(C)『犬と戦争』製作委員会
(C)『犬と戦争』製作委員会

2025.2.16

小さな命のぬくもりを守ることを選んだ人々を映す『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』札幌などで公開

これまでに数々の作品で犬や猫の命をテーマに福島や能登で被災地への取材を重ねてきたドキュメンタリー映像作家・山田あかねがウクライナで動物の命を救おうとする人々を追ったドキュメンタリー映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』。
2022年2月ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、その約1ヵ月後に山田あかねが「戦場にいる犬たちの現実を伝えなければ」という覚悟のもと、戦禍のウクライナでカメラを回しました。本作は、戦禍のウクライナで"戦うこと"ではなく、"救うこと"を選んだ人々による希望の物語です。

ウクライナ戦争が残す爪痕、命の重さを知る


(C)『犬と戦争』製作委員会

この作品を通して感じるのは、"命の尊さ"、そして命を救おうとする人々の平和への願いです。

砲撃によって破壊された建物、小児病院、銃弾が多数残る民家など戦争の傷跡も多く映し出されています。危険な中でも犬と共に生まれ故郷で暮らす人々。そしてインタビュー中に犬を抱き上げた女性の嬉しそうな表情は忘れられません。いつ命を落とすかわからない状態の中でも犬と人の絆はたしかに存在していました。その絆が戦地に希望の光をもたらしてくれています。

いつ攻撃されるかわからない場所で、保護活動を続ける人たちの想いの強さにも感銘を受けます。捜索中に見つけた犬たちに対し「今、連れて行かなければ2度と会えなくなってしまうかもしれない、そして1匹でも多くの命を救いたい」という強く優しい想いが溢れていました。

人、そして全ての動物たちの命は平等。そのことに改めて気がつかせてくれる映画です。

小さな命のぬくもりを守りたい。その想いが世界を繋ぐ

本作では、ウクライナのシェルターで起きた犬たちを巡る悲劇的な事件、そしてその真相を伝える中で、この事実をどう受け止めるのかを問いかけてきます。小さな命の尊さ、かけがえのない存在である犬たちの命を守ろうと懸命に活動する人たちの姿に心を打たれます。

また、動物愛護先進国と言われるイギリスのほか、ポーランドの動物愛護団体がウクライナで行っている活動も記録されています。
中でも印象的なのが元軍人のトムが代表を務めるイギリスの動物救助隊「BREAKING THE CHAINS」。戦地の最前線で救助活動を行っている救助隊です。
地雷があるエリアでの救出劇は観ているこちらにもその緊迫感が伝わってきます。
救助隊の優しい手により救い出された犬たちの姿を観ると安堵感を感じるとともに戦争への怒りやむなしさがこみ上げてきます。命を脅かす銃弾の雨や爆発に犬たちがどれほどのストレスと恐怖を感じていたかを考えると胸が締め付けられる想いです。
 

(C)BREAKING THE CHAINS


(C)BREAKING THE CHAINS

トムがこの活動を行うきっかけとなったのが、自身がPTSDの悩みを抱えていた時期に犬に救われた経験があるから。この経験から負傷した兵士のドッグセラピーも行っています。

療養中に犬に救われた経験がある筆者も、この活動には強い関心を持ちました。どのような言葉や薬よりも小さな命のぬくもりが、心をほぐしてくれたと感じています。

ちなみに日本のセラピードッグが活動を開始したのが1996年。今では、福祉施設や病院などで活躍する存在になりましたが、まだまだ認知度は低い状態。この映画を通じて、人々の心を癒やす良きパートナー・セラピードッグの存在をより多くの人に知ってもらえたらと願うばかり。

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』から読み解く世界と日本の"今"

