇団四季のミュージカル版、2019年には超実写版『ライオン・キング』が公開され、まさに“キング・オブ・エンターテインメント”と呼ばれるほどの大人気『ライオン・キング』の知られざる魅力を余すところなくご紹介!MCの柴田平美(UHBアナウンサー)が、河野真也(オクラホマ)、島太星(NORD)と共に賑やかにお届けします!
 

『ライオンキング:ムファサ』作品情報

監督:バリー・ジェンキンス (『ムーンライト』)
 
声の出演:アーロン・ピエール (ムファサ)、ケルヴィン・ハリソン・Jr (タカ)、ティファニー・ブーン (サラビ)、ドナルド・グローヴァー (シンバ)、マッツ・ミケルセン (キロス)、ブルー・アイビー・カーター (キアラ)、ビヨンセ・ノウルズ=カーター (ナラ)
 
日本版吹替:尾上右近 (ムファサ)、 松田元太 (タカ)、 MARIA-E (サラビ)、 吉原光夫 (マセゴ)、和音美桜 (アフィア)、悠木碧 (アクア)、LiLiCo (賢いキリン)、渡辺謙 (キロス)
 
音楽:リン=マニュエル・ミランダ (『ミラベルと魔法だらけの家』)

ムファサ役・尾上右近さん、キロス役・渡辺謙さんインタビュー

―――今回、日本版声優を務めることが決まった時の気持ちから教えてください。
 
右近:
元々『ライオン・キング』が本当に好きで、『ライオン・キング』で育ったような世代なので、とても思い入れのある作品でした。シンバのお父さんであるムファサが、いかにして王になったかというのが今回の物語です。自然界の伝統の中で生きるライオンの王・ムファサが、その世界でいかにして王になったかを描く作品という意味では、僕も伝統の世界に身を置いているので、親和性や分かり得る気持ちがありました。ムファサも子供の頃は孤児で、タカという兄弟に出会ったことで関係性が生まれて、みんなの力を信じることにより王になったという力でねじ伏せるスタイルではない王です。僕も本当に歌舞伎のために王になりたいと思う気持ちがある中での今作で、本当に自分にとっても励みになる作品です。また、初めて声優という仕事をするので、気合十分で飛び込むつもりでやらせていただいています。
―――謙さんはいかがですか?
 
渡辺:
『ライオン・キング』は30年の間、何世代にもわたってストーリーテリングできるひとつの題材だと思います。それは、基本的に人間社会と一緒ですよね。親が持っているものを継いでいく、友情を育んでいく、愛情を育んでいく…。そういうことは、僕らが抱えている世界と一緒だという気がしていて、だからこそ30年も続いている素敵なお話なのだと思います。僕は、「やってみない?」と言われたので、「はい、やります。」と言いました。
 
―――謙さんは、今回スカーとムファサを追い詰めるライオン“キロス”という役ですが、どのように臨もうと思われましたか?
 
渡辺:
良いライオン、悪いライオンで二極分化できるものかもしれないのですが、実はそうではなくて、キロス自身も動物社会から少し疎外されたところに住まざるを得ない、ある種の宿命みたいなものを背負ったライオンです。そういう意味では、単純に悪いというのではなくて、不思議な存在感というか、もしかすると“半透明ぐらいのいるのかいないのかわからない感じ”を本作も狙っていたし、吹き替え版でも狙いました。例えば、遠くにいる人に「おーい!」と大きく呼びかけるのではなくて、近くで低めに「おーい。」というような距離感がつかめない、そういう不思議なキャラクターだったのですごく面白かったです。
 
―――ミステリアスにふわっとやってくるような。
 
渡辺:
そうですね。それがすごく恐怖を感じるみたいな。
―――右近さん、ライオンの世界も歌舞伎の世界も、両方とも代々伝統が受け継がれている世界だと思います。歌舞伎役者としての経験が、今作に生きているという部分は何かありますか?
 
