時代や世代も超えて世界中の人々に夢を与え、愛され続けているディズニー作品。その舞台裏でディズニーを支えるキーパーソン、ウォルト・ディズニー・ジャパンのゼネラルマネージャーを務める佐藤英之さんに柴田平美がインタビュー!ディズニー作品を日本に届けるというリアルな仕事内容、さらに、8月1日(金)に公開されるディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』の見どころについてもお聞きしました。声優キャスティングやグローバルブランドとしての責任と葛藤、そして佐藤さんが個人的に思い入れのある”あの作品”もご紹介します。
ディズニーGM・佐藤英之さんインタビュー

佐藤: ディズニーは日本においてさまざまな事業を展開しています。たとえば、テーマパークやストリーミング、テレビ、ディズニーストアなどが挙げられますが、私はその中でもディズニー映画事業の代表を務めております。
―――具体的にはどのような内容の仕事でしょうか?
佐藤: 私たちの使命は、映画館を通じてお客様に映画を届けることです。そのために、さまざまな形で宣伝活動を行い、作品の存在を認知してもらい、興味を持っていただく必要があります。テレビ、新聞、雑誌、SNSなど、多様なメディアを駆使してお客様の関心を高めることが、私たちの重要な役割です。
佐藤:我々はローカライズに非常に力を入れています。日本のお客さんと他の国のお客さんの視点や感じ方は、少し違うところがあるのかなと思います。例えば、ポスターや予告編などを日本のお客さんの興味が湧くような形に変えてみるとか、あとは声優さんですよね。日本のお客さんにぴったりな声優さん、役者さんを起用させていただいて、少しでも興味を持っていただく。それと、公開日も日本は独特で、アメリカなど他の国が早めに公開されているのに日本だけ1か月、数週間遅いというケースがよくあると思います。それは、日本のお客さんが休みに稼働しやすいということもあって、アニメーションは夏休みに合わせて公開日を変更するといった作業も日本独自にやっていることです。


佐藤:我々はアメリカの会社なので、本国の承認がその都度必要なのですが、日本でより多くのお客さんに観ていただくために必要だと思うことは、理由も説明して承認を受けて展開しているというのが、日々の業務のプロセスになります。
―――提案が通らないこともあるのでしょうか?
佐藤:もちろんありますね。通らないことの方が多いと思います。ただ、我々も映画に関わるチームとして、少しでも多くの日本の皆さんに、我々の作品を観ていただきたいので、我々が考えて有効だなと思うものは、積極的にチャレンジするようにしています。
佐藤:役に合った方を起用するようにはしています。「やりたい」と言って誰もが通るわけでもなく、オーディションもさせていただき、映画の世界観やキャラクターにぴったり合う人を追求していくかなり厳しいプロセスになっています。今回、エリオ役の川原瑛都さん、グロードン役の佐藤大空くん、叔母のオルガ役の清野菜名さん、皆さん、本当にキャラクターにぴったりで映画をすごくエモーショナルなものにしていただいたなと思っています。
―――様々な方が出演されているから、どうやって役に合う声の方を見つけ出しているのだろう、すごいと思っていました。
佐藤:弊社のチームの中で、ディスカッションして、例えばこの人が良いのではないかなど色々なプロセスを経て、映画が完成してみると、ぴったりハマっているなと個人的には思っています。


