(C) 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
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2025.12.22

パンドラの真実は炎の決戦で試される―シリーズ3作目『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』レビュー

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は、ジェームズ・キャメロン監督による「アバター」シリーズ第3作です。舞台は引き続き惑星パンドラ。前作で長男を失ったジェイク・サリー一家は、深い悲しみを抱えながらも、再び人類との対峙を迫られます。

本作では、これまで描かれてきた森や海とは異なる火山地帯に暮らす新たな部族「アッシュ族」が登場します。自然と共生してきた先住民族・ナヴィの世界に生まれた分断と憎しみ。ナヴィが信仰する、パンドラの自然すべてをつなぐ存在「エイワ」を軸に、喪失のあとに何を信じ、何を選ぶのかが強く問われる、シリーズの中でも特に感情に踏み込んだ物語です。

3Dで体感する、因縁が生むアクションの恐怖

アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_パンドラ

(C) 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

本作は3Dで鑑賞しましたが、アクションシーンの臨場感はシリーズ随一だと感じました。特に空中戦では、高低差や速度感が誇張ではなく、落下の瞬間には思わず身体が反応してしまうほどの迫力があります。
戦闘シーンで舞い上がる火の粉は、スクリーンの向こう側の出来事ではなく、自分のすぐ指先をかすめていくような実在感があります。熱風まで伝わってくるかのような錯覚は、3Dでしか味わえない没入感。

そして本作でも注目したいのが、ジェイクとクオリッチの因縁です。シリーズ第1作から続く両者の対立は、本作でも戦闘の軸となっており、単なる敵同士の衝突にとどまりません。過去から逃れられない2人が正面からぶつかり合うことで、アクション一つひとつに確かな重みが生まれています。

今作のクオリッチには、これまでとは異なる一面も描かれています。任務のためには手段を選ばない冷徹さを持ちながら、息子であるスパイダーを守ろうとする姿には人間的な感情がにじみ、そのことがジェイクとの戦いをより複雑で感情的なものにしています。

パンドラとは思えない、アッシュ族の故郷

火山地帯に広がるアッシュ族の故郷は、これまで描かれてきたパンドラの姿とはまったく異なります。灰に覆われ、荒れ果てた風景は同じ惑星とは思えないほどの異質さでした。生命に満ちた森や美しい海を知っているからこそ、その光景は強く心に残ります。

アッシュ族の過激な行動は決して褒められたものではありません。それでも、荒廃した故郷の景色を見せられると、アッシュ族のリーダーが「エイワは救ってくれなかった」と恨む気持ちに、思わず共感してしまうのも事実です。
しかしそれは、観客が誤って感情移入しているのではなく、本作が意図的に用意した感情の揺さぶりだと感じました。
それでも、パンドラに生きる者として、やってはならない一線を越えてしまったとも思います。人類と手を組むという選択は理解できても、肯定することはできない。
その感情の行き場のなさこそが、「信じ続けられた者」と「信じることを奪われた者」の差を浮き彫りにし、本作の世界に拭えない苦味を残しています。
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_アッシュ族

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喪失と成長が交錯する、家族の物語

アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_ジェイク

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物語は、長男を失ったジェイクとネイティリの深い悲しみから始まります。家族を守ろうとするジェイクの覚悟と、憎しみに引き寄せられながらも踏みとどまろうとするネイティリ。その感情の重さは、前作までの戦い以上に観る者に突き刺さります。

復讐へ向かうアッシュ族のリーダーと、息子を失ってなお「エイワ」を信じ続けるネイティリ。その対照が、本作の感情的な核を形づくっています。怒りに身を委ねないという選択が、彼女の強さとして際立って見えました。

さらに、兄のネテヤムと比較され続けてきたロアクは、兄の死をきっかけに大きく成長し、その変化が戦いの重要な局面を動かします。また、キリと「エイワ」のつながりの秘密が明かされ、彼女の葛藤と神秘性が物語に新たな奥行きを与えていました。
上映時間は197分(3時間17分)と長尺ですが、物語と映像に引き込まれ、体感としてはあっという間に終わった印象でした。圧倒的な映像体験の裏で描かれるのは、喪失のあとに何を信じ、どこまで踏みとどまれるのかという問いです。