右近:
代々続いていることに価値があると思われる方もいらっしゃるし、僕もそれは大事なことだと思うのですが、重要なのはその“思い”が重なり続けること、初代というその家を始めた人の情熱や在り方、魂が代々受け継がれていくこと。魂が重ねられていくということが魅力的だし、思いのリレーが世襲や代を重ねるということに繋がっていると、僕は歌舞伎の伝統のことを捉えていています。
 
渡辺:伝統が初めからあったわけじゃないわけじゃないからね。
 
右近:そうですね。すごくそう思います。だから、僕も三代目の菊五郎が演じた役を自分が演じる際、同じことをやるというよりも、その人がどのような気持ちで作ったのかということに寄り添う人たちが再演を重ねてきて、先人たちがつくった型を踏まえながら、最初に作った人に思いを馳せることができるということが、僕が歌舞伎を好きな理由だったりするんですね。ムファサも、みんなの思いや心というものをひとつにまとめることによって王になったので、そのような王の在り方は、世界にはなかったことを作り出した人に繋がっていて、初代の王ということになり得たのだと思います。
僕の「これが大事なんだよね」と思うところと映画で描いていることが重なる部分があって、親和性というか、そのような気持ちが深い部分で繋がっていましたね。なぜなら、僕も父親が歌舞伎俳優ではなく、自分で切り拓いていくことや、人の縁に導かれているということへの感謝の気持ちをすごく大事にしているので、ムファサの気持ちはとてもわかるなと感じました。
―――王としての人間性というところに共感できたのですね。
そして謙さん、吹き替えに臨むにあたり、もしかしたら人と違うかもしれない独自のやり方や準備の仕方などがあれば教えてください。
 
渡辺:
非常にオリジナルに忠実にやらなければいけないのですが、キロス役をやる時にどういうアプローチをしたらいいのか、やはり悩みました。でも、アメリカ版声優のマッツ・ミケルセンさんの本作の声を聞いたときに、さっきもお話したような、どのような距離感や意図を持ってセリフを言っているかというところで、少し通常とは違うスタンスでセリフ言っていました。それを聞いたときに、「ああ、そういう距離感なんだ」と。それをうまく踏襲して日本語に乗せていこうと思ってからは、非常にやりやすくなりましたね。
 

『ライオン・キング:ムファサ』 UHBで特別番組の放送が決定!

SASARU movie presents
あなたの知らないライオン・キング
超実写版『ライオン・キング:ムファサ』劇場公開SP
 
放送日時:12月22日(日)ひる1時~
出 演:河野真也(オクラホマ)
島太星(NORD)
柴田平美(UHBアナウンサー)


ディズニー映画『ライオン・キング』のはじまりの物語、『ライオン・キング:ムファサ』の公開を記念した特別番組の放送が決定しました!今から30年前のアニメーション版『ライオン・キング』、劇団四季のミュージカル版、2019年には超実写版『ライオン・キング』が公開され、まさに“キング・オブ・エンターテインメント”と呼ばれるほどの大人気『ライオン・キング』の知られざる魅力を余すところなくご紹介!MCの柴田平美(UHBアナウンサー)が、河野真也(オクラホマ)、島太星(NORD)と共に賑やかにお届けします!
 

『ライオンキング:ムファサ』作品情報

監督:バリー・ジェンキンス (『ムーンライト』)
 
声の出演:アーロン・ピエール (ムファサ)、ケルヴィン・ハリソン・Jr (タカ)、ティファニー・ブーン (サラビ)、ドナルド・グローヴァー (シンバ)、マッツ・ミケルセン (キロス)、ブルー・アイビー・カーター (キアラ)、ビヨンセ・ノウルズ=カーター (ナラ)
 
日本版吹替:尾上右近 (ムファサ)、 松田元太 (タカ)、 MARIA-E (サラビ)、 吉原光夫 (マセゴ)、和音美桜 (アフィア)、悠木碧 (アクア)、LiLiCo (賢いキリン)、渡辺謙 (キロス)
 
音楽:リン=マニュエル・ミランダ (『ミラベルと魔法だらけの家』)

柴田平美

映画ライター

映画ライター。ねむろ観光大使。UHBの情報番組「いっとこ!」の映画コーナーで俳優や監督のインタビューを6年間担当し、およそ100作品近く携わってきました。私が初めて観た映画は『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』(2001)。故郷・根室に映画館がなかったため、観たい映画があると隣町の釧路まで行って観ていました。映画館では、一番後ろの真ん中で、ひとりで観るのが好き。ジャンルは、ラブ・ファンタジー・アクションを中心に、話題作をチェックしています。皆さんの心に残る映画を見つけるきっかけとなれますように。

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