2025.12.3

『果てしなきスカーレット』舞台挨拶in北海道「自分ではなく子どもの幸せを願う言葉に」細田監督の想い

2025年11月30日(日)、TOHOシネマズすすきのにて『果てしなきスカーレット』の“果てしなき全国キャンペーン in 北海道”舞台挨拶が開催されました。11月21日(金)に公開された本作は、細田守監督が4年以上をかけて制作した最新作。上映後の会場には大きな拍手が起こり、温かな空気に包まれました。

細田監督は登壇すると、キャンペーン続きで声が枯れてしまっていたことを明かしつつ、札幌に来てセイコーマートで買った滝上町産のミントキャンディを舐めたところ喉が回復してきたと語り、会場は和やかな空気に。北海道の食や環境の話題でも笑顔を見せていました。

芦田愛菜さんが見せた“普段とは違う声”。監督が語るスカーレット像


(C)2025 スタジオ地図

スカーレット役の芦田愛菜さんについて、細田監督は普段の芦田さんの可愛らしいイメージとは異なる表現を見せたと語りました。本作では「地を這うように泥だらけになりながら前に進む人物」としてスカーレットを演じたとしています。

芦田さんは収録時、「声を吹き込むというより、魂を吹き込むつもりで演じました」と話していたことも紹介しました。監督は、彼女が持つ責任感や覚悟がスカーレット像と重なると感じ、今回の出演を依頼したと説明しました。

父の言葉に込めた細田監督の現代的視点

物語の鍵となる、王がスカーレットに残す言葉。このセリフが生まれた背景には、細田監督の明確な意図があります。

細田監督は、作品のベースにシェイクスピアの『ハムレット』があることにふれ、原作では父が「私を殺した相手を許すな」と伝えると説明。そのうえで、「現代の親なら、自分のために復讐を求めるのではなく、子どもの幸せを願うのではないか」と考えたと語りました。その結果、父の言葉にスカーレットはより深く悩むことになりますが、復讐の連鎖からどう抜け出すかというテーマへと繋がっていったといいます。

高品位な劇場で堪能できる新たな映像表現への挑戦


(C)2025 スタジオ地図

本作で細田監督は、アニメーション表現の新しい可能性に挑みました。

日本の手描きアニメーションの伝統を活かしながら、近年の映画館の高精細な映像設備・音響設備に応えるため、画面の密度を徹底的に高めたと説明。
「高品位な劇場で十分体感できる密度で作ること」が求められ、制作には多くの試行錯誤と時間がかかったと振り返りました。

メイキング映像でも見られる通り、大人数のスタッフが緻密に作り込んだ作品であり、こうした新しいビジュアル表現を目指したと述べています。

“答えは観客の中にある”ードラゴンが持つ多義性と余白

劇中に登場するドラゴンは、海外の映画祭でも多くの解釈が寄せられた存在です。
細田監督は、ドラゴンをあえて説明しないつくりにしたと説明。神の存在、運命、自然災害、あるいは人々の意思の集合体など、各国の観客から多様な捉え方が出たと話しました。

前作『竜とそばかすの姫』も「ドラゴンと姫」の組み合わせでありながら、今回とは全く異なる物語になっていることにもふれ、モチーフの可能性について語りました。
監督は自身の考えもあるとしながら、観客が自由に解釈する余白を残すため「正解は言わない」と述べています。

(C)2025 スタジオ地図

“気づきが祝福される場所”ー渋谷の音楽シーンに込めた意味

印象的な渋谷の音楽シーンについて細田監督は、スカーレットが「復讐に囚われた自分ではなく、もっと別の“本当の自分”に気づく瞬間」と位置づけていると語りました。
その“気づき”を象徴するために、渋谷の街が踊りと音楽で満ちる演出を用い、まるで彼女の内面の変化が祝福されているように見える場面にしたと説明しています。監督はまた、黒澤明監督『生きる』のワンシーン——主人公が自分の役割に気づいた瞬間、周囲の手拍子がまるで祝福のように響く場面——を思い浮かべながら作ったと明かしており、スカーレットの転機を、祝福のムードで彩ったと述べました。

