(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

2026.6.29

『トイ・ストーリー5』レビュー “おもちゃの時代は終わり?”タブレットに夢中なボニーを前に、ジェシーが守ろうとしたもの

2026年7月3日(金)公開の映画『トイ・ストーリー5』は、『トイ・ストーリー』日本公開から30年という節目に届けられる、ディズニー&ピクサーの人気シリーズ最新作です。

今回、おもちゃたちの前に現れるのは、タブレットのリリーパッド。おもちゃたちと遊ぶのが大好きな少女・ボニーが画面に夢中になる中、カウガール人形のジェシーは、仲間たちとともに、彼女の笑顔を取り戻そうとします。

画面に引き込まれていく子どもと、そのそばで変化を見つめるおもちゃたち。懐かしさだけでは終わらない、大人の心にもそっと寄り添ってくれる物語です。

ジェシーの不安に垣間見える、ボニーへの愛情


(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

『トイ・ストーリー5』で特に印象に残るのは、ボニーの成長をそばで見守ってきたジェシーです。

リリーパッドの登場によって、ボニーがおもちゃたちと過ごす時間は大きく削られます。画面に夢中になるボニーを見つめるジェシーには、ただ置いていかれる寂しさだけではない、複雑な感情がにじみます。

ジェシーが本当に恐れているのは、自分たちが遊ばれなくなることだけではありません。ボニーが、誰かと向き合う時間や想像する楽しさから少しずつ離れていくこと。その戸惑いがあるからこそ、彼女の行動には切実さがあります。

物語の中盤、ジェシーはかつての記憶と向き合うことになります。大切にされていた時間、そして手放された痛み。その両方が現在のボニーへの想いと重なり、彼女がなぜここまで必死になるのかが浮かび上がってきます。

リリーパッドが映す、変わっていく遊びのかたち

本作の新しさは、リリーパッドの存在にあります。

リリーパッドの登場によって、ボニーの部屋の空気は一変します。ボニーの視線を集め、遊びの中心をあっという間に変えてしまう存在。おもちゃたちにとっては、まさに一大事です。

ただ、本作はリリーパッドを単純な悪者として描いていません。動画を見たり、ゲームを楽しんだりと、デジタルならではの魅力、そして子どもが惹きつけられるだけの理由――。そこには現代の子どもたちにとって自然な日常があります。

 

(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

印象的なのは、ジェシーとリリーパッドが向き合う場面です。ジェシーが必死に言葉をぶつける一方で、リリーパッドはどこか余裕を崩さない。会話しているはずなのに、かみ合っているようでかみ合わない。その温度差に、思わず笑ってしまうおかしさと、少しの怖さがあります。

そして本作ならではだと感じたのは、おもちゃたちがただデジタルに翻弄されるだけではないところです。ボニーのために奮闘する中で、時にはデジタルの仕組みを利用し、仲間同士で知恵を出し合いながら道を切り開いていく。昔ながらのおもちゃたちが、現代ならではの状況に戸惑いながらも、それを冒険の一部に変えていく姿には、新しい『トイ・ストーリー』らしさがありました。

リリーパッドの画面が部屋の空気を変えていく見せ方や、小さなおもちゃたちの目線で日常の空間が大きな冒険の舞台に変わる感覚も、『トイ・ストーリー』らしい見どころです。

子どもが画面に夢中になり、おもちゃが部屋の隅に置かれていく光景は、今では多くの家庭で見慣れたものかもしれません。だからこそ、本作のテーマは親世代や大人の観客にも身近に感じられます。

30年を重ねた今だからこそ、大人の心にも刺さる余韻

『トイ・ストーリー5』は、シリーズの懐かしさに寄りかかるだけの作品ではありません。

前作『トイ・ストーリー4』を観ている人ほど、ウッディがどんな形で仲間たちと再び関わるのかは気になるはずです。その詳細は伏せますが、ウッディ、バズ、ジェシーが同じ物語の中で動き出す瞬間には、シリーズを追ってきた人ほど胸が高鳴ります。

子どもの頃は、おもちゃたちの冒険に夢中になった。大人になった今は、その奥にある“見守る側の寂しさ”に気づく。そんな見え方の変化も、このシリーズならではの味わいです。

画面の向こうに広がる世界がどれだけ楽しくても、部屋の片隅で子どもを待っているおもちゃたちの姿は、やっぱり愛おしい。

『トイ・ストーリー5』は、親子で楽しめる冒険であり、シリーズと一緒に大人になった人の心にも届く作品です。

(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

『トイ・ストーリー5』基本情報


(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

■公開日:2026年7月3日(金)

■監督:アンドリュー・スタントン
(「トイ・ストーリー」シリーズ、「ファインディング・ニモ」「ファインディング・ドリー」)

