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2024.12.31

どうして"超"実写と表現されるのか『ライオン・キング:ムファサ』

2017年に公開された『美女と野獣』、そして『アラジン』(19)を超えるディズニー映画全世界No.1ヒット作『ライオン・キング』(19)。世界中で愛される前作公開から5年。幼き日のムファサとタカ(のちに「スカー」)の物語を描いたのが前日譚にあたる『ライオン・キング:ムファサ』です。では、記事タイトルに記した「"超"実写」ですが、これがどういうことかと言うと、要は「すげえ!!(((゜Д゜;)))」ということです。
一体、何が「凄い」ではなく「すげえ!!」なのか。2つのポイントにまとめます。
 
①アカデミー賞受賞歴もあるバリー監督の演出ビジョン
②アフリカを旅しているような映像の迫力
 
この2つのポイントを踏まえて、キャプテン・ポップコーンこと矢武兄輔が感じた「すげえ!!」をご紹介していきます。

(text/photo|矢武兄輔[キャプテン・ポップコーン])
 

アカデミー賞受賞歴もあるバリー監督の演出ビジョン


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『ライオン・キング:ムファサ』の監督を務めるのは、アカデミー賞で作品賞・脚色賞・助演男優賞を受賞した『ムーンライト』(16)のバリー・ジェンキンスさんです。バリー監督がこれまで手掛けてきた作品の製作規模と比較すると、本作のバジェットは大きく、物語の内容はディズニー作品とあって超エンターテインメントとして描かれます。筆者は、監督名を見た時に「おっと、これまでのバリー作品のテイストと違うけれど大丈夫かな。主演は人間ではなくライオンだし…」と若干戸惑いました。しかし、作品を観ると気がかりはなくなります。登場するキャラクターたちの個性が活かされていること。至難である旅を続ける中で、随所に笑えるところがあるところ。なんといっても、観ている私たちが共感できるように物語が語られています。
たとえば、1994年のアニメーション版『ライオン・キング』から一貫したムファサとスカーの設定ですが「兄弟なのに、どうして見た目が違うんだろう」と、不思議になりませんでしたか?体の色がダーク寄りだし、目には傷があり、いかにもヴィラン(悪役)という印象付けなキャラクター造形です。視覚的に「善悪がはっきりしていていい」と言われるとそれまでですが、多様性の時代、それだけでは深みがないです。本作では、それには理由があったことが明かされます。確かに、少し考えたら気づくことかもしれません。しかし、これまで描かれていなかった生い立ちを掘り下げることで『ライオン・キング』の世界観がより深くなり、ストーリーに重厚感を持たせています。「自分の居場所を見つける成長劇と他者への愛」に仕上がる演出の妙もバリー作品らしくあります。

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また、前作から登場するイボイノシシのプンバァ、ミーアキャットのティモンらも現代(?)パートに登場し、ギャグポイントが高いです。字幕、日本語吹替問わず、笑えます。そこも、前作との共通点と言えますね。人間味ある世界観を彩る魅力的なキャラクターで、あの名曲を聴かせてもらうだけで楽しくなります(笑)。

アフリカを旅しているような映像の迫力

一目瞭然でこの映画は3DCGを駆使したバーチャル映像です。しかし、多くの方が語られているように、毛先の1本1本、動物たちの動きがまるで実写のように命が吹き込まれています。また、水滴や草木まで「自然」が自然に映像内で広がっています。
劇場パンフレットによると、本作は20年のコロナ禍中に準備がスタートしているとのこと。制作陣は、アフリカへのロケハンが必要でしたがリモートで仕事環境を整えました。しかし、現地の情報が必要です。そこで活躍したのは、現地に住むクリエイティブな仕事をする方々です。「郷に入っては郷に従え」ではないですが、その土地で生きる者だからこその視点で画像と映像が集まりました。そのリアリズムがスクリーンを通して、観客の私たちを感動させているのですね。まるでアフリカを旅している気分です。もちろん、鮮明な映像に美しさを感じるのは自然な反射と言えます。むしろ、ダイナミックな迫力が楽しめるのが本作の「すげえ」ところです。

