(C)『犬と戦争』製作委員会
(C)『犬と戦争』製作委員会

2025.3.7

"真実を知りたい"信念が生んだ命の記録『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』山田監督インタビュー

2月21(金)より順次公開された映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』は、2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻の最前線で、動物たちの命を救おうと奔走する人々を3年間にわたって取材したドキュメンタリー映画。命の危険にさらされている犬たち、そして世界中から集まった動物愛護団体の人々の救出活動が記録されています。

今回、SASARU movieでは本作の山田あかね監督に独占インタビュー。映画製作の背景や撮影の裏側、戦地にいる犬たちの状況をしっかりとお伝えします。
 

――戦争下という危険な状態で撮影に向かった、そして撮影を続けたモチベーションはどんなところにあったのでしょうか?

2011年の東日本大震災の時も福島第一原子力発電所20km圏内に入ったことがあるので、どこに行ってもあまり怖いという感覚がなく、もっと知りたい、何があるのだろうという気持ちの方が勝ってしまうんです。ボロディアンカの悲惨な画を見た時も「こんなの嫌だ」という風にならなくて、「どうしてこうなったんだろう」と。

それを知りたい、誰が撮ったの?何なの?ということを知りたい。細部の出来事を知りたい思いが強いですかね。高い理想があってやっているわけではないですが、やはり「これは何なんだろう」と思うじゃないですか。分からないからそのままにしておけなくて。
――ウクライナの野良犬たちが避妊・去勢手術を受けていたり、アニマルIDをつけているところを見て、日本ではないことなので驚きました。実際に現地で野良犬たちの様子を見たときに私は街のみんなで育ててるっていうところにすごく驚きました。野良犬たちを見て何を感じましたか?

私も驚きました。野良犬たちは体格も良いんですよね。ウクライナは農業国なので、国土が広いこともあって、動物と人間の距離が近いのだと思います。人間が来ても逃げないし、耳にイヤータグを付けているのですが、あの街だけで約500匹いると聞きました。レストランに犬が入ってきても誰も驚かない。動物と人間の距離が近いのだと思います。

日本の動物愛護法の場合、猫は地域猫として生きていけますが、犬の場合やっぱり狂犬病予防法があるため、1回捕まえて元の場所に放すことが法的にできません。日本は、衛生管理を徹底している国なので難しいだろうなとは思いますね。法的機関でも一部の動物愛護センター、動物愛護団体などと協力して、安価で手術を行うところはあります。

(C)『犬と戦争』製作委員会

――山田監督が行っている医療費を支援する団体「ハナコプロジェクト」にも通じる部分がありますよね。

私たちがやっているハナコプロジェクトは行政のお手伝いをしているので、多頭飼育崩壊が起きた場合、飼い主さんが手術できない時に獣医さんの派遣を行って費用を負担するという形です。

――戦争や震災が起きた時にこの活動が定着化していると、どうしても置いていかなければならない時に繁殖してしまうということも防げますよね。

そうですね。東日本大震災の時は繁殖してしまってましたね。

――ウクライナだと避妊・去勢手術が定番化しているから戦争になった時も保護した犬の手術をしなければならないということが少なそうですよね。

手術済みの犬が多いです。ほとんどですね。

▼山田あかね監督が代表を務める「ハナコプロジェクト」の詳細はこちら
https://hana-pro.com/
 
――イギリスの動物救助隊やポーランドの動物保護団体のウクライナでの活動を記録されていましたが、取材の中で特に印象的だった出来事は何ですか?