■共同監督:ケナ・ハリス

■製作:リンジー・コリンズ

■日本版声優
唐沢寿明 (ウッディ)、所ジョージ (バズ)
日下由美 (ジェシー)、佐野勇斗 (スマーティー・パンツ)
竜星涼 (フォーキー)

■公式HP:https://www.disney.co.jp/movie/toy5

 

ジェシーの不安に垣間見える、ボニーへの愛情


(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

『トイ・ストーリー5』で特に印象に残るのは、ボニーの成長をそばで見守ってきたジェシーです。

リリーパッドの登場によって、ボニーがおもちゃたちと過ごす時間は大きく削られます。画面に夢中になるボニーを見つめるジェシーには、ただ置いていかれる寂しさだけではない、複雑な感情がにじみます。

ジェシーが本当に恐れているのは、自分たちが遊ばれなくなることだけではありません。ボニーが、誰かと向き合う時間や想像する楽しさから少しずつ離れていくこと。その戸惑いがあるからこそ、彼女の行動には切実さがあります。

物語の中盤、ジェシーはかつての記憶と向き合うことになります。大切にされていた時間、そして手放された痛み。その両方が現在のボニーへの想いと重なり、彼女がなぜここまで必死になるのかが浮かび上がってきます。

リリーパッドが映す、変わっていく遊びのかたち


(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

本作の新しさは、リリーパッドの存在にあります。

リリーパッドの登場によって、ボニーの部屋の空気は一変します。ボニーの視線を集め、遊びの中心をあっという間に変えてしまう存在。おもちゃたちにとっては、まさに一大事です。

ただ、本作はリリーパッドを単純な悪者として描いていません。動画を見たり、ゲームを楽しんだりと、デジタルならではの魅力、そして子どもが惹きつけられるだけの理由――。そこには現代の子どもたちにとって自然な日常があります。

 
印象的なのは、ジェシーとリリーパッドが向き合う場面です。ジェシーが必死に言葉をぶつける一方で、リリーパッドはどこか余裕を崩さない。会話しているはずなのに、かみ合っているようでかみ合わない。その温度差に、思わず笑ってしまうおかしさと、少しの怖さがあります。

そして本作ならではだと感じたのは、おもちゃたちがただデジタルに翻弄されるだけではないところです。ボニーのために奮闘する中で、時にはデジタルの仕組みを利用し、仲間同士で知恵を出し合いながら道を切り開いていく。昔ながらのおもちゃたちが、現代ならではの状況に戸惑いながらも、それを冒険の一部に変えていく姿には、新しい『トイ・ストーリー』らしさがありました。

リリーパッドの画面が部屋の空気を変えていく見せ方や、小さなおもちゃたちの目線で日常の空間が大きな冒険の舞台に変わる感覚も、『トイ・ストーリー』らしい見どころです。

子どもが画面に夢中になり、おもちゃが部屋の隅に置かれていく光景は、今では多くの家庭で見慣れたものかもしれません。だからこそ、本作のテーマは親世代や大人の観客にも身近に感じられます。

30年を重ねた今だからこそ、大人の心にも刺さる余韻


(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

『トイ・ストーリー5』は、シリーズの懐かしさに寄りかかるだけの作品ではありません。

前作『トイ・ストーリー4』を観ている人ほど、ウッディがどんな形で仲間たちと再び関わるのかは気になるはずです。その詳細は伏せますが、ウッディ、バズ、ジェシーが同じ物語の中で動き出す瞬間には、シリーズを追ってきた人ほど胸が高鳴ります。

子どもの頃は、おもちゃたちの冒険に夢中になった。大人になった今は、その奥にある“見守る側の寂しさ”に気づく。そんな見え方の変化も、このシリーズならではの味わいです。

画面の向こうに広がる世界がどれだけ楽しくても、部屋の片隅で子どもを待っているおもちゃたちの姿は、やっぱり愛おしい。

『トイ・ストーリー5』は、親子で楽しめる冒険であり、シリーズと一緒に大人になった人の心にも届く作品です。

『トイ・ストーリー5』基本情報


(C)2026 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

■公開日:2026年7月3日(金)

■監督:アンドリュー・スタントン
(「トイ・ストーリー」シリーズ、「ファインディング・ニモ」「ファインディング・ドリー」)

■共同監督:ケナ・ハリス

■製作:リンジー・コリンズ

■日本版声優
唐沢寿明 (ウッディ)、所ジョージ (バズ)
日下由美 (ジェシー)、佐野勇斗 (スマーティー・パンツ)
竜星涼 (フォーキー)

■公式HP:https://www.disney.co.jp/movie/toy5

 

早川真澄

ライター・編集者

北海道の情報誌の編集者として勤務し映画や観光、人材など地域密着の幅広いジャンルの制作を手掛ける。現在は編集プロダクションを運営し雑誌、webなど媒体を問わず企画制作を行っています。

point注目映画一覧(外部サイト)

