2025.7.18

「特撮のDNA ゴジラ、旭川上陸」開催中 道産ポプラ使用、手作りゴジラストラップなどの体験も

7月11日(金)〜9月23日(火・祝)に、旭川市科学館サイパル(旭川市宮前1条3丁目)の開館20周年記念特別展として「特撮のDNA ゴジラ、旭川上陸」が開催されています。
「特撮のDNA」とは「ゴジラ」「ガメラ」「ウルトラマン」などに焦点を当て、怪獣やヒーローの造形物、撮影に使われたミニチュア、衣装、映像技術などを展示し、特撮の技術、歴史、文化などを伝えるイベントです。テーマにするコンテンツや展示内容を変え、全国で開催されており、今回、道内初開催となります。初日のオープニングセレモニーには、公開25周年を迎えた『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(00)などの手塚昌明監督が駆けつけ、先着限定のギャラリートークを実施。
 
また、同館の職員が来場者がさらに楽しんでもらうべく、「特撮のDNA」を活用した様々なイベントを開催しています。中でも、旭川市役所新庁舎建設のために伐採されたポプラを活用し、糸のこでカットし、自分だけの「ゴジラストラップ」(参加費:500円)をつくれるワークショップが素敵です。ポプラは北海道産、選べるデザインはゴジラのシルエットや足跡、歴代タイトルロゴなど16種類。ゴジラの柄はレーザー彫刻なので、細部までキレイに仕上がります。
 
SASARU movieでは、「ゴジラ検定 中級」の資格を有するキャプテン・ポップコーンこと矢武兄輔が、「特撮のDNA ゴジラ、旭川上陸」のオススメポイントを紹介します。

(text/photo|矢武兄輔[キャプテン・ポップコーン])
 

映画で観た”あれ”がココに!


対メガギラスの巨大ジオラマ。足元には動物園が!!

「特撮のDNA」の見どころは、実際に撮影で使用されたスーツや小道具の細部を「観察」できることです。今回の旭川会場で特筆すべきことは、“裏側”を見ることができます。従来の展示会では、壁側のショーケースの中に展示されることが多いので、正面と左右しか見られないことが多いのですが、本当に後ろが観られるのです。剥き出しのウレタン、飛び出す繊維など、そこにあるはクリエイターたちの努力の結晶なのです。また、今回はとっても開放的で展示物がとても近く、本当に触れてしまうような距離感(触れるの厳禁!)です。
そして、本当に触っていい展示物もあります。根室上陸から本編スタートの『ゴジラ 2000』(99)に登場したゴジラの左足の表皮を当時制作した型を使って、造形師・若狭新一さんが18年ぶりに再現。実際の撮影用スーツと同じ工程で再現した本物のゴジラに触れることができます。2025年に周年を迎える作品を中心に展示されていますが、一番の見どころは『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(00)を模した巨大ジオラマセットです。怪獣たちや破壊される建物は撮影時と同じサイズです。特に、ゴジラに群がるメガニューラたちの細かい描写と“ところどころの旭川感”は圧巻です。筆者が旭川会場で魅惑的だった展示物5選のみ、ご紹介します。

魏怒羅の鱗で一面がゴールド。千年竜王だし縁起が良さそう。


群がるメガニューラは当時撮影で使用したもの。本編同様、ゴジラに潰される。

①タイトルバックで使用したキングギドラ(魏怒羅)の鱗【『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)より】

②モスラの卵の殻【『ゴジラVSモスラ』(92)より】

③アンギラス・バラン・バラゴンの検討用雛形【『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)より】

④メガニューラの卵【『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(00)より】

⑤X星人の衣装【『怪獣大戦争』(65)より】

展示開場の外もアツい!!

筆者が感動したのは、展示開場の外の工夫です。科学館職員の方たちによる手作りのアイディアの数々に脱帽してしまいました。例えば、館内の床にある足跡。提供されたデータを拡大し、自分たちで型をつくり、シートを切っていったとのこと。どの作品のゴジラの足跡なのか、ぜひ見てみてくださいね。また、コインロッカーにも一工夫があり、扉の番号毎に国内公開実写作品の歴代タイトルロゴが貼られているのです。どうやら扉1枚1枚、手塗りとのこと。一面に並ぶ、歴史に圧巻でした。

