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2025.10.17

遂に現実世界へ侵攻したテクノロジーがパトカーを斬り裂く!『トロン:アレス』は実写もこだわるSF映画

1982年に公開された『トロン』は、世界で初めてCG(コンピュータ・グラフィックス)を映画に 本格導入し、コンピュータ内部の世界で繰り広げられるアクションを描いた映画で、当時の観客 へ衝撃を与え、その後のクリエイターたちに大きな影響を与えました。『トロン:レガシー』 (10)から15年、『トロン:アレス』が10月10日(金)から公開されました。AIが日常に普 及している現実世界、公開当時とは観客が想像できるレベルが違う時代で、これまでのモチーフ をどう描いているのでしょうか? キャプテン・ポップコーンこと矢武企画の矢武兄輔がレビュ ーします。  

現実味を帯びてきた作品観


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1作目公開当時はコンピューターが現在ほど身近な存在ではありませんでした。それ故、圧倒的 な“未来のビジョン”として、観客は楽しんできました。しかし、43年のときを経て、人類の技術 は進化し続け、仮想世界に入らなくても、ゴーグルをつければ擬似体験でき、AIに質問をすれ ば、ほぼ的確な答えが導き出されるようになりました。

予告編やディズニープラスの特別映像で観られるように、今作では、仮想世界が現実世界へ侵攻します。この文字だけ読めば、ファンタジーにも捉えれますが、実際の物語はそれよりか現実的です。

 
今回、毎作お馴染みエンコム社のライバル企業としてディリンジャー社が登場します。そ このCEOは、軍事利用を目的に、AIプログラムを実体化させ、物語の主人公である人型軍事AI・アレス(ジャレッド・レト)を投資家(?)たちにお披露目するわけです。(お披露目の参加者には内緒ですが、欠点もあり、その欠点を解決するための騒動が今回の物語です)。その人型軍事AIの生成過程ですが、レーザーで立体化していきます。ちょっと3Dプリンターぽくないですか?その設定をみたとき、妙に腑に落ちたのです。それと同時に、私たちの日常を圧倒的に掌握しているであろうテクノロジーの実体化を目の当たりしていると、映画館で感じました。だって、ワクチンも人工的に細胞をつくっているわけですから、人型AIだって、不思議ではありません。

あと、非常事態の対応に、パトカーや戦闘機が出動するところも現実感を与える一役を担っているでしょう。ちなみに1作目が公開されたときは映画業界内ではCGに対してのアレルギー反応なのか、適正な評価がされていない記述が見受けられます。一方、観客へはカルト的な人気を生み、様々なクリエ イティブへ影響を与えたことは言うまでもないですね!

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1作目へのリスペクト


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劇中で「トロン」というゲームの開発者で1作目から主人公ケヴィン・フリンを演じたジェフ・ブリッジスが『トロン:レガシー』(10)に続いて本作にも出演。劇中で描かれるエンコム社のオフィスやグリッド(コンピューター世界)も、82年のフリンの雰囲気が漂う空間があります。

また、エンコム社のライバル企業はディリンジャー社。『X-MEN:ダーク・フェニックス』(19)などのエヴァン・ピーターズが演じるジュリアン・ディリンジャーがCEOを担っているが、1作目で主人公のケヴィン・フリンを陥れたヴィランかつクライマックスでエンコム社を追放されたエドワード・ディリンジャーの孫らしいです。

劇中では肖像画が見え、“エド”の娘かつジュリアンの母であるエリザベス(ジリアン・アンダーソン)も登場しますが、エドワードについて深く触れられることはないです。いつ会社を築いたのでしょうか・・・。ですが、本件も含め、ただのファンサービスではないことは映画館に行ってもらえればわかるのです!

