スティーヴン・キング原作、エドガー・ライト監督による近未来サバイバル・スリラー『ランニング・マン』が、1月30日(金)に公開されます。主演は『トップガン マーヴェリック』(22)で注目を集めたグレン・パウエル。
舞台は貧困と富の格差が固定化され、怒りの矛先さえ奪われた世界。殺人番組が娯楽化した近未来に、情報操作で「市民の敵」に仕立て上げられた男の逃走を描きます。単なるアクションに留まらず、メディアの狂気と大衆の残酷さを鋭く突くサバイバル・スリラーです。本作は『バトルランナー』(1987)のリメイクではなく、原作小説の忠実な映画化。実は、『バトルランナー』主演のシュワルツェネッガーもこのプロジェクトを支持しており、劇中には彼への敬意を込めた粋なオマージュ(隠れシュワ!)も。
社会からの追放。怒りはそこから始まった!
声を荒げ、感情を抑えきれず、必死に食い下がる姿。しかし、主張している内容は決して筋違いではありません。責任が曖昧にされたこと、そして生活のために仕事が必要だという現実。そのすべてが、切実で正当な訴えです。
それでも会社は彼を拒絶します。能力や態度の問題ではなく、問題を蒸し返されたくないから。この瞬間、ベンは社会から静かに排除されます。彼が走り出す前に、世界はすでに彼を「扱いづらい存在」として切り捨てられていました。
私欲の通報が、人を殺す
通報の動機は正義ではありません。「少し得をするから」という軽い理由。その軽さが、人の命を削る行為を“参加型エンタメ”として成立させてしまいます。この社会では、その異常さを疑う者はほとんど存在しません。そこにこそ、本作が描く恐怖の本質があります。
見ず知らずの誰かの一報によって、逃げる男は次々と追い詰められていきます。その過程が、ごく自然な日常として描かれている点に、強い違和感と戦慄を覚えました。
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
作られた“敵”、演出されたショー
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
実際のベンは、娘のために金が必要なだけの男です。しかし、一度流された映像は「真実」として消費され、彼は「排除されるべき敵」へと変換されていきます。この構造は、断片化された情報が独り歩きし、イメージだけで他者を断罪してしまう現代社会と不気味に重なります。
特に印象的なのが、番組プロデューサーたちの存在です。彼らの判断基準は一貫して「視聴率」のみ。倫理や正義は介在せず、誰をどう演出すれば盛り上がるかだけが問題とされます。その姿は冷酷というより、むしろ空虚。感情も責任も欠落した意思決定です。
映像と音が刻む、逃走者の孤独
ベンが潜伏するシーンでは、音楽が引き算的に使われ、沈黙が緊張感を支配します。 一方、逃走や銃撃といったゲームショーの場面では、アップテンポな音楽が緊迫した映像に重なり、観客の高揚感を意図的に煽ってきます。暴力が“ショー”へと変換されていく、その恐ろしさも浮かび上がってきました。
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
逃走劇としての快感がたしかにある
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
市街地での逃走シーンはテンポが良く、過剰なカット割りに頼らない編集によって、「追われる/隠れる/見つかりかける」という緊張のリズムが丁寧に積み重ねられていきます。
派手さよりも切迫感を重視したアクションの連続。一瞬で終わる銃撃や格闘が積み重なり、観客は考える余裕を与えられるのではなく、ベンと同じ呼吸で走らされる感覚に陥ります。
共鳴が暴力の構造にヒビを入れる
ベンは正義の象徴でも救世主でもありません。ただ、生きるために逃げ続けているひとりの男。その姿が、編集や演出を越えて“真実”として届いた――そこに、この物語が提示する、わずかな、しかし確かな救いがあります。
過去が帳消しになるわけではありません。それでも、たしかに変化は起きました。
その一点を描き切ったことこそが、『ランニング・マン』を単なる社会批評に終わらせない理由でしょう。
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
映画『ランニング・マン』基本情報
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2026年1月30日(金)
■監督
エドガー・ライト 『ベイビー・ドライバー』(17)
■原作
「ランニング・マン(旧題:バトルランナー)」
スティ-ヴン・キング(リチャード・パックマン名義)
デスゲーム小説の原点 20年ぶりの復刊
扶桑社 ミステリー刊
酒井昭伸 訳
■出演
グレン・パウエル 『トップガン マーヴェリック』(22)
ジョシュ・ブローリン 『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー(18)、エンドゲーム(19)』
■配給
東和ピクチャーズ
■公式HP
https://the-runningman-movie.jp/
社会からの追放。怒りはそこから始まった!