鎧モスラ・エターナルが飛来、お出迎え


開催記念プレートロッカーには手塚昌明監督のサインも

館内ではワークショップなど体験型イベントも多数あります。
プラネタリウム一般番組(期間中限定/1日2回上映/中学生以下は無料)では、日本怪獣史上初めてNASAに認定された「ゴジラ座」を紹介。
また「ゴジラでポン」というイベントが実施されており、巨大ガラポンを回すと特撮のDNA展オリジナル缶バッチがゲットできます。缶バッチの柄は、90年代に展開された「ゴジランド」デザインで、初期の平成レトロタッチなイラストが可愛いです。この缶バッチは展示エリア内に設置されたスタンプを集めることで小・中学生は無料で参加できます。また、高校生以上は500円以上寄付するごとに1回ガラポンを回すことができます。当日「特撮のDNA」を鑑賞していなくても参加できるワークショップもあり、すな絵(7.29、8.12限り/各日50人/無料)やプラ板(8.5、8.19限り/各日40人/無料)でゴジラグッズを工作できます。
オリジナルグッズもアツいのです。公式パンフレット(税込1,650円)など既存のゴジラグッズの販売もありますが、前述通り、自分だけの「ゴジラストラップ」(参加費:500円)をつくることができます。自身の手で糸のこで仕上げる木製クラフトストラップの材料は、旭川市役所新庁舎建設のために伐採された道産ポプラの廃材を活用し、サスティナブルな取り組みです。ゴジラの柄はレーザー彫刻で刻まれ、デザインが選べ、ゴジラのシルエットや足跡、歴代タイトルロゴなど16種類で、モスラの姿も確認できました。
また、道産カツラを使用した開催記念プレートもあり、4,000円以上の寄付で進呈されます。選べるデザインは網走でも激闘した『ゴジラVSキングギドラ』のゴジラなど全4種類です。職員の熱意と真心、展示以外のイベント「手作りで頑張る」という特撮にも通じるマインドと、来場者に楽しんでほしいというホスピタリティが素晴らしいですね。

SASARU movieでは、会場での感動を大切にしてほしいため、一部しか写真を載せておりません。この展示は、特殊効果や撮影技術といった特撮映画で使われたクリエイティブや技術を体感し、科学技術やものづくりに対する探究心や好奇心を持つ機会になります。ぜひ、夏休みの思い出にいかがでしょうか?

展示会概要


TM & (C) TOHO CO., LTD.(C)特撮のDNA製作委員会

開催期間:7月11日(金)~9月23日(火・祝)
開館時間:午前9時30分~午後5時00分
開催場所:旭川市科学館サイパル(旭川市宮前1条3丁目)
当日券 :大人1,400円/高校・大学生800円/小・中学生500円/親子ペア1600円(大人1名+小中学生1名)※親子でなくてもご使用いただけます
7月11日(金)科学館インフォメーション、ローソンチケットで販売
 
詳細は旭川市科学館サイパルの特設サイトをご確認ください。
https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/science/20/tokusatsu.html
 
TM &  (C) TOHO CO., LTD.   (C) 特撮のDNA製作委員会  (C) YBK3 2025

映画で観た”あれ”がココに!


対メガギラスの巨大ジオラマ。足元には動物園が!!

「特撮のDNA」の見どころは、実際に撮影で使用されたスーツや小道具の細部を「観察」できることです。今回の旭川会場で特筆すべきことは、“裏側”を見ることができます。従来の展示会では、壁側のショーケースの中に展示されることが多いので、正面と左右しか見られないことが多いのですが、本当に後ろが観られるのです。剥き出しのウレタン、飛び出す繊維など、そこにあるはクリエイターたちの努力の結晶なのです。また、今回はとっても開放的で展示物がとても近く、本当に触れてしまうような距離感(触れるの厳禁!)です。

魏怒羅の鱗で一面がゴールド。千年竜王だし縁起が良さそう。

そして、本当に触っていい展示物もあります。根室上陸から本編スタートの『ゴジラ 2000』(99)に登場したゴジラの左足の表皮を当時制作した型を使って、造形師・若狭新一さんが18年ぶりに再現。実際の撮影用スーツと同じ工程で再現した本物のゴジラに触れることができます。2025年に周年を迎える作品を中心に展示されていますが、一番の見どころは『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(00)を模した巨大ジオラマセットです。怪獣たちや破壊される建物は撮影時と同じサイズです。特に、ゴジラに群がるメガニューラたちの細かい描写と“ところどころの旭川感”は圧巻です。筆者が旭川会場で魅惑的だった展示物5選のみ、ご紹介します。

群がるメガニューラは当時撮影で使用したもの。本編同様、ゴジラに潰される。

①タイトルバックで使用したキングギドラ(魏怒羅)の鱗【『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)より】

②モスラの卵の殻【『ゴジラVSモスラ』(92)より】

③アンギラス・バラン・バラゴンの検討用雛形【『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)より】

④メガニューラの卵【『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(00)より】

⑤X星人の衣装【『怪獣大戦争』(65)より】

展示開場の外もアツい!!