細田守監督が北海道で伝えたメッセージ

最後に細田監督は、「この映画を選んで観ていただき、本当にありがとうございます」と感謝を述べ、本作が細かく作り込まれた作品であること、そして良い劇場環境で観てもらえたことが嬉しいと語りました。

映画表現はこれからも進化していくと述べ、観客へ「これからも映画を楽しんでほしい」とメッセージを送り、舞台挨拶は締めくくられました。

『果てしなきスカーレット』の基本情報


(C)2025 スタジオ地図

■監督・脚本・原作
細田守

■キャスト
芦田愛菜
岡田将生
山路和弘 柄本時生 青木崇高 染谷将太 白山乃愛 /
白石加代子
吉田鋼太郎 / 斉藤由貴 / 松重豊
市村正親
役所広司

■公開日
大ヒット公開中

■配給
 東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

■公式サイト
https://scarlet-movie.jp/
 

芦田愛菜さんが見せた“普段とは違う声”。監督が語るスカーレット像


(C)2025 スタジオ地図

スカーレット役の芦田愛菜さんについて、細田監督は普段の芦田さんの可愛らしいイメージとは異なる表現を見せたと語りました。本作では「地を這うように泥だらけになりながら前に進む人物」としてスカーレットを演じたとしています。

芦田さんは収録時、「声を吹き込むというより、魂を吹き込むつもりで演じました」と話していたことも紹介しました。監督は、彼女が持つ責任感や覚悟がスカーレット像と重なると感じ、今回の出演を依頼したと説明しました。

父の言葉に込めた細田監督の現代的視点

物語の鍵となる、王がスカーレットに残す言葉。このセリフが生まれた背景には、細田監督の明確な意図があります。

細田監督は、作品のベースにシェイクスピアの『ハムレット』があることにふれ、原作では父が「私を殺した相手を許すな」と伝えると説明。そのうえで、「現代の親なら、自分のために復讐を求めるのではなく、子どもの幸せを願うのではないか」と考えたと語りました。その結果、父の言葉にスカーレットはより深く悩むことになりますが、復讐の連鎖からどう抜け出すかというテーマへと繋がっていったといいます。

高品位な劇場で堪能できる新たな映像表現への挑戦


(C)2025 スタジオ地図

本作で細田監督は、アニメーション表現の新しい可能性に挑みました。

日本の手描きアニメーションの伝統を活かしながら、近年の映画館の高精細な映像設備・音響設備に応えるため、画面の密度を徹底的に高めたと説明。
「高品位な劇場で十分体感できる密度で作ること」が求められ、制作には多くの試行錯誤と時間がかかったと振り返りました。

メイキング映像でも見られる通り、大人数のスタッフが緻密に作り込んだ作品であり、こうした新しいビジュアル表現を目指したと述べています。

“答えは観客の中にある”ードラゴンが持つ多義性と余白


(C)2025 スタジオ地図

劇中に登場するドラゴンは、海外の映画祭でも多くの解釈が寄せられた存在です。
細田監督は、ドラゴンをあえて説明しないつくりにしたと説明。神の存在、運命、自然災害、あるいは人々の意思の集合体など、各国の観客から多様な捉え方が出たと話しました。

前作『竜とそばかすの姫』も「ドラゴンと姫」の組み合わせでありながら、今回とは全く異なる物語になっていることにもふれ、モチーフの可能性について語りました。
監督は自身の考えもあるとしながら、観客が自由に解釈する余白を残すため「正解は言わない」と述べています。

“気づきが祝福される場所”ー渋谷の音楽シーンに込めた意味

印象的な渋谷の音楽シーンについて細田監督は、スカーレットが「復讐に囚われた自分ではなく、もっと別の“本当の自分”に気づく瞬間」と位置づけていると語りました。
その“気づき”を象徴するために、渋谷の街が踊りと音楽で満ちる演出を用い、まるで彼女の内面の変化が祝福されているように見える場面にしたと説明しています。監督はまた、黒澤明監督『生きる』のワンシーン——主人公が自分の役割に気づいた瞬間、周囲の手拍子がまるで祝福のように響く場面——を思い浮かべながら作ったと明かしており、スカーレットの転機を、祝福のムードで彩ったと述べました。

