(C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
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2026.2.24

『レンタル・ファミリー』山口Pに聴く【中篇】権利や利益はクレジット表記で証し、プロデューサーも認定制

毎週・木曜日の25:30から北海道・札幌のFM NORTH WAVE(JFL系)で放送されている、矢武企画制作・映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」の内容をSASARU movieでも配信!
キャプテン・ポップコーンこと矢武企画・矢武兄輔が、映画の情報はもちろん、映画に関係するまちの情報、映画がもっと近くなる内容をお届けします。

映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」は、北海道外にお住まいの方、もしくは聴き逃した方でも、インターネットで聴けるradikoで一定期間は聴取することが可能です。
この記事では2月19日(木)に放送した番組内容をお届けしています。 進行台本と放送内容を基に記事を作成しています。そのため、実際の放送内容とは違う表現・補足(話し言葉と書き言葉等)並びに、放送ではカットされた内容を含む場合がございます。 また、公開される映画館名や作品情報、イベントは上記日程の放送または収録時点のものになりますのでご留意ください。

【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画

映画『レンタル・ファミリー』山口晋プロデューサーインタビュー【中篇】

2月27日(金)から公開の映画『レンタル・ファミリー』の山口晋プロデューサーがゲストとして登場。企画誕生の背景やブレンダン・フレイザーとの撮影秘話など、泣く泣く放送ではカットされたインタビュー内容を【前篇】【中篇】【後篇】に分け、ディレクターズカット版でご紹介します。

映画『レンタル・ファミリー』

東京に暮らす落ちぶれた俳優フィリップは、日本での生活に居心地よさを感じながらも、本来の自分を見失いかけていた。そんな彼が出会ったのは、“レンタル家族”という仕事。他人の人生に入り込み、“仮”家族の一員や友人として役割を演じるうちに、想像もしなかった"人生”を体験し始める。彼がそこで見つけたものは「生きる喜び」だった。

脚本・監督・P は『37 セカンズ』(19)などのHIKARI。主演は『ザ・ホエール』(22)などのブレイダン・フレイザー。

 

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矢武:本作のポスターやクレジットには、プロデューサー名の横に「P.G.A.」という表記があります。日本映画ではあまり見かけませんが、これはどのような意味を持つのでしょうか。

山口:「P.G.A.」は、Producers Guild of America(プロデューサーズ・ギルド・オブ・アメリカ)の略称です。アメリカはユニオン、いわゆる各職種の組合が確立された社会であり、映画業界にも多くのギルドが存在します。そのひとつがプロデューサー組合です。
映画のエンドロールに「Producer」とクレジットされる場合、必ずしも全員が「P.G.A.」表記を得られるわけではありません。プロデューサーとして実質的に職務を全うしたかどうかについて、作品に関わった複数のクルーに対して無作為に確認が行われます。

 
山口:具体的な質問内容や人数は公開されませんが、「その人物は本作においてプロデューサーとしてふさわしい働きをしたか」という趣旨の審査が行われ、その回答をもとにギルドが承認し、その承認を得た者のみが「P.G.A.」と表記されます。つまり「P.G.A.」は、アメリカのプロデューサー組合が正式に認定したプロデューサーであることを示す証明でもあります。

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矢武:日本ではあまり見られない制度です。なぜアメリカではそこまで厳格に管理されているのでしょうか。

山口:アメリカでは、クレジットが著作権や将来的な利益配分と密接に結びついています。映画が公開され、出資金を回収した後に利益が生じた場合、その利益を受け取る権利は、契約やクレジットに基づいて決まります。プロデューサー、監督、脚本家、場合によっては俳優も、著作権や収益分配の権利を持つことがあります。そのため、「誰がプロデューサーであるのか」という定義は極めて重要です。仮に肩書きだけでプロデューサーと名乗ることができれば、権利や報酬の配分に大きな影響が及びます。だからこそ、第三者による審査を経て承認する仕組みが必要とされています。
 
矢武:作品についても伺います。今回、日本で撮影に臨んだブレンダン・フレイザーさんの現場での様子はいかがでしたか。

山口:非常に誠実に、そして真摯に作品へ向き合ってくださいました。カメラが回っている瞬間はもちろんですが、それ以外の時間においても、日本という場所や作品そのもの、そしてスタッフに対する深いリスペクトを感じる場面が数多くありました。今回、ブレンダン・フレイザーが本作に参加してくださった意義は極めて大きいと感じています。
脚本開発はコロナ禍に時間をかけて進められ、いよいよ制作へという段階で、アメリカではSAG-AFTRAによるストライキが発生しました。撮影準備も制作行為も、再び立ち止まらざるを得ない状況となりました。コロナ禍で長期間仕事が止まっていた俳優たちにとって、ストライキはさらに厳しい現実でした。そうした中で、彼は次に取り組む作品を選ばなければならない立場にありました。前年には『ザ・ホエール』でアカデミー賞主演男優賞を受賞していますし、世界中から数多くのオファーが届いていたと聞いています。その中から、コロナとストライキを経た“再始動”の1本として『レンタル・ファミリー』を選んでくれた。その決断の重みは計り知れません。
長い空白期間の後、最初に向き合う作品は俳優にとって特別な意味を持ちます。興行性、キャリア、将来性など、あらゆる要素を検討する中で、本作を選択したという事実は、彼が物語やテーマに強く共鳴していた証だと感じています。
 

