(C)Universal Studios. All Rights Reserved.
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2026.2.22

映画『ウィキッド 永遠の約束』レビュー|“観る”より“体感する”劇場体験、本作を観るべき理由とは?

3月6日(金)公開の『ウィキッド 永遠の約束』は、劇場でこそ完成する映画です。鮮やかなオズの世界、心を奪う衣装、そして身体に直接届く歌声。鑑賞中、理屈よりも先に感覚が揺さぶられ続けます。その体験は、観終わったあとも静かな余韻として残りました。

本作は、『オズの魔法使い』で語られなかった2人の魔女――
「善い魔女」として知られるグリンダと、「悪い魔女」と呼ばれているエルファバの歩みを描いた物語です。同じ時間を生きながら、異なる選択を重ねていく2人の姿が、歌によって浮かび上がります。

ここでは、『ウィキッド 永遠の約束』を“劇場で観るべき作品”だと感じた理由を、音楽と感情の体験から紐解いていきます。
 

グリンダのドレスと、胸が高鳴るオズの世界

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

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まず心を掴まれるのは、オズの世界観の華やかさです。とりわけグリンダのドレスは、誰もが1度は思い描いたことのある「憧れ」を、そのまま形にしたような存在で、スクリーンに映るたびに気持ちが高揚しました。玉虫色のバブルドレスやスパンコールが散りばめられキラキラと光るウエディングドレスなどお嬢様らしい装いです。色彩や装飾は徹底して美しく、非日常そのもの。ただ眺めているだけでも胸が高鳴ります。映画館という空間で、この世界に包まれる体験そのものが、本作の大きな魅力だと感じました。

全身を包み込む、圧倒的な映画館での音響体験

この作品は、どこで観るかによって、受け取るものが変わります。特に音響設備にこだわったシアターでは、歌声が「音楽」としてではなく、感情そのものとして迫ってきました。

この映画の体験を決定づけるのは、間違いなく音楽です。どの曲も印象的ですが、何より歌唱力が圧倒的で、ただ「上手い」という評価にとどまらない表現力を感じさせます。

映画館という密閉された空間で鑑賞した際、歌が始まった瞬間に空気が変わるのをはっきりと感じました。音量が大きいというよりも、声そのものが空間を満たし、肌を震わせるような感覚。聴いているというより、歌を浴びているという体験でした。

物語を理解する前に、身体が先に反応してしまう。それは、自宅のスピーカーやイヤホンでは再現できない、劇場ならではの体験です。
『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

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幸せなはずなのに、不安が滲むグリンダの歌

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

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物語の中盤、グリンダは社会的な成功と王子・フィエロとの婚約を手に入れます。
誰の目にも「理想的な幸せ」が揃った状況です。

その祝福の場面で歌われるのが、 「サンク・グッドネス/アイ・クドント・ビー・ハピアー」。

幸福に満ちているはずの場面でありながら、歌声から伝わってくるのは、完全には拭えない不安です。周囲が思い描く「こうあるべき幸せ」と、彼女自身の心とのあいだにある微妙な距離。そのズレが、明るく華やかな旋律の中で静かに浮かび上がります。

満たされているはずなのに、どこか落ち着かない感覚。
このシーンは、グリンダという人物の揺らぎを強く印象づける瞬間として心に残りました。

エルファバの歌声が背負う、憤りと疲弊

前作で描かれた、動物たちから言葉と尊厳が奪われていく過程は、本作でも終わってはいません。誰かが強く望んだ秩序は、いつのまにか疑われることのない「当たり前」となり、その歪みだけが残り続けています。

そうした状況の中で、エルファバは動物たちのために、そして故郷オズのために行動し続けます。それでも彼女は、何をしても「悪い魔女」と呼ばれてしまう。

正しいと思うことを選び続けているはずなのに、理解されない。その積み重ねの中で生まれる憤りや、抗い続けることへの疲弊が、歌声からはっきりと伝わってきました。

エルファバの歌は、感情を飾らず、まっすぐに心へ届きます。圧倒的な声量と迫力で押し出されるその声は、怒りであり、叫びであり、それでもなお信念を手放さない意思そのもの。そう感じさせる力がありました。
『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

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「フォー・グッド」が重ねる、想いと距離

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

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2人の感情の対比があるからこそ、エルファバとグリンダが歌う「フォー・グッド」は、より深く胸に残ります。お互いを想い合っていることは、確かに伝わってきます。それでも、同じ場所には立てない2人。

並んで立つ2人のあいだに、確かにふれられない距離があります。それでも歌声だけが、その隙間をそっと埋めていく。

揺らぎの中にいるグリンダと、傷つきながらも揺るがないエルファバ。その距離が、静かに重なる歌声によって浮かび上がります。

派手な演出に頼らず、感情そのものが響くこの曲。本作の余韻を決定づける一曲だと言えるでしょう。

美しさの奥に残る、静かな問い

『ウィキッド 永遠の約束』は、きらびやかで、ときめきに満ちた映画です。同時に、観終わったあと、ふと立ち止まる感覚も残ります。

善とはなにか。
なぜ人は、信じたいものを信じてしまうのか。

映画はその答えを押しつけません。ただ、美しさと歌声に心を奪われたあとで、観る側に問いを残していきます。その余韻こそが、本作を単なる華やかなミュージカルに終わらせていない理由だと思います。

『ウィキッド 永遠の約束』は、ぜひ劇場で体験してほしい作品です。
歌声が描き出す幸福と憤り、その両方を身体で受け取る時間は、きっと忘れがたい記憶になるはずです。
『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

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『ウィキッド 永遠の約束』の基本情報

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー_ポスター

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

■公開日:2026年3月6日(金)