多くの犬が命を落としたボロディアンカのシェルターに最初に駆けつけたのがウクライナのフボスタタ・バンダという愛護団体のメンバーで、その1人のアナスタシアは、ごく普通の犬が好きなボランティアでした。シェルターを少し手伝っているという人だったのですが、犬たちが閉じ込められた悲劇的な事件があり、その場に駆けつけられなかったことで多くの犬が命を落としてしまった。

同じようにウクライナの様々なところが戦地になって、そこでまた動物が閉じ込められているのではないか、置き去りにされているのではないかと思うようになって、救援物資を送ったり、チームのメンバーと現地に行って助けられる犬を助けようという風にすごく変わったんですよね。普通の女の子があの事件を経て、しっかりとした動物愛護団体になって活動している。戦争はひどい目に遭って気持ちが落ち込んでしまい精神的に不安定になる人もたくさんいると思うのですが、戦争によって強くなっていく。
人に頼っていては犬の命が失われてしまうと思い、自分でやるようになったように、戦争によって強くなる人がいるのだなというのが印象的でした。

(C)『犬と戦争』製作委員会


(C)『犬と戦争』製作委員会

――爆発や銃撃の音で犬たちが恐怖心やストレスを抱えていたと思いますが、保護された時の様子はどうでしたか?恐怖体験によって攻撃的になる犬もいますが、映画では穏やかに過ごしているように見えました。

私が行ったシェルターでは、攻撃的な犬は見なかったです。「助けてくれてありがとう」というフレンドリーな雰囲気でした。ただ、爆撃を受けたゴストメルでは精神が乱れた子がいたという話は聞きましたが多くはありません。

――映像を観るとシェルターで楽しそうに走り回っている犬が多かったですよね。

人間はミサイルが落ちたとなると気分も落ち込み、世界の終わりのように感じてしまいますが、犬はご飯も水もあって走れる、今日を楽しく生きるという姿が人間とは違いました。
犬は強いですね。
――軍人向けのドッグセラピーも紹介されていましたが、犬が明るいことで人間の心を癒やしてくれているという部分もあるのですかね?

犬は人間が怪我をしていても関係なく寄り添うのでみんな犬に手を伸ばします。何をするわけでもなく犬にさわりながら周りの人と会話が生まれていました。皆さん、戦争の話はしたがらないので犬の話をして笑っていました。その中で少しずつ気持ちが楽になっていくように感じましたね。

――映画にもありましたが、日本のメディアでウクライナの犬たちの状況があまり伝えられないのは、日本の動物福祉の概念が根付いていないということも影響していると感じました。この点についてはいかがですか?

日本は、人間の方が大事だという想いがすごく強いですね。ヨーロッパだと人間が動物をきちんと管理しなければという想いが強いから動物を助ける行動をしても違和感を抱く人はいないし、避難所にも入れる。そこは違いかもしれないですね。

(C)BREAKING THE CHAINS


(C)『犬と戦争』製作委員会

――取材を通して、犬と人間の関係で新たに気が付いたことはありますか?

この映画は、動物を助けている人の話ですが、助けている人も含めて、人間がいかに動物に助けられているかを感じました。動物救助隊のトムもPTSDから復活できたのは犬のおかげだと言っています。それがきっかけで彼は激戦地に行っていますが、自分は動物を救うことが使命だと思うことで、自分を支えてるんだなと思います。

人間同士ではどうしても癒やすことができないような部分を動物が助けている。戦争だからこそ、人間が起こした最悪の事態だからこそ逆に動物が必要、犬猫が必要なんだなと思いました。
――今回の撮影を終えて、ご自身に心境の変化はありましたか?
今回の取材は行くかどうか迷ったんですよね。戦禍とはいえ怖い出来事がなかったという点もありますが行って良かったと思います。

以前、東日本大震災でも福島第一原子力発電所20km圏内の近くまで取材に行きましたが、やはり被爆したらと考えてしまって行くのをやめたことがありました。でも、翌日から制限区域になってしまい撮影で入れなくなってしまったということがあり、それ以降は迷ったら行くと決めています。ウクライナも迷っても撮影に行ったことでこの映画が出来上がったのだと思いますね。

――犬や猫をテーマにした次回作を作りたいというお考えはありますか?
動物救助隊のトムの活動については、今回の映画の中ではほんの一部だったので彼をちゃんと撮りたいという思いはあります。


映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』(G)は、シアターキノで3月14日(金)まで絶賛上映中。本作には、戦争直後の映像や危険な状況に置かれている動物の映像もあるのでご留意ください。

(C)『犬と戦争』製作委員会

――戦争下という危険な状態で撮影に向かった、そして撮影を続けたモチベーションはどんなところにあったのでしょうか?