鎧モスラ・エターナルが飛来、お出迎え

筆者が感動したのは、展示開場の外の工夫です。科学館職員の方たちによる手作りのアイディアの数々に脱帽してしまいました。例えば、館内の床にある足跡。提供されたデータを拡大し、自分たちで型をつくり、シートを切っていったとのこと。どの作品のゴジラの足跡なのか、ぜひ見てみてくださいね。また、コインロッカーにも一工夫があり、扉の番号毎に国内公開実写作品の歴代タイトルロゴが貼られているのです。どうやら扉1枚1枚、手塗りとのこと。一面に並ぶ、歴史に圧巻でした。

開催記念プレートロッカーには手塚昌明監督のサインも

館内ではワークショップなど体験型イベントも多数あります。
プラネタリウム一般番組(期間中限定/1日2回上映/中学生以下は無料)では、日本怪獣史上初めてNASAに認定された「ゴジラ座」を紹介。
また「ゴジラでポン」というイベントが実施されており、巨大ガラポンを回すと特撮のDNA展オリジナル缶バッチがゲットできます。缶バッチの柄は、90年代に展開された「ゴジランド」デザインで、初期の平成レトロタッチなイラストが可愛いです。この缶バッチは展示エリア内に設置されたスタンプを集めることで小・中学生は無料で参加できます。また、高校生以上は500円以上寄付するごとに1回ガラポンを回すことができます。当日「特撮のDNA」を鑑賞していなくても参加できるワークショップもあり、すな絵(7.29、8.12限り/各日50人/無料)やプラ板(8.5、8.19限り/各日40人/無料)でゴジラグッズを工作できます。
オリジナルグッズもアツいのです。公式パンフレット(税込1,650円)など既存のゴジラグッズの販売もありますが、前述通り、自分だけの「ゴジラストラップ」(参加費:500円)をつくることができます。自身の手で糸のこで仕上げる木製クラフトストラップの材料は、旭川市役所新庁舎建設のために伐採された道産ポプラの廃材を活用し、サスティナブルな取り組みです。ゴジラの柄はレーザー彫刻で刻まれ、デザインが選べ、ゴジラのシルエットや足跡、歴代タイトルロゴなど16種類で、モスラの姿も確認できました。
また、道産カツラを使用した開催記念プレートもあり、4,000円以上の寄付で進呈されます。選べるデザインは網走でも激闘した『ゴジラVSキングギドラ』のゴジラなど全4種類です。職員の熱意と真心、展示以外のイベント「手作りで頑張る」という特撮にも通じるマインドと、来場者に楽しんでほしいというホスピタリティが素晴らしいですね。

SASARU movieでは、会場での感動を大切にしてほしいため、一部しか写真を載せておりません。この展示は、特殊効果や撮影技術といった特撮映画で使われたクリエイティブや技術を体感し、科学技術やものづくりに対する探究心や好奇心を持つ機会になります。ぜひ、夏休みの思い出にいかがでしょうか?

展示会概要


TM & (C) TOHO CO., LTD.(C)特撮のDNA製作委員会

開催期間:7月11日(金)~9月23日(火・祝)
開館時間:午前9時30分~午後5時00分
開催場所:旭川市科学館サイパル(旭川市宮前1条3丁目)
当日券 :大人1,400円/高校・大学生800円/小・中学生500円/親子ペア1600円(大人1名+小中学生1名)※親子でなくてもご使用いただけます
7月11日(金)科学館インフォメーション、ローソンチケットで販売
 
詳細は旭川市科学館サイパルの特設サイトをご確認ください。
https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/science/20/tokusatsu.html
 
TM &  (C) TOHO CO., LTD.   (C) 特撮のDNA製作委員会  (C) YBK3 2025

矢武兄輔

まちのえいが屋さん/キャプテン・ポップコーン

20歳の1月。札幌映画サークルに入会直後、さぬき映画祭への参加で『踊る大捜査線』の製作陣や深田晃司監督と出逢い、映画界の現実や地方から発信するエンタメの可能性を知る。そこから「映画館へ行く人を増やす」という目標を持ち、カネゴンを呼んでみたり、学生向け媒体をつくったり、休学して東京国際映画祭で勤務、映画館へ就職→退職→「矢武企画」を起業からの今は某局でラジオDJ。 すべては『踊る』の完結が始まりだった。そして、踊るプロジェクト再始動と共に…! ということで、皆さんにとって映画がもっと近くなれますように。

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