キャストたちが繰り返すスクリーン鑑賞のススメ

劇場パンフレットのインタビュー読むと「大きなスクリーンで観てほしい」とキャストたちが繰り返します。ハリウッド大作では、ラージフォーマットであるIMAX(R)規格で制作されることが多いですが、本作はとにかく「視覚効果」がすごい。映像美を観にいくだけでも価値がある1作品です。ちなみにIMAX(R)との相性は抜群だが、ほとんどのスクリーンはIMAX(R)仕様ではありませんよね?なので、シネスコサイズ(2.35:1の横横比)で上映できるように撮影もされています。とにかく、予告編でも確認できるように、ライトサイクル(劇中に出てくるバイク)などから放たれる光の壁は、現実世界が舞台であるが故の真実味もあり、存在感が抜群です。

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今作は、『スター・ウォーズ』シリーズ(77~)で有名なILMという制作会社が仕上げています。ちなみに予告編でも見せ場である、ライトサイクルとのチェイスシーンでパトカーが斬られるところ。あの撮影は、バンクーバーの公道を6週間に渡り封鎖し、夜間に撮影しています。なので、CGに頼らず、パトカーも実際に切断し、ワイヤーで引っ張っています。そういう、アナログな努力が、画から重厚さを伝え、実物ならではの迫力で楽しませてくれますね。 

映画『トロン:アレス』作品情報

■監督:ヨアヒム・ローニング (『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『マレフィセント2』)

 ■キャスト:
ジャレッド・レト (アレス)
グレタ・リー (イヴ・キム)
エヴァン・ピーターズ (ジュリアン・ディリンジャー)
ジョディ・ターナー=スミス (アテナ)
ジェフ・ブリッジス (ケヴィン・フリン)

■日本版声優:
諏訪部順一 (アレス)
内田真礼 (イヴ・キム)
石川界人 (ジュリアン・ディリンジャー)
田村睦心 (アテナ)
磯部勉 (ケヴィン・フリン)

■音楽:ナイン・インチ・ネイルズ

原題:『Tron:Ares』

■公開日:絶賛公開中

■公式HP:https://www.disney.co.jp/movie/tron-ares

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現実味を帯びてきた作品観


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1作目公開当時はコンピューターが現在ほど身近な存在ではありませんでした。それ故、圧倒的 な“未来のビジョン”として、観客は楽しんできました。しかし、43年のときを経て、人類の技術 は進化し続け、仮想世界に入らなくても、ゴーグルをつければ擬似体験でき、AIに質問をすれ ば、ほぼ的確な答えが導き出されるようになりました。

予告編やディズニープラスの特別映像で観られるように、今作では、仮想世界が現実世界へ侵攻します。この文字だけ読めば、ファンタジーにも捉えれますが、実際の物語はそれよりか現実的です。

 

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今回、毎作お馴染みエンコム社のライバル企業としてディリンジャー社が登場します。そ このCEOは、軍事利用を目的に、AIプログラムを実体化させ、物語の主人公である人型軍事AI・アレス(ジャレッド・レト)を投資家(?)たちにお披露目するわけです。(お披露目の参加者には内緒ですが、欠点もあり、その欠点を解決するための騒動が今回の物語です)。その人型軍事AIの生成過程ですが、レーザーで立体化していきます。ちょっと3Dプリンターぽくないですか?その設定をみたとき、妙に腑に落ちたのです。それと同時に、私たちの日常を圧倒的に掌握しているであろうテクノロジーの実体化を目の当たりしていると、映画館で感じました。だって、ワクチンも人工的に細胞をつくっているわけですから、人型AIだって、不思議ではありません。

あと、非常事態の対応に、パトカーや戦闘機が出動するところも現実感を与える一役を担っているでしょう。ちなみに1作目が公開されたときは映画業界内ではCGに対してのアレルギー反応なのか、適正な評価がされていない記述が見受けられます。一方、観客へはカルト的な人気を生み、様々なクリエ イティブへ影響を与えたことは言うまでもないですね!

