2025.2.26

札幌出身の映画監督、恐怖の原点を語る!『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』舞台挨拶で観客を魅了

"怖い" Jホラー正統派後継作品として注目の『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』。1月24日(金)に全国15館からスタートし、映画ファンの間で瞬く間に話題となり、劇場パンフレットは増刷、上映館が拡大中。この度、近藤亮太監督の出身地・札幌の映画館「サツゲキ」で2月16日(日)に凱旋舞台挨拶が実施されました。

本作は「第2回日本ホラー映画大賞」(23)で大賞を受賞した近藤監督による同名短編ホラーを、杉田雷麟主演で初長編商業映画化。弟が失踪する一部始終を捉えたビデオテープを中心に物語が進み、「ノーCG、ノー特殊メイク、ノージャンプスケア」で挑むJホラーです。総合プロデューサーを劇場映画版『呪怨』(03)などの清水崇監督が務めています。

SASARU movieでは、舞台挨拶の様子をお届けします!


(C)2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』のストーリー
幼い頃、弟・日向を山で失踪させた過去を持つ敬太(杉田雷麟)は、失踪者を探すボランティアを続けていた。ある日、母から届いたビデオテープには、日向が消える瞬間が記録されていた。霊感を持つ同居人の司(平井亜門)は、テープの不気味な気配を警告するが、敬太は過去と向き合うため、日向が消えた山へ向かうことを決意。記事のネタを狙う新聞記者の美琴(森田想)も同行し、3人はそれぞれの思惑を胸に、山へと足を踏み入れる…。
――近藤監督は「TXQ FICTION」の選出で関わっていますが、モキュメンタリーホラーの影響はありましたか?

テレビ東京で放送されていた「TXQ FICTION」(24)というフェイクドキュメンタリー特別番組を寺内康太郎さん、大森時生さん、YouTubeやテレビを舞台に活動されているホラークリエイターの方々が制作されていて、それで声をかけていただき一緒にやっているのですが、僕がその影響を受けています。また、自分が参加することによって「TXQ FICTION」の方にも反映されていっているのかなと思います。
モキュメンタリー的な手法はすごく好き。子どもの頃から見ていたので、そのモキュメンタリーの手法を普通のフィクション作品の一部として入れ込むということに、可能性を感じていていました。その時から、一貫して劇中にちょっと長めの尺で、ビデオや何か劇中で撮られた映像をやるみたいなことは結構やってたので、それが時代と上手くマッチしたと感じています。

 
――ビデオテープの映像ですが、今は懐かしさと共に恐怖の対象になっているということは以前から感じられていたんですか?

子供の頃にビデオテープを使っていましたけれど、その時にビデオで見る映像が「やっぱり怖いな」って思いながら見てなかったと思うんですよね。でも、それが2020年前後ぐらいになって、改めて当時のビデオ映像をYouTubeなどで見ると妙に不気味なものに見えて。何人かのホラークリエイターの人たちが発見していて、それが伝播していったというか…「確かに怖いぞ」と。
ここで劇場に駆けつけたお客様とのQAが始まります。

――【質問者A】以前、インタビューの中で、キャラクターのバックボーンはなるべく真剣に考えるようにしている、とおっしゃっていたんですが、「実はこのキャラは…」という明かされていない裏設定を教えてください。

では天野司(演:平井亜門)の話をします。大学を出ているという設定です。あと、2人が住んでいる部屋の中に写真が飾ってあります。あれは司が大学時代、写真にハマっていて海外旅行などに行った際、撮影した写真がそのまま飾ってあるのですけど、今は押入れの中でカメラは埃をかぶっているという設定になっています。

(C)2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

――【質問者B】怖い映像を撮ってて、実際に現場でオバケとか出たりしなかったんですか?

出てほしいと常々思っているのですが、なかなか出てくれないんですよね(笑)。
今日初めてちゃんと喋る話ですが、主人公の兒玉敬太(演:杉田雷麟)の名前は、勤めている会社の後輩たちから許可をもらい、2人の名前をくっつけてたキャラクター名なんです。
そのケイタの方の後輩が、東京国際映画祭で上映されたときに恋人と観に来てくれました。観終わった後に直筆で熱のこもったお手紙を送って頂いて読んだんですけど、彼女さんは霊感がある方で、廃墟のシーンに“お茶目な女性の霊”が映っていた、とのことです。
舞台挨拶のときに主演の雷麟君の話にもありましたが、撮影中に奥の方でバタンと音がして雷麟君と2人で見に行ったんです。でも何も倒れていないという話をよくしていて...その事象も、お茶目な女性の霊が気づいてほしくて「何やっているのかな!!」と、ちょっかいをかけてきた、とのことでした。
――【質問者C】山の怖い話はたくさんありますが、インスピレーションを受けたお話はありますか?