2011年の東日本大震災の時も福島第一原子力発電所20km圏内に入ったことがあるので、どこに行ってもあまり怖いという感覚がなく、もっと知りたい、何があるのだろうという気持ちの方が勝ってしまうんです。ボロディアンカの悲惨な画を見た時も「こんなの嫌だ」という風にならなくて、「どうしてこうなったんだろう」と。

それを知りたい、誰が撮ったの?何なの?ということを知りたい。細部の出来事を知りたい思いが強いですかね。高い理想があってやっているわけではないですが、やはり「これは何なんだろう」と思うじゃないですか。分からないからそのままにしておけなくて。

(C)『犬と戦争』製作委員会

――ウクライナの野良犬たちが避妊・去勢手術を受けていたり、アニマルIDをつけているところを見て、日本ではないことなので驚きました。実際に現地で野良犬たちの様子を見たときに私は街のみんなで育ててるっていうところにすごく驚きました。野良犬たちを見て何を感じましたか?

私も驚きました。野良犬たちは体格も良いんですよね。ウクライナは農業国なので、国土が広いこともあって、動物と人間の距離が近いのだと思います。人間が来ても逃げないし、耳にイヤータグを付けているのですが、あの街だけで約500匹いると聞きました。レストランに犬が入ってきても誰も驚かない。動物と人間の距離が近いのだと思います。

日本の動物愛護法の場合、猫は地域猫として生きていけますが、犬の場合やっぱり狂犬病予防法があるため、1回捕まえて元の場所に放すことが法的にできません。日本は、衛生管理を徹底している国なので難しいだろうなとは思いますね。法的機関でも一部の動物愛護センター、動物愛護団体などと協力して、安価で手術を行うところはあります。
――山田監督が行っている医療費を支援する団体「ハナコプロジェクト」にも通じる部分がありますよね。

私たちがやっているハナコプロジェクトは行政のお手伝いをしているので、多頭飼育崩壊が起きた場合、飼い主さんが手術できない時に獣医さんの派遣を行って費用を負担するという形です。

――戦争や震災が起きた時にこの活動が定着化していると、どうしても置いていかなければならない時に繁殖してしまうということも防げますよね。

そうですね。東日本大震災の時は繁殖してしまってましたね。

――ウクライナだと避妊・去勢手術が定番化しているから戦争になった時も保護した犬の手術をしなければならないということが少なそうですよね。

手術済みの犬が多いです。ほとんどですね。

▼山田あかね監督が代表を務める「ハナコプロジェクト」の詳細はこちら
https://hana-pro.com/
 

(C)『犬と戦争』製作委員会

――イギリスの動物救助隊やポーランドの動物保護団体のウクライナでの活動を記録されていましたが、取材の中で特に印象的だった出来事は何ですか?

多くの犬が命を落としたボロディアンカのシェルターに最初に駆けつけたのがウクライナのフボスタタ・バンダという愛護団体のメンバーで、その1人のアナスタシアは、ごく普通の犬が好きなボランティアでした。シェルターを少し手伝っているという人だったのですが、犬たちが閉じ込められた悲劇的な事件があり、その場に駆けつけられなかったことで多くの犬が命を落としてしまった。

同じようにウクライナの様々なところが戦地になって、そこでまた動物が閉じ込められているのではないか、置き去りにされているのではないかと思うようになって、救援物資を送ったり、チームのメンバーと現地に行って助けられる犬を助けようという風にすごく変わったんですよね。普通の女の子があの事件を経て、しっかりとした動物愛護団体になって活動している。戦争はひどい目に遭って気持ちが落ち込んでしまい精神的に不安定になる人もたくさんいると思うのですが、戦争によって強くなっていく。
人に頼っていては犬の命が失われてしまうと思い、自分でやるようになったように、戦争によって強くなる人がいるのだなというのが印象的でした。

(C)『犬と戦争』製作委員会

――爆発や銃撃の音で犬たちが恐怖心やストレスを抱えていたと思いますが、保護された時の様子はどうでしたか?恐怖体験によって攻撃的になる犬もいますが、映画では穏やかに過ごしているように見えました。