声を荒げ、感情を抑えきれず、必死に食い下がる姿。しかし、主張している内容は決して筋違いではありません。責任が曖昧にされたこと、そして生活のために仕事が必要だという現実。そのすべてが、切実で正当な訴えです。
それでも会社は彼を拒絶します。能力や態度の問題ではなく、問題を蒸し返されたくないから。この瞬間、ベンは社会から静かに排除されます。彼が走り出す前に、世界はすでに彼を「扱いづらい存在」として切り捨てられていました。
私欲の通報が、人を殺す
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
通報の動機は正義ではありません。「少し得をするから」という軽い理由。その軽さが、人の命を削る行為を“参加型エンタメ”として成立させてしまいます。この社会では、その異常さを疑う者はほとんど存在しません。そこにこそ、本作が描く恐怖の本質があります。
見ず知らずの誰かの一報によって、逃げる男は次々と追い詰められていきます。その過程が、ごく自然な日常として描かれている点に、強い違和感と戦慄を覚えました。
作られた“敵”、演出されたショー
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
実際のベンは、娘のために金が必要なだけの男です。しかし、一度流された映像は「真実」として消費され、彼は「排除されるべき敵」へと変換されていきます。この構造は、断片化された情報が独り歩きし、イメージだけで他者を断罪してしまう現代社会と不気味に重なります。
特に印象的なのが、番組プロデューサーたちの存在です。彼らの判断基準は一貫して「視聴率」のみ。倫理や正義は介在せず、誰をどう演出すれば盛り上がるかだけが問題とされます。その姿は冷酷というより、むしろ空虚。感情も責任も欠落した意思決定です。
映像と音が刻む、逃走者の孤独
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ベンが潜伏するシーンでは、音楽が引き算的に使われ、沈黙が緊張感を支配します。 一方、逃走や銃撃といったゲームショーの場面では、アップテンポな音楽が緊迫した映像に重なり、観客の高揚感を意図的に煽ってきます。暴力が“ショー”へと変換されていく、その恐ろしさも浮かび上がってきました。
逃走劇としての快感がたしかにある
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
市街地での逃走シーンはテンポが良く、過剰なカット割りに頼らない編集によって、「追われる/隠れる/見つかりかける」という緊張のリズムが丁寧に積み重ねられていきます。
派手さよりも切迫感を重視したアクションの連続。一瞬で終わる銃撃や格闘が積み重なり、観客は考える余裕を与えられるのではなく、ベンと同じ呼吸で走らされる感覚に陥ります。
共鳴が暴力の構造にヒビを入れる
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ベンは正義の象徴でも救世主でもありません。ただ、生きるために逃げ続けているひとりの男。その姿が、編集や演出を越えて“真実”として届いた――そこに、この物語が提示する、わずかな、しかし確かな救いがあります。
過去が帳消しになるわけではありません。それでも、たしかに変化は起きました。
その一点を描き切ったことこそが、『ランニング・マン』を単なる社会批評に終わらせない理由でしょう。
映画『ランニング・マン』基本情報
(C)2025 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2026年1月30日(金)
■監督
エドガー・ライト 『ベイビー・ドライバー』(17)
■原作
「ランニング・マン(旧題:バトルランナー)」
スティ-ヴン・キング(リチャード・パックマン名義)
デスゲーム小説の原点 20年ぶりの復刊
扶桑社 ミステリー刊
酒井昭伸 訳
■出演
グレン・パウエル 『トップガン マーヴェリック』(22)
ジョシュ・ブローリン 『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー(18)、エンドゲーム(19)』
■配給
東和ピクチャーズ
■公式HP
https://the-runningman-movie.jp/
休日のスケジュールが決まっていない方、何を見ようか迷っている方など"ライトな映画ファン"に対して、映画館に出かけて、映画を楽しむことをおすすめします。SASARU movie編集部では、話題性の高い最新映画を中心にその情報や魅力を継続的に発信していきます。