インスピレーションはいっぱいあります。本作劇中に出てくる「ぷよぷよ」というワードに関しては、僕が大学時代の話です。スキー部の先輩が、中学生の時に女性コーチの3歳ぐらいの息子さんと山の中を夜に走ってたら、森の方を指差して「ぷよぷよがいるよ」と言い出して「何がいるの?」と聞いても「ぷよぷよがいる」と。それ以上説明ができなかったみたいなことを昔聞いて、それを基にしています。

(C)2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会


(C)2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』のストーリー
幼い頃、弟・日向を山で失踪させた過去を持つ敬太(杉田雷麟)は、失踪者を探すボランティアを続けていた。ある日、母から届いたビデオテープには、日向が消える瞬間が記録されていた。霊感を持つ同居人の司(平井亜門)は、テープの不気味な気配を警告するが、敬太は過去と向き合うため、日向が消えた山へ向かうことを決意。記事のネタを狙う新聞記者の美琴(森田想)も同行し、3人はそれぞれの思惑を胸に、山へと足を踏み入れる…。
――近藤監督は「TXQ FICTION」の選出で関わっていますが、モキュメンタリーホラーの影響はありましたか?

テレビ東京で放送されていた「TXQ FICTION」(24)というフェイクドキュメンタリー特別番組を寺内康太郎さん、大森時生さん、YouTubeやテレビを舞台に活動されているホラークリエイターの方々が制作されていて、それで声をかけていただき一緒にやっているのですが、僕がその影響を受けています。また、自分が参加することによって「TXQ FICTION」の方にも反映されていっているのかなと思います。
モキュメンタリー的な手法はすごく好き。子どもの頃から見ていたので、そのモキュメンタリーの手法を普通のフィクション作品の一部として入れ込むということに、可能性を感じていていました。その時から、一貫して劇中にちょっと長めの尺で、ビデオや何か劇中で撮られた映像をやるみたいなことは結構やってたので、それが時代と上手くマッチしたと感じています。

 
――ビデオテープの映像ですが、今は懐かしさと共に恐怖の対象になっているということは以前から感じられていたんですか?

子供の頃にビデオテープを使っていましたけれど、その時にビデオで見る映像が「やっぱり怖いな」って思いながら見てなかったと思うんですよね。でも、それが2020年前後ぐらいになって、改めて当時のビデオ映像をYouTubeなどで見ると妙に不気味なものに見えて。何人かのホラークリエイターの人たちが発見していて、それが伝播していったというか…「確かに怖いぞ」と。
ここで劇場に駆けつけたお客様とのQAが始まります。

――【質問者A】以前、インタビューの中で、キャラクターのバックボーンはなるべく真剣に考えるようにしている、とおっしゃっていたんですが、「実はこのキャラは…」という明かされていない裏設定を教えてください。

では天野司(演:平井亜門)の話をします。大学を出ているという設定です。あと、2人が住んでいる部屋の中に写真が飾ってあります。あれは司が大学時代、写真にハマっていて海外旅行などに行った際、撮影した写真がそのまま飾ってあるのですけど、今は押入れの中でカメラは埃をかぶっているという設定になっています。

(C)2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

――【質問者B】怖い映像を撮ってて、実際に現場でオバケとか出たりしなかったんですか?

出てほしいと常々思っているのですが、なかなか出てくれないんですよね(笑)。
今日初めてちゃんと喋る話ですが、主人公の兒玉敬太(演:杉田雷麟)の名前は、勤めている会社の後輩たちから許可をもらい、2人の名前をくっつけてたキャラクター名なんです。
そのケイタの方の後輩が、東京国際映画祭で上映されたときに恋人と観に来てくれました。観終わった後に直筆で熱のこもったお手紙を送って頂いて読んだんですけど、彼女さんは霊感がある方で、廃墟のシーンに“お茶目な女性の霊”が映っていた、とのことです。
舞台挨拶のときに主演の雷麟君の話にもありましたが、撮影中に奥の方でバタンと音がして雷麟君と2人で見に行ったんです。でも何も倒れていないという話をよくしていて...その事象も、お茶目な女性の霊が気づいてほしくて「何やっているのかな!!」と、ちょっかいをかけてきた、とのことでした。

(C)2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

――【質問者C】山の怖い話はたくさんありますが、インスピレーションを受けたお話はありますか?