私が行ったシェルターでは、攻撃的な犬は見なかったです。「助けてくれてありがとう」というフレンドリーな雰囲気でした。ただ、爆撃を受けたゴストメルでは精神が乱れた子がいたという話は聞きましたが多くはありません。

――映像を観るとシェルターで楽しそうに走り回っている犬が多かったですよね。

人間はミサイルが落ちたとなると気分も落ち込み、世界の終わりのように感じてしまいますが、犬はご飯も水もあって走れる、今日を楽しく生きるという姿が人間とは違いました。
犬は強いですね。

(C)BREAKING THE CHAINS

――軍人向けのドッグセラピーも紹介されていましたが、犬が明るいことで人間の心を癒やしてくれているという部分もあるのですかね?

犬は人間が怪我をしていても関係なく寄り添うのでみんな犬に手を伸ばします。何をするわけでもなく犬にさわりながら周りの人と会話が生まれていました。皆さん、戦争の話はしたがらないので犬の話をして笑っていました。その中で少しずつ気持ちが楽になっていくように感じましたね。

――映画にもありましたが、日本のメディアでウクライナの犬たちの状況があまり伝えられないのは、日本の動物福祉の概念が根付いていないということも影響していると感じました。この点についてはいかがですか?

日本は、人間の方が大事だという想いがすごく強いですね。ヨーロッパだと人間が動物をきちんと管理しなければという想いが強いから動物を助ける行動をしても違和感を抱く人はいないし、避難所にも入れる。そこは違いかもしれないですね。

(C)『犬と戦争』製作委員会

――取材を通して、犬と人間の関係で新たに気が付いたことはありますか?

この映画は、動物を助けている人の話ですが、助けている人も含めて、人間がいかに動物に助けられているかを感じました。動物救助隊のトムもPTSDから復活できたのは犬のおかげだと言っています。それがきっかけで彼は激戦地に行っていますが、自分は動物を救うことが使命だと思うことで、自分を支えてるんだなと思います。

人間同士ではどうしても癒やすことができないような部分を動物が助けている。戦争だからこそ、人間が起こした最悪の事態だからこそ逆に動物が必要、犬猫が必要なんだなと思いました。

(C)『犬と戦争』製作委員会

――今回の撮影を終えて、ご自身に心境の変化はありましたか?
今回の取材は行くかどうか迷ったんですよね。戦禍とはいえ怖い出来事がなかったという点もありますが行って良かったと思います。

以前、東日本大震災でも福島第一原子力発電所20km圏内の近くまで取材に行きましたが、やはり被爆したらと考えてしまって行くのをやめたことがありました。でも、翌日から制限区域になってしまい撮影で入れなくなってしまったということがあり、それ以降は迷ったら行くと決めています。ウクライナも迷っても撮影に行ったことでこの映画が出来上がったのだと思いますね。

――犬や猫をテーマにした次回作を作りたいというお考えはありますか?
動物救助隊のトムの活動については、今回の映画の中ではほんの一部だったので彼をちゃんと撮りたいという思いはあります。


映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』(G)は、シアターキノで3月14日(金)まで絶賛上映中。本作には、戦争直後の映像や危険な状況に置かれている動物の映像もあるのでご留意ください。

早川真澄

ライター・編集者

北海道の情報誌の編集者として勤務し映画や観光、人材など地域密着の幅広いジャンルの制作を手掛ける。現在は編集プロダクションを運営し雑誌、webなど媒体を問わず企画制作を行っています。

eventイベント・キャンペーン

point注目映画一覧(外部サイト)

Anora

ANORA アノーラ

2025-02-28

第77回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いたショーン・ベイカーのロマンティックコメディ。ニューヨークを舞台に、ロシア系アメリカ人のストリップダンサー、アノーラのジェットコースターのようなロマンスと騒動を、ユーモラスに、そして真摯に描く。

