(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

2025.1.22

正反対の2人が本当の痛みに向き合い、旅で得たものとは。心のロードムービー「リアル・ペイン〜心の旅〜」

「僕らの世界が交わるまで」で監督デビューを果たした俳優ジェシー・アイゼンバーグが監督・脚本・製作・主演を務めたロードムービー「リアル・ペイン〜心の旅〜」。1月31日(金)の公開に先駆けて試写会に参加したSASARU movie編集部が映画の見どころをレビューします。
テレビシリーズ「メディア王〜華麗なる一族〜」でゴールデングローブ賞の最優秀男優賞(TVドラマ部門)を受賞したキーラン・カルキンが本作ではジェシーの従兄弟役を演じ、第82回ゴールデングローブ賞にて助演男優賞を受賞。美しい景観と音楽の裏側にある「リアル・ペイン(本当の痛み)」とは何なのか。どこか生きづらさを感じつつも、時にユーモアに時に切なく、旅をしながら自分に向き合う繊細な心の動きが強烈に伝わってくる本作をぜひ劇場でチェックしてください。

2人の『心の旅』は終着するのか…「リアル・ペイン〜心の旅〜」の気になるストーリー

リアル・ペイン〜心の旅〜場面写真

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)と、兄弟のように育った従兄弟のベンジー(キーラン・カルキン)。疎遠になっていた2人は、亡くなった最愛の祖母の遺言によって数年ぶりに再会し、ポーランドのツアー旅行に参加することに。正反対な性格のデヴィッドとベンジーは時に騒動を起こしながらも、ツアーに参加したユニークな人々と交流をしながら祖母に縁があるポーランドの地を巡る中で40代を迎えた自身と向き合っていく。

2人がこの旅で得たものは何だったのか。感情の旅が観るものを夢中にさせる物語です。

スクリーンに描かれる繊細な心の動きと会話の掛け合いに引き込まれる

何かを発するたびにFワードを使い、決して品が良いとは言えないベンジー。空気が読めず思ったことをそのまま口に出して人をイラつかせてしまうが、最後にはなんだかベンジーが好きになってしまう…そんな不思議な感覚に陥ります。
ただその瞬間を、そして未来を良くしようと真っ直ぐにぶつかる彼が魅力的に見えてしまうのです。どちらかと言うとデヴィッドのように、「我慢すること」「空気を読むこと」が現実世界では美徳になってしまっているからかもしれません。

ベンジーとデヴィッドの会話の掛け合い、セリフの深さや心の強弱は不安定でナイーブながら、どこかチャーミング。複雑な心の動き、繊細に伝わる描写が心に響きます。ぜひ、それぞれのキャラクターの個性や会話に注目してくださいね。
リアル・ペイン〜心の旅〜場面写真

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

美しい街並みとショパンの旋律が2人の旅に色をつける

リアル・ペイン〜心の旅〜場面写真

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

特筆すべきは、ホロコーストの歴史に関する残酷なシーン。その静寂さと余白は、私たちに何かを語りかけ問われているような感覚に陥りました。その過去のシーンとは裏腹にポーランドの美しい街並みや、ふたりの旅に寄り添い、心の繊細さにふれる美しく優しいショパンの名曲の数々が、観ている私たちの心に響きます。

リアル・ペイン=本当の痛みとはなんなのか。
大人になったからこそ感じる心の痛みやモヤモヤ。話したいのに話せない現実、家族、友情...抱えているものはそれぞれ。美しい景色や音楽と共に展開していく「心の旅」が心地の良い作品です。

ラストシーンの、家族の元へと戻るデヴィッドと、空港のロビーに座り続けるベンジー。心の旅は終わったのか、それともまだまだ続くのか…観ているわたしたちに問いかけているようなシーンにも注目です。自分に向き合う大切さ、生きている限り続く心の旅、何も言わずとも大切な人に寄り添いたくなるような優しいロードムービーは、ぜひ今冬に観てほしい作品です。

