2026.7.12

「札幌で撮影できたのは神様のギフト」香港映画『ラブ・ライズ』ホー・ミウケイ監督が語るロケの舞台裏|完成披露試写イベントレポート

香港映画『ラブ・ライズ』日本語字幕版の完成披露試写イベントが、2026年7月7日(火)、一般財団法人さっぽろ産業振興財団のSapporo Business HUBで開催されました。

『ラブ・ライズ』は、ロマンス詐欺をテーマに、騙す側と騙される側の関係を描く香港映画です。イベントのトークセッションには、監督・脚本のホー・ミウケイ監督、札幌フィルムコミッションの李嘉兒さん、ロケのコーディネートを行った株式会社ゴールドロケーションの佐藤悠輔さんが登壇しました。

トークセッションや上映後のQ&Aでは、札幌での撮影に至った経緯や、市電、狸小路商店街、さっぽろテレビ塔、国営滝野すずらん丘陵公園などでの撮影エピソードが語られました。

札幌ロケはどう実現したのか 東京予定から一転した誘致の舞台裏

ホー監督は『ラブ・ライズ』について、ロマンス詐欺をテーマにした作品であり、「騙す側と騙される側が最後に恋愛をした映画」と紹介しました。

香港での撮影は室内のシーンが多く、ネット上でやり取りする2人の限られた世界が描かれている一方で、後半ではより開放的な空間が必要だったと説明。その場所として、札幌がふさわしかったと話しました。
札幌フィルムコミッションの李さんによると、本作はもともと東京で撮影する予定だったそうです。
2023年に李さんが香港へ出張した際、制作関係者に「東京で撮影するより札幌はどうですか?」と提案。ロケ地や補助金を紹介し、市内事業者としてゴールドロケーションにつないだことで、札幌ロケが進んでいきました。

李さんは、3月に誘致し、6月から7月には撮影が始まったと話し、短い期間で札幌での撮影が実現したことを振り返りました。さらに、2023年の撮影時にクランクアップした日も7月7日だったそうです。今回、札幌での完成披露試写イベントが行われたのも同じ7月7日。ホー監督は、この偶然について「運命だと思っている」と語りました。

佐藤さんは、通常のロケ地調整に加えて、助成金の申請や条件の確認も必要だったと説明。そのうえで、香港から来たスタッフに札幌のきれいなところ、かっこいいところ、美しいイメージを持って帰ってほしいという気持ちで撮影を手伝ったと語りました。

JRではなく市電へ。作品の“ゆっくり流れる時間”に合った札幌の風景


(C)2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved.

上映後のQ&Aでは、市電での撮影や、夏の札幌を選んだ理由、映画の中で印象的に映し出される花畑のロケ地について質問が寄せられました。

その中で、当初はJRでの撮影も考えられていたものの、JRは速度が速く、今回の作品の雰囲気には市電の方が合っていたという話がありました。お互いに会うシーンには、ゆっくりとした時間の流れが合っており、地上を走る札幌らしい交通機関として市電が選ばれたとのことです。市電を使った撮影は1日かけて行われました。ホー監督は、札幌で撮影できたことについて「神様のギフト」と表現し、市電の撮影では古い型の車両を貸し切ることができたことにも感謝を述べました。

また、撮影時には市電だけでなく、公園やテレビ塔など多くの場所で協力を得たと説明。テレビ塔では、一般には開放されていない場所にも入らせてもらえたと話しました。

狸小路商店街での撮影 限られた時間の中で進められた夜のロケ

狸小路商店街での撮影について、佐藤さんは「時間の制約が大変だった」と振り返りました。

狸小路商店街はブロックごとに店舗や商店街の組合への確認が必要で、撮影中は通行人の誘導も欠かせなかったそうです。さらに夜のシーンでありながら、夏の札幌は日が長く、暗くなってから撮影できる時間は限られていました。

店舗が外にテーブルや椅子を出して営業できる時間にも決まりがあり、その時間までに撮影を終える必要があったといいます。佐藤さんは、「あと10分、あと5分で終わらせなきゃみたいな感じだった」と、当時の緊張感を語りました。

「あのシーンはフランス?」と思われた札幌の花畑と、夏の札幌を選んだ理由


(C)2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved.