この映画を通じて考えたいのが、アニマルウェルフェア(動物福祉)という考え方です。アニマルウェルフェアは動物愛護とは異なり、動物を主体に考えた飼育環境の改善を目的としています。日本での浸透率は現時点では低く、世界動物保護協会が50ヵ国を対象に行った調査「2020年の動物保護指数ランキング」によると最低ランクという結果に。政策や法律が定められていないことが要因のひとつです。しかしながらアニマルウェルフェアとひと言で言っても、正解はひとつではないと考えています。言葉を交わすことのできない動物の気持ちはわかりません。しかし、慈しむ心を持つことはできるはず。世界と比べ、後れをとっている日本ですが、私たち1人ひとりが目を向け、実践していくことが大切です。

※アニマルウェルフェアとは、動物の誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な暮らしができる飼育方法をめざすあり方のこと。

※動物保護指数ランキングは、動物の知覚の承認、動物福祉に関する世界宣言の支持、使役動物、畜産動物、伴侶動物の5つの分野における動物保護の状況を評価しています。
 

(C)『犬と戦争』製作委員会


(C)『犬と戦争』製作委員会

筆者も長年、犬と暮らしています。一緒に暮らす犬が3歳の頃に先天性の血管疾患になり、余命3カ月と宣告を受けました。しかしながら、投薬治療や食事療法を続け14歳までその小さな命を育むことができました。命の尊さを感じ、なんとかこの命を守りたい、元気になってほしいと懸命に治療を続ける日々。苦しい治療生活の中でも、犬が元気になっていく姿を見ることができた喜びは何物にも代えがたい幸福だったと思います。

この作品を多くの人に鑑賞してもらい、命の尊さを通して動物たちのことを考える時間になればと思います。

また、山田監督が行っているウクライナ戦争の犬猫救援活動の支援も可能です。

▼詳細はこちら
https://readyfor.jp/projects/UA_animal

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』の基本情報

監督・プロデューサー:山田あかね
ナレーション:東出昌大
音楽:渡邊 崇
製作:四宮隆史
プロデューサー:遠田孝一 長井 龍
撮影:谷茂岡 稔
制作プロダクション:スモールホープベイプロダクション
配給:スターサンズ
公式サイト:https://inu-sensou.jp/
上映劇場:江別、小樽、釧路、北見は2月21日(金)公開、札幌は2月22日(土)公開、函館は2月28日(金)公開
 

(C)『犬と戦争』製作委員会

ウクライナ戦争が残す爪痕、命の重さを知る


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この作品を通して感じるのは、"命の尊さ"、そして命を救おうとする人々の平和への願いです。

砲撃によって破壊された建物、小児病院、銃弾が多数残る民家など戦争の傷跡も多く映し出されています。危険な中でも犬と共に生まれ故郷で暮らす人々。そしてインタビュー中に犬を抱き上げた女性の嬉しそうな表情は忘れられません。いつ命を落とすかわからない状態の中でも犬と人の絆はたしかに存在していました。その絆が戦地に希望の光をもたらしてくれています。

いつ攻撃されるかわからない場所で、保護活動を続ける人たちの想いの強さにも感銘を受けます。捜索中に見つけた犬たちに対し「今、連れて行かなければ2度と会えなくなってしまうかもしれない、そして1匹でも多くの命を救いたい」という強く優しい想いが溢れていました。

人、そして全ての動物たちの命は平等。そのことに改めて気がつかせてくれる映画です。

小さな命のぬくもりを守りたい。その想いが世界を繋ぐ


(C)BREAKING THE CHAINS

本作では、ウクライナのシェルターで起きた犬たちを巡る悲劇的な事件、そしてその真相を伝える中で、この事実をどう受け止めるのかを問いかけてきます。小さな命の尊さ、かけがえのない存在である犬たちの命を守ろうと懸命に活動する人たちの姿に心を打たれます。