Captain America: Brave New World

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド

2025-02-14

“初代”キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースから最も信頼され、盾を託されたファルコンことサム・ウィルソンは、その後、重圧と葛藤しながら“二代目”を受け入れる心を決めた。これまでアベンジャーズの中心人物としてリーダーシップを発揮してきた“キャプテン・アメリカ”は、単なるひとりのヒーローに留まらず、アメリカの象徴でもあり、さらにはヒーローの象徴とさえ言える存在だった。“ヒーローの象徴”キャプテン・アメリカを受け継いだ男の物語がここから始まる。

Presence

プレゼンス 存在

2025-03-07

崩壊寸前の4人家族が、ある大きな屋敷に引っ越してくる。一家の10代の少女クロエは、家の中に自分たち以外の何かが存在しているように感じてならなかった。“それ”は一家が引っ越してくる前からそこにいて、“それ”は人に見られたくない家族の秘密を目撃する。クロエは母親にも兄も好かれておらず、そんな彼女に“それ”は親近感を抱く。一家とともに過ごしていくうちに、“それ”は目的を果たすために行動に出る。

The Brutalist

ブルータリスト

2025-02-21

第二次世界大戦下にホロコーストを生き延び、アメリカへと渡ったハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トートの30年にわたる数奇な運命を描いたヒューマン・ドラマ。新天地に到着したひとりの男を待ち受ける出会い、離れ離れの妻への愛、そして大きな困難と代償を壮大なスケールで活写する。

Wicked

ウィキッド ふたりの魔女

2025-03-07

魔法と幻想の国・オズにあるシズ大学の学生として出会ったエルファバとグリンダ。緑色の肌をもち周囲から誤解されてしまうエルファバと、野心的で美しく人気者のグリンダは、寄宿舎で偶然ルームメイトになる。見た目も性格もまったく異なる2人は、最初こそ激しく衝突するが、次第に友情を深め、かけがえのない存在になっていく。しかしこの出会いが、やがてオズの国の運命を大きく変えることになる。

The Wild Robot

野生の島のロズ

2025-02-07

嵐の夜、人間をサポートするプログラムがインストールされた〈最新型アシストロボット〉が入った箱が、無人島に流れ着いた。偶然にも起動ボタンが押されて、“彼女”は目覚める。誰もいない大自然の中で、ロズは命令を求め、歩き出す。島の動物たちからは“怪物”呼ばわりされ、大自然を孤独にあてもなくさまようロズ。誰からも命令されない、過酷な野生の島では、ロズに組み込まれたプログラムは通用しない。しかしある日、ひとつの“小さな出会い”をきっかけに、ロズに思いもよらない変化の兆しが現れ始める――

A Complete Unknown

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN

2025-02-28

1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが、フォーク・シンガーとしてコンサートホールやチャートの寵児となり、彼の歌と神秘性が世界的なセンセーションを巻き起こしつつ、1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの画期的なエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点を極めるまでを描く。

A Real Pain

リアル・ペイン〜心の旅〜

2025-01-31

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドとベンジーは、亡くなった最愛の祖母の遺言で、ポーランドのアウシュビッツまでのツアー旅行に参加する。従兄弟同士でありながら正反対の性格な二人は、時に騒動を起こしながらも、ツアーに参加したユニークな人々との交流、そして祖母に縁あるポーランドの地を巡る中で、40代を迎えた彼ら自身の“生きるシンドさ”に向き合う力を得ていく。

Se7en

セブン

1996-01-27

定年退職間近の刑事サマセットと新人のミルズは、ある殺人現場に向かう。そこには肥満の大男の凄惨な死体があった。またほどなくして、今度はビジネスマンの死体が発見される。サマセットはそれぞれの現場に残されていた文字から、犯人がキリスト教における七つの大罪(傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲)に因んだ殺人に及んでいると分析、残るは5件となった。事件を未然に防ごうと犯人の特定を急ぐ2人。やがて一人の男が容疑者に浮上、しかし接近するも取り逃がし、さらなる犠牲者を出してしまう。そんな中、大罪に沿った犯行が残り2件となったところで、犯人を名乗る男が自首して来るのだが…。