「リアル・ペイン〜心の旅〜」 基本情報

『リアル・ペイン〜心の旅〜』
原題:A REAL PAIN
監督・脚本:ジェシー・アイゼンバーグ『僕らが世界と交わるまで』
出演
ジェシー・アイゼンバーグ(『ソーシャル・ネットワーク』『ゾンビランド』)
キーラン・カルキン(「メディア王〜華麗なる一族〜』『スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド』)
ウィル・シャープ(「Giri/Haji」)
ジェニファー・グレイ(『ダーティ・ダンシング』『ある朝フェリスは突然に』)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp/
リアル・ペイン〜心の旅〜ポスター

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

2人の『心の旅』は終着するのか…「リアル・ペイン〜心の旅〜」の気になるストーリー

リアル・ペイン〜心の旅〜場面写真

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)と、兄弟のように育った従兄弟のベンジー(キーラン・カルキン)。疎遠になっていた2人は、亡くなった最愛の祖母の遺言によって数年ぶりに再会し、ポーランドのツアー旅行に参加することに。正反対な性格のデヴィッドとベンジーは時に騒動を起こしながらも、ツアーに参加したユニークな人々と交流をしながら祖母に縁があるポーランドの地を巡る中で40代を迎えた自身と向き合っていく。

2人がこの旅で得たものは何だったのか。感情の旅が観るものを夢中にさせる物語です。

スクリーンに描かれる繊細な心の動きと会話の掛け合いに引き込まれる

リアル・ペイン〜心の旅〜場面写真

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

何かを発するたびにFワードを使い、決して品が良いとは言えないベンジー。空気が読めず思ったことをそのまま口に出して人をイラつかせてしまうが、最後にはなんだかベンジーが好きになってしまう…そんな不思議な感覚に陥ります。
ただその瞬間を、そして未来を良くしようと真っ直ぐにぶつかる彼が魅力的に見えてしまうのです。どちらかと言うとデヴィッドのように、「我慢すること」「空気を読むこと」が現実世界では美徳になってしまっているからかもしれません。

ベンジーとデヴィッドの会話の掛け合い、セリフの深さや心の強弱は不安定でナイーブながら、どこかチャーミング。複雑な心の動き、繊細に伝わる描写が心に響きます。ぜひ、それぞれのキャラクターの個性や会話に注目してくださいね。

美しい街並みとショパンの旋律が2人の旅に色をつける

リアル・ペイン〜心の旅〜場面写真

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

特筆すべきは、ホロコーストの歴史に関する残酷なシーン。その静寂さと余白は、私たちに何かを語りかけ問われているような感覚に陥りました。その過去のシーンとは裏腹にポーランドの美しい街並みや、ふたりの旅に寄り添い、心の繊細さにふれる美しく優しいショパンの名曲の数々が、観ている私たちの心に響きます。

リアル・ペイン=本当の痛みとはなんなのか。
大人になったからこそ感じる心の痛みやモヤモヤ。話したいのに話せない現実、家族、友情...抱えているものはそれぞれ。美しい景色や音楽と共に展開していく「心の旅」が心地の良い作品です。

ラストシーンの、家族の元へと戻るデヴィッドと、空港のロビーに座り続けるベンジー。心の旅は終わったのか、それともまだまだ続くのか…観ているわたしたちに問いかけているようなシーンにも注目です。自分に向き合う大切さ、生きている限り続く心の旅、何も言わずとも大切な人に寄り添いたくなるような優しいロードムービーは、ぜひ今冬に観てほしい作品です。

「リアル・ペイン〜心の旅〜」 基本情報

リアル・ペイン〜心の旅〜ポスター

(C)2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

『リアル・ペイン〜心の旅〜』
原題:A REAL PAIN
監督・脚本:ジェシー・アイゼンバーグ『僕らが世界と交わるまで』
出演
ジェシー・アイゼンバーグ(『ソーシャル・ネットワーク』『ゾンビランド』)
キーラン・カルキン(「メディア王〜華麗なる一族〜』『スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド』)
ウィル・シャープ(「Giri/Haji」)
ジェニファー・グレイ(『ダーティ・ダンシング』『ある朝フェリスは突然に』)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp/

休日のスケジュールが決まっていない方、何を見ようか迷っている方など"ライトな映画ファン"に対して、映画館に出かけて、映画を楽しむことをおすすめします。SASARU movie編集部では、話題性の高い最新映画を中心にその情報や魅力を継続的に発信していきます。

point注目映画一覧(外部サイト)