会場からは、冬ではなく夏の札幌を選んだ理由についても質問がありました。

ホー監督は、香港の人が日本で撮影すると聞くと、まず東京を思い浮かべることが多いと話し、その理由としてショッピングのイメージを挙げました。そのうえで、札幌を選んだことについて「神様のご指示だと思う」と表現。札幌のゆったりした空気感や、リラックスできる雰囲気が作品に合っていたと話しました。

また、香港には雪がないため、北海道を舞台にした映画では冬に撮影されることも多いとしながら、本作では「暖かい」「晴れている」世界を撮りたかったため、夏の札幌を選んだと説明しました。
 
映画の中でフランスの花畑のように見えるシーンについては、実際には札幌の国営滝野すずらん丘陵公園で撮影されたものだと紹介。香港の観客からは「フランスまで行って撮影したのかと思った」と言われたそうです。

終始やわらかな雰囲気で札幌への感謝を語っていたホー監督。その穏やかな表情は、作品に流れるあたたかな空気とも重なるように感じられました。

札幌のさまざまな場所で撮影された『ラブ・ライズ』。ホー監督が「神様のギフト」と語った札幌ロケの景色が、物語の中でどのように映し出されているのかにも注目です。

■『ラブ・ライズ』作品概要
公開日:9月4日(金)
北海道の上映劇場:札幌シネマフロンティア
出演:サンドラ・ン、MCチョン・ティンフー、ステフィー・タン、チャン・ファイホン、エモーション・チョン
監督・脚本:ホー・ミウケイ
プロデューサー・脚本:チャン・ヒンガー
プロデューサー:ジャネット・チョン
配給・宣伝:サロンジャパン

(C)2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved.

札幌ロケはどう実現したのか 東京予定から一転した誘致の舞台裏

ホー監督は『ラブ・ライズ』について、ロマンス詐欺をテーマにした作品であり、「騙す側と騙される側が最後に恋愛をした映画」と紹介しました。

香港での撮影は室内のシーンが多く、ネット上でやり取りする2人の限られた世界が描かれている一方で、後半ではより開放的な空間が必要だったと説明。その場所として、札幌がふさわしかったと話しました。
札幌フィルムコミッションの李さんによると、本作はもともと東京で撮影する予定だったそうです。
2023年に李さんが香港へ出張した際、制作関係者に「東京で撮影するより札幌はどうですか?」と提案。ロケ地や補助金を紹介し、市内事業者としてゴールドロケーションにつないだことで、札幌ロケが進んでいきました。

李さんは、3月に誘致し、6月から7月には撮影が始まったと話し、短い期間で札幌での撮影が実現したことを振り返りました。さらに、2023年の撮影時にクランクアップした日も7月7日だったそうです。今回、札幌での完成披露試写イベントが行われたのも同じ7月7日。ホー監督は、この偶然について「運命だと思っている」と語りました。

佐藤さんは、通常のロケ地調整に加えて、助成金の申請や条件の確認も必要だったと説明。そのうえで、香港から来たスタッフに札幌のきれいなところ、かっこいいところ、美しいイメージを持って帰ってほしいという気持ちで撮影を手伝ったと語りました。

JRではなく市電へ。作品の“ゆっくり流れる時間”に合った札幌の風景


(C)2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved.

上映後のQ&Aでは、市電での撮影や、夏の札幌を選んだ理由、映画の中で印象的に映し出される花畑のロケ地について質問が寄せられました。

その中で、当初はJRでの撮影も考えられていたものの、JRは速度が速く、今回の作品の雰囲気には市電の方が合っていたという話がありました。お互いに会うシーンには、ゆっくりとした時間の流れが合っており、地上を走る札幌らしい交通機関として市電が選ばれたとのことです。市電を使った撮影は1日かけて行われました。ホー監督は、札幌で撮影できたことについて「神様のギフト」と表現し、市電の撮影では古い型の車両を貸し切ることができたことにも感謝を述べました。

また、撮影時には市電だけでなく、公園やテレビ塔など多くの場所で協力を得たと説明。テレビ塔では、一般には開放されていない場所にも入らせてもらえたと話しました。

狸小路商店街での撮影 限られた時間の中で進められた夜のロケ

狸小路商店街での撮影について、佐藤さんは「時間の制約が大変だった」と振り返りました。

狸小路商店街はブロックごとに店舗や商店街の組合への確認が必要で、撮影中は通行人の誘導も欠かせなかったそうです。さらに夜のシーンでありながら、夏の札幌は日が長く、暗くなってから撮影できる時間は限られていました。

店舗が外にテーブルや椅子を出して営業できる時間にも決まりがあり、その時間までに撮影を終える必要があったといいます。佐藤さんは、「あと10分、あと5分で終わらせなきゃみたいな感じだった」と、当時の緊張感を語りました。

「あのシーンはフランス?」と思われた札幌の花畑と、夏の札幌を選んだ理由


(C)2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved.

会場からは、冬ではなく夏の札幌を選んだ理由についても質問がありました。

ホー監督は、香港の人が日本で撮影すると聞くと、まず東京を思い浮かべることが多いと話し、その理由としてショッピングのイメージを挙げました。そのうえで、札幌を選んだことについて「神様のご指示だと思う」と表現。札幌のゆったりした空気感や、リラックスできる雰囲気が作品に合っていたと話しました。

また、香港には雪がないため、北海道を舞台にした映画では冬に撮影されることも多いとしながら、本作では「暖かい」「晴れている」世界を撮りたかったため、夏の札幌を選んだと説明しました。
 

(C)2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved.