■出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ
ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイター
マリッサ・ボーディ、ボーウェン・ヤン
ブロンウィン・ジェームズ、ミシェル・ヨー
ジェフ・ゴールドブラム

■監督:ジョン・M・チュウ

■製作:マーク・プラット (p.g.a.)、デイヴィッド・ストーン

■脚本:ウィニー・ホルツマン、デイナ・フォックス

■配給:東宝東和

■公式HP:https://wicked-movie.jp/

グリンダのドレスと、胸が高鳴るオズの世界

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

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まず心を掴まれるのは、オズの世界観の華やかさです。とりわけグリンダのドレスは、誰もが1度は思い描いたことのある「憧れ」を、そのまま形にしたような存在で、スクリーンに映るたびに気持ちが高揚しました。玉虫色のバブルドレスやスパンコールが散りばめられキラキラと光るウエディングドレスなどお嬢様らしい装いです。色彩や装飾は徹底して美しく、非日常そのもの。ただ眺めているだけでも胸が高鳴ります。映画館という空間で、この世界に包まれる体験そのものが、本作の大きな魅力だと感じました。

全身を包み込む、圧倒的な映画館での音響体験

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

この作品は、どこで観るかによって、受け取るものが変わります。特に音響設備にこだわったシアターでは、歌声が「音楽」としてではなく、感情そのものとして迫ってきました。

この映画の体験を決定づけるのは、間違いなく音楽です。どの曲も印象的ですが、何より歌唱力が圧倒的で、ただ「上手い」という評価にとどまらない表現力を感じさせます。

映画館という密閉された空間で鑑賞した際、歌が始まった瞬間に空気が変わるのをはっきりと感じました。音量が大きいというよりも、声そのものが空間を満たし、肌を震わせるような感覚。聴いているというより、歌を浴びているという体験でした。

物語を理解する前に、身体が先に反応してしまう。それは、自宅のスピーカーやイヤホンでは再現できない、劇場ならではの体験です。

幸せなはずなのに、不安が滲むグリンダの歌

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

物語の中盤、グリンダは社会的な成功と王子・フィエロとの婚約を手に入れます。
誰の目にも「理想的な幸せ」が揃った状況です。

その祝福の場面で歌われるのが、 「サンク・グッドネス/アイ・クドント・ビー・ハピアー」。

幸福に満ちているはずの場面でありながら、歌声から伝わってくるのは、完全には拭えない不安です。周囲が思い描く「こうあるべき幸せ」と、彼女自身の心とのあいだにある微妙な距離。そのズレが、明るく華やかな旋律の中で静かに浮かび上がります。

満たされているはずなのに、どこか落ち着かない感覚。
このシーンは、グリンダという人物の揺らぎを強く印象づける瞬間として心に残りました。

エルファバの歌声が背負う、憤りと疲弊

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

前作で描かれた、動物たちから言葉と尊厳が奪われていく過程は、本作でも終わってはいません。誰かが強く望んだ秩序は、いつのまにか疑われることのない「当たり前」となり、その歪みだけが残り続けています。

そうした状況の中で、エルファバは動物たちのために、そして故郷オズのために行動し続けます。それでも彼女は、何をしても「悪い魔女」と呼ばれてしまう。

正しいと思うことを選び続けているはずなのに、理解されない。その積み重ねの中で生まれる憤りや、抗い続けることへの疲弊が、歌声からはっきりと伝わってきました。

エルファバの歌は、感情を飾らず、まっすぐに心へ届きます。圧倒的な声量と迫力で押し出されるその声は、怒りであり、叫びであり、それでもなお信念を手放さない意思そのもの。そう感じさせる力がありました。

「フォー・グッド」が重ねる、想いと距離

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

2人の感情の対比があるからこそ、エルファバとグリンダが歌う「フォー・グッド」は、より深く胸に残ります。お互いを想い合っていることは、確かに伝わってきます。それでも、同じ場所には立てない2人。

並んで立つ2人のあいだに、確かにふれられない距離があります。それでも歌声だけが、その隙間をそっと埋めていく。

揺らぎの中にいるグリンダと、傷つきながらも揺るがないエルファバ。その距離が、静かに重なる歌声によって浮かび上がります。

派手な演出に頼らず、感情そのものが響くこの曲。本作の余韻を決定づける一曲だと言えるでしょう。

美しさの奥に残る、静かな問い

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

『ウィキッド 永遠の約束』は、きらびやかで、ときめきに満ちた映画です。同時に、観終わったあと、ふと立ち止まる感覚も残ります。

善とはなにか。
なぜ人は、信じたいものを信じてしまうのか。

映画はその答えを押しつけません。ただ、美しさと歌声に心を奪われたあとで、観る側に問いを残していきます。その余韻こそが、本作を単なる華やかなミュージカルに終わらせていない理由だと思います。

『ウィキッド 永遠の約束』は、ぜひ劇場で体験してほしい作品です。
歌声が描き出す幸福と憤り、その両方を身体で受け取る時間は、きっと忘れがたい記憶になるはずです。

『ウィキッド 永遠の約束』の基本情報

『ウィキッド 永遠の約束』レビュー_ポスター

(C)Universal Studios. All Rights Reserved.

■公開日:2026年3月6日(金)

■出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ
ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイター
マリッサ・ボーディ、ボーウェン・ヤン
ブロンウィン・ジェームズ、ミシェル・ヨー
ジェフ・ゴールドブラム

■監督:ジョン・M・チュウ

■製作:マーク・プラット (p.g.a.)、デイヴィッド・ストーン

■脚本:ウィニー・ホルツマン、デイナ・フォックス

■配給:東宝東和

■公式HP:https://wicked-movie.jp/

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