(C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
佐藤:エリオは普段内気で、常に空を見上げているような、少し孤独な少年ですが、その少年が地球の大使と間違われて宇宙に誘われるのです。そこでエイリアンのグロードンと出会って友情を深めていき、最後には事件も発生しますが、「自分はこのままでいいんだ、自分の居場所は本当は近いところにあったんだ」と気づかせてくれる感動的なストーリーになっています。
―――佐藤さんの思う注目ポイントはどこですか?
佐藤:ディズニー映画作品のストーリーは、本当に普遍的です。どの世代の人が観てもみんなが共感できる話になっているので、家族や友達と観ていただいても共感できる内容になっていると思います。
佐藤:私、大学時代に映画館でアルバイトをしていた時に、働き始めて最初に公開していた映画が、アニメーション版の『アラジン』でした。「ホール・ニュー・ワールド」がエンディングで流れ始めると、ポップコーンやコーラを急いで作っていたなというのをよく思い出します(笑)。そのため、『アラジン』は印象深い作品です。
―――ディズニーで働いていてよかったなって思う瞬間はありますか?
佐藤:百年の歴史を持つスタジオとして、ずっと映画を作り続けてきましたし、これからも映画を作り続けていくと思います。感動的な作品に出会えた時は、ものすごく嬉しいですし。作品が誰かの人生を変えるようなことになるのであれば、我々も関わっているチームの1員として、いつもすごく嬉しいと感じています。


佐藤:現在、東京や大阪といった大都市以外のローカルな地域で、ファンの皆さんに実際にディズニーを体験してもらうという色々な企画を進めています。例えば北海道だと、去年の冬に公開したモアナにちなんだ巨大なクリスマスツリーを新千歳空港に設置して、道内に入ってくる方、それから旅行に行く方にアピールさせていただきました。リロ&スティッチの時は、試写を観ていただく前に、ファミリーの方にハワイの“レイ”を実際に作っていただくワークショップも実施しました。映画と体験を組み合わせることによって、子どもたちにディズニーのファンになっていただけると思いますし、一生思い出に残ると考えています。今も、ローカルの地域で体験型の映画とワークショップの活動を積極的に広げています。
―――先日、『リロ&スティッチ』の実写版を拝見しましたが、スティッチの可愛さがパワーアップしていて感動しました!今後も動物がでてくる映画など実写化を考えている作品はありますか?
佐藤:もう発表されていますけれども、『モアナと伝説の海』の実写版は来年の夏に公開予定です。『モアナ2』も去年の12月に公開されて興行収入52億円を超える大ヒットとなりました。皆さんにやっぱり愛されているキャラクターたちだと思うので、どういう形で実写になるのか我々もすごく楽しみにしています。
ディズニーGM・佐藤英之さんインタビュー

佐藤: ディズニーは日本においてさまざまな事業を展開しています。たとえば、テーマパークやストリーミング、テレビ、ディズニーストアなどが挙げられますが、私はその中でもディズニー映画事業の代表を務めております。
―――具体的にはどのような内容の仕事でしょうか?
佐藤: 私たちの使命は、映画館を通じてお客様に映画を届けることです。そのために、さまざまな形で宣伝活動を行い、作品の存在を認知してもらい、興味を持っていただく必要があります。テレビ、新聞、雑誌、SNSなど、多様なメディアを駆使してお客様の関心を高めることが、私たちの重要な役割です。

佐藤:我々はローカライズに非常に力を入れています。日本のお客さんと他の国のお客さんの視点や感じ方は、少し違うところがあるのかなと思います。例えば、ポスターや予告編などを日本のお客さんの興味が湧くような形に変えてみるとか、あとは声優さんですよね。日本のお客さんにぴったりな声優さん、役者さんを起用させていただいて、少しでも興味を持っていただく。それと、公開日も日本は独特で、アメリカなど他の国が早めに公開されているのに日本だけ1か月、数週間遅いというケースがよくあると思います。それは、日本のお客さんが休みに稼働しやすいということもあって、アニメーションは夏休みに合わせて公開日を変更するといった作業も日本独自にやっていることです。

佐藤:我々はアメリカの会社なので、本国の承認がその都度必要なのですが、日本でより多くのお客さんに観ていただくために必要だと思うことは、理由も説明して承認を受けて展開しているというのが、日々の業務のプロセスになります。
―――提案が通らないこともあるのでしょうか?
佐藤:もちろんありますね。通らないことの方が多いと思います。ただ、我々も映画に関わるチームとして、少しでも多くの日本の皆さんに、我々の作品を観ていただきたいので、我々が考えて有効だなと思うものは、積極的にチャレンジするようにしています。