1作目へのリスペクト


(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

劇中で「トロン」というゲームの開発者で1作目から主人公ケヴィン・フリンを演じたジェフ・ブリッジスが『トロン:レガシー』(10)に続いて本作にも出演。劇中で描かれるエンコム社のオフィスやグリッド(コンピューター世界)も、82年のフリンの雰囲気が漂う空間があります。

また、エンコム社のライバル企業はディリンジャー社。『X-MEN:ダーク・フェニックス』(19)などのエヴァン・ピーターズが演じるジュリアン・ディリンジャーがCEOを担っているが、1作目で主人公のケヴィン・フリンを陥れたヴィランかつクライマックスでエンコム社を追放されたエドワード・ディリンジャーの孫らしいです。

劇中では肖像画が見え、“エド”の娘かつジュリアンの母であるエリザベス(ジリアン・アンダーソン)も登場しますが、エドワードについて深く触れられることはないです。いつ会社を築いたのでしょうか・・・。ですが、本件も含め、ただのファンサービスではないことは映画館に行ってもらえればわかるのです!

キャストたちが繰り返すスクリーン鑑賞のススメ


(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

劇場パンフレットのインタビュー読むと「大きなスクリーンで観てほしい」とキャストたちが繰り返します。ハリウッド大作では、ラージフォーマットであるIMAX(R)規格で制作されることが多いですが、本作はとにかく「視覚効果」がすごい。映像美を観にいくだけでも価値がある1作品です。ちなみにIMAX(R)との相性は抜群だが、ほとんどのスクリーンはIMAX(R)仕様ではありませんよね?なので、シネスコサイズ(2.35:1の横横比)で上映できるように撮影もされています。とにかく、予告編でも確認できるように、ライトサイクル(劇中に出てくるバイク)などから放たれる光の壁は、現実世界が舞台であるが故の真実味もあり、存在感が抜群です。

(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

今作は、『スター・ウォーズ』シリーズ(77~)で有名なILMという制作会社が仕上げています。ちなみに予告編でも見せ場である、ライトサイクルとのチェイスシーンでパトカーが斬られるところ。あの撮影は、バンクーバーの公道を6週間に渡り封鎖し、夜間に撮影しています。なので、CGに頼らず、パトカーも実際に切断し、ワイヤーで引っ張っています。そういう、アナログな努力が、画から重厚さを伝え、実物ならではの迫力で楽しませてくれますね。 

映画『トロン:アレス』作品情報


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■監督:ヨアヒム・ローニング (『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』、『マレフィセント2』)

 ■キャスト:
ジャレッド・レト (アレス)
グレタ・リー (イヴ・キム)
エヴァン・ピーターズ (ジュリアン・ディリンジャー)
ジョディ・ターナー=スミス (アテナ)
ジェフ・ブリッジス (ケヴィン・フリン)

■日本版声優:
諏訪部順一 (アレス)
内田真礼 (イヴ・キム)
石川界人 (ジュリアン・ディリンジャー)
田村睦心 (アテナ)
磯部勉 (ケヴィン・フリン)

■音楽:ナイン・インチ・ネイルズ

原題:『Tron:Ares』

■公開日:絶賛公開中

■公式HP:https://www.disney.co.jp/movie/tron-ares

矢武兄輔

まちのえいが屋さん/キャプテン・ポップコーン

20歳の1月。札幌映画サークルに入会直後、さぬき映画祭への参加で『踊る大捜査線』の製作陣や深田晃司監督と出逢い、映画界の現実や地方から発信するエンタメの可能性を知る。そこから「映画館へ行く人を増やす」という目標を持ち、カネゴンを呼んでみたり、学生向け媒体をつくったり、休学して東京国際映画祭で勤務、映画館へ就職→退職→「矢武企画」を起業からの今は某局でラジオDJ。 すべては『踊る』の完結が始まりだった。そして、踊るプロジェクト再始動と共に…! ということで、皆さんにとって映画がもっと近くなれますように。

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