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山口:現場での彼は、共演者やスタッフ一人ひとりに対して丁寧に接していました。100名を超えるスタッフへの気遣いを最後まで忘れず、撮影終了後も感謝の言葉を伝える姿勢が印象的でした。そのリスペクトは現場全体の空気を変えます。美術、衣装、ケータリング、助監督など、それぞれの仕事に対して敬意や感謝が示されることで、現場はより良い循環を生み出します。結果として、俳優が芝居に集中できる土壌が整っていく。まさに相乗効果でした。
矢武:柄本明さんとの出会いも印象的だったそうですね。

山口:撮影前に顔合わせや軽いセッションはありましたが、長期間のリハーサルを重ねたわけではありません。それでも初日の撮影で、柄本さんの役への向き合い方、そしてそれを芝居で表現する姿が、作品に深みを与えているように感じました。
長年第一線で活躍されてきた俳優の重みや説得力に対し、ブレンダンもまた深い敬意を抱いていました。

【後篇】へ続く

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山口晋プロデューサーのプロフィール


映画と地域のセミナー 「映画製作と映画祭開催、北海道の強みと弱み」の様子2026年1月18日(日)

山口晋さん

1973年、大阪府生まれ。
制作会社ノックオンウッドのプロデューサー兼創設者。
2005年から国際共同製作に力を発揮し、世界水準の映画、エピソードドラマ、ブランドコンテンツを製作。現在、プロデュースした『恋愛裁判』(26)絶賛公開中。道産子・福永壮志監督や『ナイトフラワー』(25)の内田英治監督と新作準備中。『レンタル・ファミリー』(26)のHIKARI 監督とは2019 年の『37セカンズ』(19)などを長年、プロデュースしています。

映画『レンタル・ファミリー』(G)は、TOHO シネマズ すすきの、札幌シネマフロンティア、ローソン・ユナイテッドシネマ札幌のほか、旭川、小樽、江別、釧路、北見、苫小牧で2月27日(金)から公開です!
映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」は、北海道外にお住まいの方、もしくは聴き逃した方でも、インターネットで聴けるradikoで一定期間は聴取することが可能です。
この記事では2月19日(木)に放送した番組内容をお届けしています。 進行台本と放送内容を基に記事を作成しています。そのため、実際の放送内容とは違う表現・補足(話し言葉と書き言葉等)並びに、放送ではカットされた内容を含む場合がございます。 また、公開される映画館名や作品情報、イベントは上記日程の放送または収録時点のものになりますのでご留意ください。

【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画

映画『レンタル・ファミリー』山口晋プロデューサーインタビュー【中篇】


(C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

2月27日(金)から公開の映画『レンタル・ファミリー』の山口晋プロデューサーがゲストとして登場。企画誕生の背景やブレンダン・フレイザーとの撮影秘話など、泣く泣く放送ではカットされたインタビュー内容を【前篇】【中篇】【後篇】に分け、ディレクターズカット版でご紹介します。

映画『レンタル・ファミリー』

東京に暮らす落ちぶれた俳優フィリップは、日本での生活に居心地よさを感じながらも、本来の自分を見失いかけていた。そんな彼が出会ったのは、“レンタル家族”という仕事。他人の人生に入り込み、“仮”家族の一員や友人として役割を演じるうちに、想像もしなかった"人生”を体験し始める。彼がそこで見つけたものは「生きる喜び」だった。

脚本・監督・P は『37 セカンズ』(19)などのHIKARI。主演は『ザ・ホエール』(22)などのブレイダン・フレイザー。

 

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矢武:本作のポスターやクレジットには、プロデューサー名の横に「P.G.A.」という表記があります。日本映画ではあまり見かけませんが、これはどのような意味を持つのでしょうか。

山口:「P.G.A.」は、Producers Guild of America(プロデューサーズ・ギルド・オブ・アメリカ)の略称です。アメリカはユニオン、いわゆる各職種の組合が確立された社会であり、映画業界にも多くのギルドが存在します。そのひとつがプロデューサー組合です。
映画のエンドロールに「Producer」とクレジットされる場合、必ずしも全員が「P.G.A.」表記を得られるわけではありません。プロデューサーとして実質的に職務を全うしたかどうかについて、作品に関わった複数のクルーに対して無作為に確認が行われます。

 