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(C)2024 Disney

この迫力は、道内の映画館にあるラージフォーマットのスクリーンだと、より大きく感じるでしょう。以下、筆者の感覚ですよ。
IMAX®であれば、スクリーンが大きすぎて視野の外まで広がる雄大な大地に震えることでしょう(前段に座った場合の話)。Dolby Cinema®であれば、鮮明な映像美に心奪われるでしょう。4DXであれば、ムファサやタカ(のちにスカー)と走り回れたり、アトラクション要素は強まるでしょう。SCREEN Xであれば、あなたはムファサです。動物たちと同じ視点になれるでしょう。「でも、課金はちょっと…」という方もいますよね? 道内には追加料金が発生しないプレミアムシアターとTHXがあります。
映画はナマモノです。公開したばかりの時はスクリーンが大きく、上映回数も多いです。ぜひ、お早めに。それでは、またお会いしましょう。劇場で待ってます!
 
◆各プレミアムシアターの所在地
IMAX®|ローソン・ユナイテッド・シネマ札幌
Dolby Cinema®|TOHOシネマズ すすきの
4DX|ローソン・ユナイテッド・シネマ札幌、シネプレックス旭川
SCREEN X|ローソン・ユナイテッド・シネマ札幌
プレミアムシアター|TOHOシネマズ すすきの
THX|イオンシネマ小樽
 

「ライオン・キング:ムファサ」 基本情報

給配 ディズニー

劇場公開日 2024年12月20日(金)

公式サイト https://www.disney.co.jp/movie/lionking-mufasa

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

監督:バリー・ジェンキンス

声の出演:アーロン・ピエール (ムファサ), ケルヴィン・ハリソン・Jr (タカ),
ティファニー・ブーン (サラビ), ドナルド・グローヴァー (シンバ),マッツ・ミケルセン (キロス), ブルー・アイビー・カーター (キアラ),ビヨンセ・ノウルズ=カーター (ナラ)

音楽:リン=マニュエル・ミランダ (『ミラベルと魔法だらけの家』)

超実写プレミアム吹替版:
尾上右近 (ムファサ), 松田元太 (タカ), MARIA-E (サラビ), 吉原光夫 (マセゴ),和音美桜 (アフィア), 悠木碧 (アクア), LiLiCo (賢いキリン), 渡辺謙 (キロス)

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アカデミー賞受賞歴もあるバリー監督の演出ビジョン


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『ライオン・キング:ムファサ』の監督を務めるのは、アカデミー賞で作品賞・脚色賞・助演男優賞を受賞した『ムーンライト』(16)のバリー・ジェンキンスさんです。バリー監督がこれまで手掛けてきた作品の製作規模と比較すると、本作のバジェットは大きく、物語の内容はディズニー作品とあって超エンターテインメントとして描かれます。筆者は、監督名を見た時に「おっと、これまでのバリー作品のテイストと違うけれど大丈夫かな。主演は人間ではなくライオンだし…」と若干戸惑いました。しかし、作品を観ると気がかりはなくなります。登場するキャラクターたちの個性が活かされていること。至難である旅を続ける中で、随所に笑えるところがあるところ。なんといっても、観ている私たちが共感できるように物語が語られています。

(C) 2024 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

たとえば、1994年のアニメーション版『ライオン・キング』から一貫したムファサとスカーの設定ですが「兄弟なのに、どうして見た目が違うんだろう」と、不思議になりませんでしたか?体の色がダーク寄りだし、目には傷があり、いかにもヴィラン(悪役)という印象付けなキャラクター造形です。視覚的に「善悪がはっきりしていていい」と言われるとそれまでですが、多様性の時代、それだけでは深みがないです。本作では、それには理由があったことが明かされます。確かに、少し考えたら気づくことかもしれません。しかし、これまで描かれていなかった生い立ちを掘り下げることで『ライオン・キング』の世界観がより深くなり、ストーリーに重厚感を持たせています。「自分の居場所を見つける成長劇と他者への愛」に仕上がる演出の妙もバリー作品らしくあります。

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また、前作から登場するイボイノシシのプンバァ、ミーアキャットのティモンらも現代(?)パートに登場し、ギャグポイントが高いです。字幕、日本語吹替問わず、笑えます。そこも、前作との共通点と言えますね。人間味ある世界観を彩る魅力的なキャラクターで、あの名曲を聴かせてもらうだけで楽しくなります(笑)。