佐藤:役に合った方を起用するようにはしています。「やりたい」と言って誰もが通るわけでもなく、オーディションもさせていただき、映画の世界観やキャラクターにぴったり合う人を追求していくかなり厳しいプロセスになっています。今回、エリオ役の川原瑛都さん、グロードン役の佐藤大空くん、叔母のオルガ役の清野菜名さん、皆さん、本当にキャラクターにぴったりで映画をすごくエモーショナルなものにしていただいたなと思っています。
―――様々な方が出演されているから、どうやって役に合う声の方を見つけ出しているのだろう、すごいと思っていました。
佐藤:弊社のチームの中で、ディスカッションして、例えばこの人が良いのではないかなど色々なプロセスを経て、映画が完成してみると、ぴったりハマっているなと個人的には思っています。

(C)2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
佐藤:エリオは普段内気で、常に空を見上げているような、少し孤独な少年ですが、その少年が地球の大使と間違われて宇宙に誘われるのです。そこでエイリアンのグロードンと出会って友情を深めていき、最後には事件も発生しますが、「自分はこのままでいいんだ、自分の居場所は本当は近いところにあったんだ」と気づかせてくれる感動的なストーリーになっています。
―――佐藤さんの思う注目ポイントはどこですか?
佐藤:ディズニー映画作品のストーリーは、本当に普遍的です。どの世代の人が観てもみんなが共感できる話になっているので、家族や友達と観ていただいても共感できる内容になっていると思います。

佐藤:私、大学時代に映画館でアルバイトをしていた時に、働き始めて最初に公開していた映画が、アニメーション版の『アラジン』でした。「ホール・ニュー・ワールド」がエンディングで流れ始めると、ポップコーンやコーラを急いで作っていたなというのをよく思い出します(笑)。そのため、『アラジン』は印象深い作品です。
―――ディズニーで働いていてよかったなって思う瞬間はありますか?
佐藤:百年の歴史を持つスタジオとして、ずっと映画を作り続けてきましたし、これからも映画を作り続けていくと思います。感動的な作品に出会えた時は、ものすごく嬉しいですし。作品が誰かの人生を変えるようなことになるのであれば、我々も関わっているチームの1員として、いつもすごく嬉しいと感じています。

佐藤:現在、東京や大阪といった大都市以外のローカルな地域で、ファンの皆さんに実際にディズニーを体験してもらうという色々な企画を進めています。例えば北海道だと、去年の冬に公開したモアナにちなんだ巨大なクリスマスツリーを新千歳空港に設置して、道内に入ってくる方、それから旅行に行く方にアピールさせていただきました。リロ&スティッチの時は、試写を観ていただく前に、ファミリーの方にハワイの“レイ”を実際に作っていただくワークショップも実施しました。映画と体験を組み合わせることによって、子どもたちにディズニーのファンになっていただけると思いますし、一生思い出に残ると考えています。今も、ローカルの地域で体験型の映画とワークショップの活動を積極的に広げています。
―――先日、『リロ&スティッチ』の実写版を拝見しましたが、スティッチの可愛さがパワーアップしていて感動しました!今後も動物がでてくる映画など実写化を考えている作品はありますか?
佐藤:もう発表されていますけれども、『モアナと伝説の海』の実写版は来年の夏に公開予定です。『モアナ2』も去年の12月に公開されて興行収入52億円を超える大ヒットとなりました。皆さんにやっぱり愛されているキャラクターたちだと思うので、どういう形で実写になるのか我々もすごく楽しみにしています。
柴田平美
UHBアナウンサー
UHBアナウンサー。ねむろ観光大使。土曜の情報番組「いっとこ!」の映画コーナーを担当。私が初めて観た映画は『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』(2001)。故郷・根室に映画館がなかったため、観たい映画があると隣町の釧路まで行って観ていました。映画館では、一番後ろの真ん中で、ひとりで観るのが好き。ジャンルは、ラブ・ファンタジー・アクションを中心に、話題作をチェックしています。皆さんの心に残る映画を見つけるきっかけとなれますように。