(C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

山口:具体的な質問内容や人数は公開されませんが、「その人物は本作においてプロデューサーとしてふさわしい働きをしたか」という趣旨の審査が行われ、その回答をもとにギルドが承認し、その承認を得た者のみが「P.G.A.」と表記されます。つまり「P.G.A.」は、アメリカのプロデューサー組合が正式に認定したプロデューサーであることを示す証明でもあります。

(C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

矢武:日本ではあまり見られない制度です。なぜアメリカではそこまで厳格に管理されているのでしょうか。

山口:アメリカでは、クレジットが著作権や将来的な利益配分と密接に結びついています。映画が公開され、出資金を回収した後に利益が生じた場合、その利益を受け取る権利は、契約やクレジットに基づいて決まります。プロデューサー、監督、脚本家、場合によっては俳優も、著作権や収益分配の権利を持つことがあります。そのため、「誰がプロデューサーであるのか」という定義は極めて重要です。仮に肩書きだけでプロデューサーと名乗ることができれば、権利や報酬の配分に大きな影響が及びます。だからこそ、第三者による審査を経て承認する仕組みが必要とされています。
 

(C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

矢武:作品についても伺います。今回、日本で撮影に臨んだブレンダン・フレイザーさんの現場での様子はいかがでしたか。

山口:非常に誠実に、そして真摯に作品へ向き合ってくださいました。カメラが回っている瞬間はもちろんですが、それ以外の時間においても、日本という場所や作品そのもの、そしてスタッフに対する深いリスペクトを感じる場面が数多くありました。今回、ブレンダン・フレイザーが本作に参加してくださった意義は極めて大きいと感じています。
脚本開発はコロナ禍に時間をかけて進められ、いよいよ制作へという段階で、アメリカではSAG-AFTRAによるストライキが発生しました。撮影準備も制作行為も、再び立ち止まらざるを得ない状況となりました。コロナ禍で長期間仕事が止まっていた俳優たちにとって、ストライキはさらに厳しい現実でした。そうした中で、彼は次に取り組む作品を選ばなければならない立場にありました。前年には『ザ・ホエール』でアカデミー賞主演男優賞を受賞していますし、世界中から数多くのオファーが届いていたと聞いています。その中から、コロナとストライキを経た“再始動”の1本として『レンタル・ファミリー』を選んでくれた。その決断の重みは計り知れません。
長い空白期間の後、最初に向き合う作品は俳優にとって特別な意味を持ちます。興行性、キャリア、将来性など、あらゆる要素を検討する中で、本作を選択したという事実は、彼が物語やテーマに強く共鳴していた証だと感じています。
 

(C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

山口:現場での彼は、共演者やスタッフ一人ひとりに対して丁寧に接していました。100名を超えるスタッフへの気遣いを最後まで忘れず、撮影終了後も感謝の言葉を伝える姿勢が印象的でした。そのリスペクトは現場全体の空気を変えます。美術、衣装、ケータリング、助監督など、それぞれの仕事に対して敬意や感謝が示されることで、現場はより良い循環を生み出します。結果として、俳優が芝居に集中できる土壌が整っていく。まさに相乗効果でした。

(C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

矢武:柄本明さんとの出会いも印象的だったそうですね。

山口:撮影前に顔合わせや軽いセッションはありましたが、長期間のリハーサルを重ねたわけではありません。それでも初日の撮影で、柄本さんの役への向き合い方、そしてそれを芝居で表現する姿が、作品に深みを与えているように感じました。
長年第一線で活躍されてきた俳優の重みや説得力に対し、ブレンダンもまた深い敬意を抱いていました。

【後篇】へ続く

山口晋プロデューサーのプロフィール


映画と地域のセミナー 「映画製作と映画祭開催、北海道の強みと弱み」の様子2026年1月18日(日)

山口晋さん

1973年、大阪府生まれ。
制作会社ノックオンウッドのプロデューサー兼創設者。
2005年から国際共同製作に力を発揮し、世界水準の映画、エピソードドラマ、ブランドコンテンツを製作。現在、プロデュースした『恋愛裁判』(26)絶賛公開中。道産子・福永壮志監督や『ナイトフラワー』(25)の内田英治監督と新作準備中。『レンタル・ファミリー』(26)のHIKARI 監督とは2019 年の『37セカンズ』(19)などを長年、プロデュースしています。

映画『レンタル・ファミリー』(G)は、TOHO シネマズ すすきの、札幌シネマフロンティア、ローソン・ユナイテッドシネマ札幌のほか、旭川、小樽、江別、釧路、北見、苫小牧で2月27日(金)から公開です!

キャプテン・ポップコーン

映画専門ラジオ番組

キャプテン・ポップコーンは、エフエムノースウェーブで毎週木曜日深夜1時半から放送するラジオ番組です。北海道・札幌で映画のお仕事に従事する「まちのえいが屋さん・矢武企画」が気になった映画の情報、映画に関係したまちの情報、そして、映画がもっと近くなるようなお話をお届けします。映画がはじける、映画で踊る夜、きょうも映画と、コミュニケーションしていきましょう!

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