アフリカを旅しているような映像の迫力


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一目瞭然でこの映画は3DCGを駆使したバーチャル映像です。しかし、多くの方が語られているように、毛先の1本1本、動物たちの動きがまるで実写のように命が吹き込まれています。また、水滴や草木まで「自然」が自然に映像内で広がっています。
劇場パンフレットによると、本作は20年のコロナ禍中に準備がスタートしているとのこと。制作陣は、アフリカへのロケハンが必要でしたがリモートで仕事環境を整えました。しかし、現地の情報が必要です。そこで活躍したのは、現地に住むクリエイティブな仕事をする方々です。「郷に入っては郷に従え」ではないですが、その土地で生きる者だからこその視点で画像と映像が集まりました。そのリアリズムがスクリーンを通して、観客の私たちを感動させているのですね。まるでアフリカを旅している気分です。もちろん、鮮明な映像に美しさを感じるのは自然な反射と言えます。むしろ、ダイナミックな迫力が楽しめるのが本作の「すげえ」ところです。

(C)2024 Disney

この迫力は、道内の映画館にあるラージフォーマットのスクリーンだと、より大きく感じるでしょう。以下、筆者の感覚ですよ。
IMAX®であれば、スクリーンが大きすぎて視野の外まで広がる雄大な大地に震えることでしょう(前段に座った場合の話)。Dolby Cinema®であれば、鮮明な映像美に心奪われるでしょう。4DXであれば、ムファサやタカ(のちにスカー)と走り回れたり、アトラクション要素は強まるでしょう。SCREEN Xであれば、あなたはムファサです。動物たちと同じ視点になれるでしょう。「でも、課金はちょっと…」という方もいますよね? 道内には追加料金が発生しないプレミアムシアターとTHXがあります。
映画はナマモノです。公開したばかりの時はスクリーンが大きく、上映回数も多いです。ぜひ、お早めに。それでは、またお会いしましょう。劇場で待ってます!
 
◆各プレミアムシアターの所在地
IMAX®|ローソン・ユナイテッド・シネマ札幌
Dolby Cinema®|TOHOシネマズ すすきの
4DX|ローソン・ユナイテッド・シネマ札幌、シネプレックス旭川
SCREEN X|ローソン・ユナイテッド・シネマ札幌
プレミアムシアター|TOHOシネマズ すすきの
THX|イオンシネマ小樽
 

「ライオン・キング:ムファサ」 基本情報


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給配 ディズニー

劇場公開日 2024年12月20日(金)

公式サイト https://www.disney.co.jp/movie/lionking-mufasa

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

監督:バリー・ジェンキンス

声の出演:アーロン・ピエール (ムファサ), ケルヴィン・ハリソン・Jr (タカ),
ティファニー・ブーン (サラビ), ドナルド・グローヴァー (シンバ),マッツ・ミケルセン (キロス), ブルー・アイビー・カーター (キアラ),ビヨンセ・ノウルズ=カーター (ナラ)

音楽:リン=マニュエル・ミランダ (『ミラベルと魔法だらけの家』)

超実写プレミアム吹替版:
尾上右近 (ムファサ), 松田元太 (タカ), MARIA-E (サラビ), 吉原光夫 (マセゴ),和音美桜 (アフィア), 悠木碧 (アクア), LiLiCo (賢いキリン), 渡辺謙 (キロス)

矢武兄輔

まちのえいが屋さん/キャプテン・ポップコーン

20歳の1月。札幌映画サークルに入会直後、さぬき映画祭への参加で『踊る大捜査線』の製作陣や深田晃司監督と出逢い、映画界の現実や地方から発信するエンタメの可能性を知る。そこから「映画館へ行く人を増やす」という目標を持ち、カネゴンを呼んでみたり、学生向け媒体をつくったり、休学して東京国際映画祭で勤務、映画館へ就職→退職→「矢武企画」を起業からの今は某局でラジオDJ。 すべては『踊る』の完結が始まりだった。そして、踊るプロジェクト再始動と共に…! ということで、皆さんにとって映画がもっと近くなれますように。

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