美しさだけでは終わらない『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』。その重さと恐怖を全身で受け止めるためにも、3Dでの鑑賞をおすすめします。
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_ロゴ

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映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』基本情報

アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_ポスター

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■公開日:2025年12月19日(金)

■監督・製作・脚本:
ジェームズ・キャメロン

■出演:サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ
/シガーニー・ウィーバー/ウーナ・チャップリンほか

■公式HP:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/avatar3

3Dで体感する、因縁が生むアクションの恐怖

アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_パンドラ

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本作は3Dで鑑賞しましたが、アクションシーンの臨場感はシリーズ随一だと感じました。特に空中戦では、高低差や速度感が誇張ではなく、落下の瞬間には思わず身体が反応してしまうほどの迫力があります。
戦闘シーンで舞い上がる火の粉は、スクリーンの向こう側の出来事ではなく、自分のすぐ指先をかすめていくような実在感があります。熱風まで伝わってくるかのような錯覚は、3Dでしか味わえない没入感。

そして本作でも注目したいのが、ジェイクとクオリッチの因縁です。シリーズ第1作から続く両者の対立は、本作でも戦闘の軸となっており、単なる敵同士の衝突にとどまりません。過去から逃れられない2人が正面からぶつかり合うことで、アクション一つひとつに確かな重みが生まれています。

今作のクオリッチには、これまでとは異なる一面も描かれています。任務のためには手段を選ばない冷徹さを持ちながら、息子であるスパイダーを守ろうとする姿には人間的な感情がにじみ、そのことがジェイクとの戦いをより複雑で感情的なものにしています。

パンドラとは思えない、アッシュ族の故郷

アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_アッシュ族

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火山地帯に広がるアッシュ族の故郷は、これまで描かれてきたパンドラの姿とはまったく異なります。灰に覆われ、荒れ果てた風景は同じ惑星とは思えないほどの異質さでした。生命に満ちた森や美しい海を知っているからこそ、その光景は強く心に残ります。

アッシュ族の過激な行動は決して褒められたものではありません。それでも、荒廃した故郷の景色を見せられると、アッシュ族のリーダーが「エイワは救ってくれなかった」と恨む気持ちに、思わず共感してしまうのも事実です。
しかしそれは、観客が誤って感情移入しているのではなく、本作が意図的に用意した感情の揺さぶりだと感じました。
それでも、パンドラに生きる者として、やってはならない一線を越えてしまったとも思います。人類と手を組むという選択は理解できても、肯定することはできない。
その感情の行き場のなさこそが、「信じ続けられた者」と「信じることを奪われた者」の差を浮き彫りにし、本作の世界に拭えない苦味を残しています。

喪失と成長が交錯する、家族の物語

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物語は、長男を失ったジェイクとネイティリの深い悲しみから始まります。家族を守ろうとするジェイクの覚悟と、憎しみに引き寄せられながらも踏みとどまろうとするネイティリ。その感情の重さは、前作までの戦い以上に観る者に突き刺さります。

復讐へ向かうアッシュ族のリーダーと、息子を失ってなお「エイワ」を信じ続けるネイティリ。その対照が、本作の感情的な核を形づくっています。怒りに身を委ねないという選択が、彼女の強さとして際立って見えました。

さらに、兄のネテヤムと比較され続けてきたロアクは、兄の死をきっかけに大きく成長し、その変化が戦いの重要な局面を動かします。また、キリと「エイワ」のつながりの秘密が明かされ、彼女の葛藤と神秘性が物語に新たな奥行きを与えていました。
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_ロゴ

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上映時間は197分(3時間17分)と長尺ですが、物語と映像に引き込まれ、体感としてはあっという間に終わった印象でした。圧倒的な映像体験の裏で描かれるのは、喪失のあとに何を信じ、どこまで踏みとどまれるのかという問いです。

美しさだけでは終わらない『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』。その重さと恐怖を全身で受け止めるためにも、3Dでの鑑賞をおすすめします。

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』基本情報

アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ_レビュー_ポスター

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■公開日:2025年12月19日(金)

■監督・製作・脚本:
ジェームズ・キャメロン

■出演:サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ
/シガーニー・ウィーバー/ウーナ・チャップリンほか

■公式HP:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/avatar3

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