映画の中でフランスの花畑のように見えるシーンについては、実際には札幌の国営滝野すずらん丘陵公園で撮影されたものだと紹介。香港の観客からは「フランスまで行って撮影したのかと思った」と言われたそうです。

終始やわらかな雰囲気で札幌への感謝を語っていたホー監督。その穏やかな表情は、作品に流れるあたたかな空気とも重なるように感じられました。

札幌のさまざまな場所で撮影された『ラブ・ライズ』。ホー監督が「神様のギフト」と語った札幌ロケの景色が、物語の中でどのように映し出されているのかにも注目です。

■『ラブ・ライズ』作品概要
公開日:9月4日(金)
北海道の上映劇場:札幌シネマフロンティア
出演:サンドラ・ン、MCチョン・ティンフー、ステフィー・タン、チャン・ファイホン、エモーション・チョン
監督・脚本:ホー・ミウケイ
プロデューサー・脚本:チャン・ヒンガー
プロデューサー:ジャネット・チョン
配給・宣伝:サロンジャパン

早川真澄

ライター・編集者

北海道の情報誌の編集者として勤務し映画や観光、人材など地域密着の幅広いジャンルの制作を手掛ける。現在は編集プロダクションを運営し雑誌、webなど媒体を問わず企画制作を行っています。

point注目映画一覧(外部サイト)

Resident Evil

バイオハザード

2026-10-09

ある医療品の配送を請け負った男を襲う、地獄の一夜。 男は、己の命運を懸けた壮絶なサバイバルを余儀なくされる…

The Odyssey

オデュッセイア

2026-09-11

トロイア戦争の終結後、イタケーの伝説的な王オデュッセウスは、故郷への長く危険に満ちた帰還の旅に出る。その航海の途上、彼は神々の気まぐれや神話の怪物たち、そして自身の知略と人間性の双方を極限まで試す過酷な試練に立ち向かうことを余儀なくされる――。

Digger

DIGGER/ディガー

2026-10-09

石油採掘会社のCEOとして君臨する傲慢な権力者、ディガー・ロックウェル。己の利益しか考えていない彼の欲深い行動のせいで、地球は滅亡の危機に陥ってしまう。大統領から事態の収拾を命じられたディガーは、世界を救うべくシャベルを片手に立ち上がるが……。

Heart of the Beast

ハート・オブ・ビースト

2026-09-25

アラスカ上空を飛行中、不意のアクシデントにより“魔の領域(ハート・オブ・ビースト)”と呼ばれる奥地に不時着した、退役兵のジェームズと元偵察犬で義足のオーディン。立ちはだかる大自然を乗り越え「生きて還る」には、愛する存在のためにすべてを捧げる覚悟が必要だった。

Backrooms

バックルームズ

2026-09-04

舞台は、都市伝説とされていた空間“Backrooms”。「ある日突然 “現実世界の裏側”へ墜ちてしまったら…?」どこまでも続く黄色い壁紙の部屋、終わりのない廊下。不自然な間取りと、意味を失い床に埋まった設置物。 わずかに現実からズレている――そんな出口のない“リミナルスペース”で、観客は“最高密度の不安と恐怖”を体験する。

Disclosure Day

ディスクロージャー・デイ

2026-10-01

気象キャスターのマーガレットとサイバーセキュリティのエキスパート、ダニエル。接点のないはずの二人が衝撃的な機密情報を知ることとなった。やがて、その秘密を明らかにする使命を負った彼らの前に謎の組織が立ちはだかる――。

超かぐや姫!

超かぐや姫!

2026-02-20

月から逃げてきた自由奔放な少女・かぐやと暮らすことになった彩葉は、かぐやにねだられ、共に仮想空間でライバー活動を始める。だがかぐやには、地球に長く居られない理由が...。

映画ちいかわ 人魚の島のひみつ

映画ちいかわ 人魚の島のひみつ

2026-07-24

ある日、ちいかわとハチワレが広場でくつろいでいると、突如として顔にチラシを貼り付けたうさぎがやって来る。ハチワレがそのチラシを確認すると、それは「特別な島へご招待」と書かれた招待状であった。 「島でのカンタンな討伐で100倍の報酬をもらおう」「限定島ラーメンに限定スイーツ、甘いもの辛いもの全部実質無料」といった言葉に釣られ、島合宿に行くことを決めたちいかわたち。チラシの内容を怪しがるラッコとともに乗船し、島に上陸したちいかわ一同を待ち受けていたものとは…!?