インスピレーションはいっぱいあります。本作劇中に出てくる「ぷよぷよ」というワードに関しては、僕が大学時代の話です。スキー部の先輩が、中学生の時に女性コーチの3歳ぐらいの息子さんと山の中を夜に走ってたら、森の方を指差して「ぷよぷよがいるよ」と言い出して「何がいるの?」と聞いても「ぷよぷよがいる」と。それ以上説明ができなかったみたいなことを昔聞いて、それを基にしています。

矢武兄輔

まちのえいが屋さん/キャプテン・ポップコーン

20歳の1月。札幌映画サークルに入会直後、さぬき映画祭への参加で『踊る大捜査線』の製作陣や深田晃司監督と出逢い、映画界の現実や地方から発信するエンタメの可能性を知る。そこから「映画館へ行く人を増やす」という目標を持ち、カネゴンを呼んでみたり、学生向け媒体をつくったり、休学して東京国際映画祭で勤務、映画館へ就職→退職→「矢武企画」を起業からの今は某局でラジオDJ。 すべては『踊る』の完結が始まりだった。そして、踊るプロジェクト再始動と共に…! ということで、皆さんにとって映画がもっと近くなれますように。

eventイベント・キャンペーン

point注目映画一覧(外部サイト)

Captain America: Brave New World

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド

2025-02-14

“初代”キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースから最も信頼され、盾を託されたファルコンことサム・ウィルソンは、その後、重圧と葛藤しながら“二代目”を受け入れる心を決めた。これまでアベンジャーズの中心人物としてリーダーシップを発揮してきた“キャプテン・アメリカ”は、単なるひとりのヒーローに留まらず、アメリカの象徴でもあり、さらにはヒーローの象徴とさえ言える存在だった。“ヒーローの象徴”キャプテン・アメリカを受け継いだ男の物語がここから始まる。

The Brutalist

ブルータリスト

2025-02-21

第二次世界大戦下にホロコーストを生き延び、アメリカへと渡ったハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トートの30年にわたる数奇な運命を描いたヒューマン・ドラマ。新天地に到着したひとりの男を待ち受ける出会い、離れ離れの妻への愛、そして大きな困難と代償を壮大なスケールで活写する。

The Wild Robot

野生の島のロズ

2025-02-07

嵐の夜、人間をサポートするプログラムがインストールされた〈最新型アシストロボット〉が入った箱が、無人島に流れ着いた。偶然にも起動ボタンが押されて、“彼女”は目覚める。誰もいない大自然の中で、ロズは命令を求め、歩き出す。島の動物たちからは“怪物”呼ばわりされ、大自然を孤独にあてもなくさまようロズ。誰からも命令されない、過酷な野生の島では、ロズに組み込まれたプログラムは通用しない。しかしある日、ひとつの“小さな出会い”をきっかけに、ロズに思いもよらない変化の兆しが現れ始める――

Anora

ANORA アノーラ

2025-02-28

第77回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いたショーン・ベイカーのロマンティックコメディ。ニューヨークを舞台に、ロシア系アメリカ人のストリップダンサー、アノーラのジェットコースターのようなロマンスと騒動を、ユーモラスに、そして真摯に描く。

September 5

セプテンバー5

2025-02-14

1972年9月5日ミュンヘンオリンピックでの、パレスチナ武装組織「黒い九月」による、イスラエル選手団の人質事件。事件発生から終結まで、その緊迫に溢れた一部始終は、当時技術革新がめざましい衛星中継を経て全世界に生中継された。しかし、全世界が固唾を飲んでテレビにくぎ付けとなったその歴史的な生中継を担ったのは、なんとニュース番組とは無縁のスポーツ番組の放送クルーたちだった。

A Real Pain

リアル・ペイン〜心の旅〜

2025-01-31

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドとベンジーは、亡くなった最愛の祖母の遺言で、ポーランドのアウシュビッツまでのツアー旅行に参加する。従兄弟同士でありながら正反対の性格な二人は、時に騒動を起こしながらも、ツアーに参加したユニークな人々との交流、そして祖母に縁あるポーランドの地を巡る中で、40代を迎えた彼ら自身の“生きるシンドさ”に向き合う力を得ていく。

A Complete Unknown

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN

2025-02-28

1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが、フォーク・シンガーとしてコンサートホールやチャートの寵児となり、彼の歌と神秘性が世界的なセンセーションを巻き起こしつつ、1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの画期的なエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点を極めるまでを描く。

Se7en

セブン

1996-01-27

定年退職間近の刑事サマセットと新人のミルズは、ある殺人現場に向かう。そこには肥満の大男の凄惨な死体があった。またほどなくして、今度はビジネスマンの死体が発見される。サマセットはそれぞれの現場に残されていた文字から、犯人がキリスト教における七つの大罪(傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲)に因んだ殺人に及んでいると分析、残るは5件となった。事件を未然に防ごうと犯人の特定を急ぐ2人。やがて一人の男が容疑者に浮上、しかし接近するも取り逃がし、さらなる犠牲者を出してしまう。そんな中、大罪に沿った犯行が残り2件となったところで、犯人を名乗る男が自首して来るのだが…。