Captain America: Brave New World

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド

2025-02-14

“初代”キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースから最も信頼され、盾を託されたファルコンことサム・ウィルソンは、その後、重圧と葛藤しながら“二代目”を受け入れる心を決めた。これまでアベンジャーズの中心人物としてリーダーシップを発揮してきた“キャプテン・アメリカ”は、単なるひとりのヒーローに留まらず、アメリカの象徴でもあり、さらにはヒーローの象徴とさえ言える存在だった。“ヒーローの象徴”キャプテン・アメリカを受け継いだ男の物語がここから始まる。

The Wild Robot

野生の島のロズ

2025-02-07

嵐の夜、人間をサポートするプログラムがインストールされた〈最新型アシストロボット〉が入った箱が、無人島に流れ着いた。偶然にも起動ボタンが押されて、“彼女”は目覚める。誰もいない大自然の中で、ロズは命令を求め、歩き出す。島の動物たちからは“怪物”呼ばわりされ、大自然を孤独にあてもなくさまようロズ。誰からも命令されない、過酷な野生の島では、ロズに組み込まれたプログラムは通用しない。しかしある日、ひとつの“小さな出会い”をきっかけに、ロズに思いもよらない変化の兆しが現れ始める――

Emmanuelle

Emmanuelle

2025-01-10

A Real Pain

リアル・ペイン〜心の旅〜

2025-01-31

ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッドとベンジーは、亡くなった最愛の祖母の遺言で、ポーランドのアウシュビッツまでのツアー旅行に参加する。従兄弟同士でありながら正反対の性格な二人は、時に騒動を起こしながらも、ツアーに参加したユニークな人々との交流、そして祖母に縁あるポーランドの地を巡る中で、40代を迎えた彼ら自身の“生きるシンドさ”に向き合う力を得ていく。

Se7en

セブン

1996-01-27

定年退職間近の刑事サマセットと新人のミルズは、ある殺人現場に向かう。そこには肥満の大男の凄惨な死体があった。またほどなくして、今度はビジネスマンの死体が発見される。サマセットはそれぞれの現場に残されていた文字から、犯人がキリスト教における七つの大罪(傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲)に因んだ殺人に及んでいると分析、残るは5件となった。事件を未然に防ごうと犯人の特定を急ぐ2人。やがて一人の男が容疑者に浮上、しかし接近するも取り逃がし、さらなる犠牲者を出してしまう。そんな中、大罪に沿った犯行が残り2件となったところで、犯人を名乗る男が自首して来るのだが…。

九龍城寨之圍城

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦

2025-01-17

九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)――そこは、かつて無数の黒社会が野望を燃やし、覇権を争っていた。 1980年代、香港へ密入国した若者チャンは、黒社会のルールを拒み、己の道を選んだために組織に目を付けられる。追い詰められたチャンが命がけで逃げ込んだ先は、まさに運命が導いた九龍城砦だった。彼はここで3人の仲間と出会い、深い友情を育んでいく。しかし、九龍城砦を巻き込む抗争が激化する中、チャンたちはそれぞれの信念を胸に、命を賭けた戦いに挑むことになる――。

The Apprentice

アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方

2025-01-17

成功を夢見ていた20代のドナルド・トランプが、伝説の弁護士に導かれて驚愕の変身を遂げ、トップへと成り上がるまでを暴いた衝撃の問題作。不動産業を営む父の会社が政府に訴えられ、破産寸前まで追い込まれたトランプは、悪徳弁護士ロイ・コーンから“勝つための3つのルール”という非道の手段を伝授される。

September 5

セプテンバー5

2025-02-14

1972年9月5日ミュンヘンオリンピックでの、パレスチナ武装組織「黒い九月」による、イスラエル選手団の人質事件。事件発生から終結まで、その緊迫に溢れた一部始終は、当時技術革新がめざましい衛星中継を経て全世界に生中継された。しかし、全世界が固唾を飲んでテレビにくぎ付けとなったその歴史的な生中継を担ったのは、なんとニュース番組とは無縁のスポーツ番組の放送クルーたちだった。