また、動物愛護先進国と言われるイギリスのほか、ポーランドの動物愛護団体がウクライナで行っている活動も記録されています。
中でも印象的なのが元軍人のトムが代表を務めるイギリスの動物救助隊「BREAKING THE CHAINS」。戦地の最前線で救助活動を行っている救助隊です。
地雷があるエリアでの救出劇は観ているこちらにもその緊迫感が伝わってきます。
救助隊の優しい手により救い出された犬たちの姿を観ると安堵感を感じるとともに戦争への怒りやむなしさがこみ上げてきます。命を脅かす銃弾の雨や爆発に犬たちがどれほどのストレスと恐怖を感じていたかを考えると胸が締め付けられる想いです。
 

(C)BREAKING THE CHAINS

トムがこの活動を行うきっかけとなったのが、自身がPTSDの悩みを抱えていた時期に犬に救われた経験があるから。この経験から負傷した兵士のドッグセラピーも行っています。

療養中に犬に救われた経験がある筆者も、この活動には強い関心を持ちました。どのような言葉や薬よりも小さな命のぬくもりが、心をほぐしてくれたと感じています。

ちなみに日本のセラピードッグが活動を開始したのが1996年。今では、福祉施設や病院などで活躍する存在になりましたが、まだまだ認知度は低い状態。この映画を通じて、人々の心を癒やす良きパートナー・セラピードッグの存在をより多くの人に知ってもらえたらと願うばかり。

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』から読み解く世界と日本の"今"


(C)『犬と戦争』製作委員会

この映画を通じて考えたいのが、アニマルウェルフェア(動物福祉)という考え方です。アニマルウェルフェアは動物愛護とは異なり、動物を主体に考えた飼育環境の改善を目的としています。日本での浸透率は現時点では低く、世界動物保護協会が50ヵ国を対象に行った調査「2020年の動物保護指数ランキング」によると最低ランクという結果に。政策や法律が定められていないことが要因のひとつです。しかしながらアニマルウェルフェアとひと言で言っても、正解はひとつではないと考えています。言葉を交わすことのできない動物の気持ちはわかりません。しかし、慈しむ心を持つことはできるはず。世界と比べ、後れをとっている日本ですが、私たち1人ひとりが目を向け、実践していくことが大切です。

※アニマルウェルフェアとは、動物の誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な暮らしができる飼育方法をめざすあり方のこと。

※動物保護指数ランキングは、動物の知覚の承認、動物福祉に関する世界宣言の支持、使役動物、畜産動物、伴侶動物の5つの分野における動物保護の状況を評価しています。
 

(C)『犬と戦争』製作委員会

筆者も長年、犬と暮らしています。一緒に暮らす犬が3歳の頃に先天性の血管疾患になり、余命3カ月と宣告を受けました。しかしながら、投薬治療や食事療法を続け14歳までその小さな命を育むことができました。命の尊さを感じ、なんとかこの命を守りたい、元気になってほしいと懸命に治療を続ける日々。苦しい治療生活の中でも、犬が元気になっていく姿を見ることができた喜びは何物にも代えがたい幸福だったと思います。

この作品を多くの人に鑑賞してもらい、命の尊さを通して動物たちのことを考える時間になればと思います。

また、山田監督が行っているウクライナ戦争の犬猫救援活動の支援も可能です。

▼詳細はこちら
https://readyfor.jp/projects/UA_animal

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』の基本情報


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監督・プロデューサー:山田あかね
ナレーション:東出昌大
音楽:渡邊 崇
製作:四宮隆史
プロデューサー:遠田孝一 長井 龍
撮影:谷茂岡 稔
制作プロダクション:スモールホープベイプロダクション
配給:スターサンズ
公式サイト:https://inu-sensou.jp/
上映劇場:江別、小樽、釧路、北見は2月21日(金)公開、札幌は2月22日(土)公開、函館は2月28日(金)公開
 

早川真澄

ライター・編集者

北海道の情報誌の編集者として勤務し映画や観光、人材など地域密着の幅広いジャンルの制作を手掛ける。現在は編集プロダクションを運営し雑誌、webなど媒体を問わず企画制作を行っています。

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