細田守監督が北海道で伝えたメッセージ

最後に細田監督は、「この映画を選んで観ていただき、本当にありがとうございます」と感謝を述べ、本作が細かく作り込まれた作品であること、そして良い劇場環境で観てもらえたことが嬉しいと語りました。

映画表現はこれからも進化していくと述べ、観客へ「これからも映画を楽しんでほしい」とメッセージを送り、舞台挨拶は締めくくられました。

『果てしなきスカーレット』の基本情報


(C)2025 スタジオ地図

■監督・脚本・原作
細田守

■キャスト
芦田愛菜
岡田将生
山路和弘 柄本時生 青木崇高 染谷将太 白山乃愛 /
白石加代子
吉田鋼太郎 / 斉藤由貴 / 松重豊
市村正親
役所広司

■公開日
大ヒット公開中

■配給
 東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

■公式サイト
https://scarlet-movie.jp/
 

休日のスケジュールが決まっていない方、何を見ようか迷っている方など"ライトな映画ファン"に対して、映画館に出かけて、映画を楽しむことをおすすめします。SASARU movie編集部では、話題性の高い最新映画を中心にその情報や魅力を継続的に発信していきます。

point注目映画一覧(外部サイト)

Hamnet

ハムネット

2026-04-10

1580年、イングランド。貧しいラテン語教師ウィリアム・シェイクスピアは自由奔放なアグネスと出会い、互いに惹かれ合って熱烈な恋に落ちる。やがてふたりは結婚し、3人の子をもうける。しかし、ウィリアムが遠く離れたロンドンで演劇の道に進みはじめ、アグネスはひとりで家庭を切り盛りすることに。悲劇がふたりを襲った時、かつて揺るぎなかったその絆は試練を迎えるが。

전지적 독자 시점

全知的な読者の視点から

2026-03-20

幼少期のトラウマを抱えながら生きてきた平凡な会社員ドクシャにとって、10年以上読み続けたWEB小説「滅亡した世界で生き残る三つの方法」だけが心の支えだった。しかし待望の最終回に深く失望した彼のもとへ、作者から「あなたが望む結末を見せてください」というメッセージが届く。次の瞬間、小説の世界が現実となり、ドクシャは崩壊した世界でのデスゲームへと放り込まれる。 ムンピア発の人気小説を実写映画化。アン・ヒョソプが映画初主演、イ・ミンホが共演。

Amélie et la métaphysique des tubes

アメリと雨の物語

2026-03-20

1960年代神戸—日本で生まれたベルギー人の小さな女の子アメリ。彼女の成長を描く物語。外交官の家庭に生まれ、2歳半までは無反応状態だったアメリ。その後、子ども時代に突入した彼女は自らを「神」だと信じ、魔法のような世界を生きている。家政婦のニシオさんや家族との日々の生活は、彼女にとって冒険であり、新たな発見の連続。少しずつ変化していくアメリ。しかし、3歳の誕生日に人生を変える出来事が起こり、彼女の世界は大きく変わっていく…。誰もが子供時代に夢見た世界を描く感動のアニメーション作品

Song Sung Blue

ソング・サング・ブルー

2026-04-17

かつて夢を追い、音楽にすべてを捧げた男マイク。しかし今や、誰かの“歌まね”でしかステージに立てない、人生のどん底にいた。そんな彼の運命を変えたのは、同じ情熱を抱く女性クレアとの出会いだった。敬愛するニール・ダイアモンドのトリビュートバンドを結成し、小さなガレージから始まったふたりの歌声は、やがて街の人々の心を掴んでいく。だがその矢先、突然の悲劇が彼らを襲う——。