1909年10月、満洲・ハルビン駅で銃声が響きました。撃たれたのは日本の初代内閣総理大臣・伊藤博文。引き金を引いたのは、大韓義軍の参謀・アン・ジュングン。
映画『ハルビン』は、この歴史的事件に至る過程と、理想と現実の狭間で揺れるアン・ジュングンの心を描いた物語です。
同じ出来事も、見る立場で意味が変わる。本作は、誰かの正義が誰かの痛みとなる時代の中で、私たちはどう生きるべきかを静かに問いかけてきます。
支配された人々の視点から歴史を見直す

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
当時の日本社会は、「帝国こそ進歩で支配は正義」と信じられていました。教育で「正しい」と教えられた人々も、時代の波に翻弄された存在だったのです。
この物語は過去だけでなく、現代のニュースで耳にする紛争地の小さな村で暮らす家族の姿とも重なります。日常が奪われ、明日を願う心が揺れるなか、彼らもまた「声なき者」として必死に希望をつなごうとしています。
『ハルビン』は時代も場所も超え、私たちに大切なことを考えさせてくれます。
アン・ジュングンの人間像──同志と平和を想う孤独な戦士
その戦いは怒りからではなく、「平和と正義」を願う気持ちから始まりました。
とはいえ、その理想は過酷な決断へと彼を追い詰めていきます。

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
緊迫の瞬間──揺れる信念と覚悟の時
この葛藤が物語に重みを与え、観客に深い感動をもたらします。

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
国境の交差点ハルビン──歴史への問いと今へのメッセージ

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
支配と独立、介入と排除がせめぎ合うこの場所で、アン・ジュングンたちは「声なき者たち」の代弁者として立ち上がります。
この構図は、過去だけのものではありません。ウクライナやガザでは、日常そのものが脅かされる争いが続いています。沖縄や北方領土のように、歴史や国境線によって複雑な立場に置かれてきた土地もあります。
『ハルビン』は、そうした“見えにくい痛み”に目を向けさせてくれる作品です。
信じるものをどう守るのか。平和を願いながら、どこまで前に進めるのか。
決意の中には迷いがあり、誇りの中には痛みもある。その矛盾を抱えて彼は銃を構えました。平和と正義への願いと、人を思う優しさが同時にあったのです。

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
語られたこと以上に、語られなかった声に耳を傾け、歴史を知る

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
アン・ジュングンは超越した存在ではなく、信じ、愛し、傷つきながら信念を貫いたひとりの人間。その姿は今を生きる私たちの心に深く残ります。
歴史の裏にある人間の苦悩や複雑な感情を理解し、現代を生きる自分のあり方を考えさせてくれる映画でした。
映画『ハルビン』の基本情報
2025年7月4日(金)
■製作
HIVE MEDIA CORP 『ソウルの春』
■監督
ウ・ミンホ(『KCIA 南山の部長たち』『インサイダーズ/内部者たち』)
■脚本
キム・キョンチャン、ウ・ミンホ
■撮影
ホン・ギョンピョ『パラサイト 半地下の家族』
■出演
ヒョンビン「愛の不時着」『コンフィデンシャル:国際共助捜査』
パク・ジョンミン『密輸 1970』
チョ・ウジン『インサイダーズ/内部者たち』
チョン・ヨビン「ヴィンチェンツォ」
パク・フン『ソウルの春』
ユ・ジェミョン「梨泰院クラス」
イ・ドンウク「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」
リリー・フランキー『万引き家族』
チョン・ウソン(特別出演)『ソウルの春』
■公式サイト
https://harbin-movie.jp/index.html

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
支配された人々の視点から歴史を見直す

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
当時の日本社会は、「帝国こそ進歩で支配は正義」と信じられていました。教育で「正しい」と教えられた人々も、時代の波に翻弄された存在だったのです。
この物語は過去だけでなく、現代のニュースで耳にする紛争地の小さな村で暮らす家族の姿とも重なります。日常が奪われ、明日を願う心が揺れるなか、彼らもまた「声なき者」として必死に希望をつなごうとしています。
『ハルビン』は時代も場所も超え、私たちに大切なことを考えさせてくれます。
アン・ジュングンの人間像──同志と平和を想う孤独な戦士

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
その戦いは怒りからではなく、「平和と正義」を願う気持ちから始まりました。
とはいえ、その理想は過酷な決断へと彼を追い詰めていきます。

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
緊迫の瞬間──揺れる信念と覚悟の時

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
この葛藤が物語に重みを与え、観客に深い感動をもたらします。
国境の交差点ハルビン──歴史への問いと今へのメッセージ

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
支配と独立、介入と排除がせめぎ合うこの場所で、アン・ジュングンたちは「声なき者たち」の代弁者として立ち上がります。
この構図は、過去だけのものではありません。ウクライナやガザでは、日常そのものが脅かされる争いが続いています。沖縄や北方領土のように、歴史や国境線によって複雑な立場に置かれてきた土地もあります。
『ハルビン』は、そうした“見えにくい痛み”に目を向けさせてくれる作品です。
信じるものをどう守るのか。平和を願いながら、どこまで前に進めるのか。

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
決意の中には迷いがあり、誇りの中には痛みもある。その矛盾を抱えて彼は銃を構えました。平和と正義への願いと、人を思う優しさが同時にあったのです。
語られたこと以上に、語られなかった声に耳を傾け、歴史を知る

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
アン・ジュングンは超越した存在ではなく、信じ、愛し、傷つきながら信念を貫いたひとりの人間。その姿は今を生きる私たちの心に深く残ります。
歴史の裏にある人間の苦悩や複雑な感情を理解し、現代を生きる自分のあり方を考えさせてくれる映画でした。
映画『ハルビン』の基本情報

(C)2024 CJ ENM Co., Ltd., HIVE MEDIA CORP ALL RIGHTS RESERVED
2025年7月4日(金)
■製作
HIVE MEDIA CORP 『ソウルの春』
■監督
ウ・ミンホ(『KCIA 南山の部長たち』『インサイダーズ/内部者たち』)
■脚本
キム・キョンチャン、ウ・ミンホ
■撮影
ホン・ギョンピョ『パラサイト 半地下の家族』
■出演
ヒョンビン「愛の不時着」『コンフィデンシャル:国際共助捜査』
パク・ジョンミン『密輸 1970』
チョ・ウジン『インサイダーズ/内部者たち』
チョン・ヨビン「ヴィンチェンツォ」
パク・フン『ソウルの春』
ユ・ジェミョン「梨泰院クラス」
イ・ドンウク「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」
リリー・フランキー『万引き家族』
チョン・ウソン(特別出演)『ソウルの春』
■公式サイト
https://harbin-movie.jp/index.html
早川真澄
ライター・編集者
北海道の情報誌の編集者として勤務し映画や観光、人材など地域密着の幅広いジャンルの制作を手掛ける。現在は編集プロダクションを運営し雑誌、webなど媒体を問わず企画制作を行っています。