Michael

Michael/マイケル

2026-06-12

圧倒的な歌唱力と革新的なダンスパフォーマンスで、アーティストの枠を超え、全世界的なアイコンとなった“キング・オブ・ポップ”=マイケル・ジャクソン。彼は幼いころから兄弟と共に歌い続けていた。製鉄所で働く父・ジョセフは野心家で、「人生は勝つか負けるかだ」と言い放ち、息子たちに厳しいレッスンを課し、兄弟グループ“ジャクソン5”としてデビューさせた。彼らをみた聴衆は誰しもマイケルの圧倒的な歌声に酔いしれた。評判は広まり、ステージからステージへ人気は急上昇、モータウン・レコードと契約し、スターダムを駆け上がっていく。しかし、喝采の裏で彼はまだ一人の少年だった。孤独と重圧の中、唯一無条件の愛で支え続けたのが母・キャサリンだった。やがて青年となったマイケルに運命の出会いが訪れる。音楽史にその名を刻む名プロデューサー、クインシー・ジョーンズ。彼との出会いによってマイケルはグループの枠を超え、ソロアーティストとして前人未踏の音楽的創造性を爆発させていく。『オフ・ザ・ウォール』『スリラー』、歴史的メガヒットアルバムと名曲の数々を生み出し、全世界の寵児となっていくマイケル。しかし、その栄光の裏には、早熟の天才ゆえの孤独感、強権的な父親の呪縛、家族への愛と自分の中に溢れるビジョンとの間で葛藤する一人の人間の姿があった… そして今、音楽史を塗り替える存在——“キング・オブ・ポップ”伝説誕生の瞬間へ。

Supergirl

スーパーガール

2026-06-26

ジェームズ・ガン監督による2025年公開の映画「スーパーマン」に続くDCユニバース作品で、スーパーマン/クラーク・ケントの従妹であるスーパーガール/カーラ・ゾー=エルを主人公に描いたヒーローアクション。 スーパーマンが地球を救った後の世界。故郷クリプトン星を失ったカーラ・ゾー=エルは、唯一の心の拠りどころである愛犬クリプトと静かに暮らしていた。そんなある日、突如として現れた謎の敵クレムの攻撃により、クリプトが毒に侵されてしまう。カーラは解毒剤を手に入れるべく、同じくクレムに家族を奪われた異星人の少女ルーシーや凶暴な賞金稼ぎロボとともに、宇宙規模の壮大な戦いに身を投じていく。

The Mandalorian and Grogu

スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー

2026-05-21

帝国が崩壊し、無法地帯と化した銀河に生きる、どんな仕事も完璧に遂行する孤高の賞金稼ぎマンダロリアンと、強大なフォースを秘めた存在グローグー。帝国の復活を狙う新たな戦争を阻止する最後の希望は、父子を超えた絆で結ばれたこの二人に託された…。

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来

2025-07-18

鬼となった妹・禰󠄀豆子を人間に戻すため鬼狩りの組織《鬼殺隊》に入った竈門炭治郎。入隊後、仲間である我妻善逸、嘴平伊之助と共に様々な鬼と戦い、成長しながら友情や絆を深めていく。そして炭治郎は《鬼殺隊》最高位の剣士である《柱》と共に戦い、「無限列車」では炎柱・煉󠄁獄杏寿郎、「遊郭」では音柱・宇髄天元、「刀鍛冶の里」では、霞柱・時透無一郎、恋柱・甘露寺蜜璃と共に激闘を繰り広げていった。その後、来たる鬼との決戦に備えて、隊士たちと共に《柱》による合同強化訓練《柱稽古》に挑んでいる最中、《鬼殺隊》の本部である産屋敷邸に現れた鬼舞辻󠄀無惨。お館様の危機に駆けつけた《柱》たちと炭治郎であったが、無惨の手によって謎の空間へと落とされてしまう。炭治郎たちが落下した先、それは鬼の根城≪無限城≫―”鬼殺隊”と”鬼”の最終決戦の火蓋が切って落とされる。

KPop Demon Hunters

KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ

2026-06-10

スタジアムを満員にするほどの人気を誇るKPOPスーパースターのルミ、ミラ、ゾーイのもう一つの仕事。それは、秘密の能力を使って不可思議な脅威から大切なファンを守ること。

Sinners

罪人たち

2025-06-20

1932年、第一次世界大戦を生き延び、シカゴでギャングとして働いていたスモークとスタックの兄弟が故郷のミシシッピ州クラークスデイルへ戻ってきた。大量の現金と酒を持ち帰った2人は、地元の黒人コミュニティのために酒場をオープンするが……。

名探偵コナン ハイウェイの堕天使

名探偵コナン ハイウェイの堕天使

2026-04-10

コナンと蘭・園子・小五郎は、バイクの祭典「神奈川モーターサイクルフェスティバル」が開催される横浜・みなとみらいに、バイク好きの世良真純と向かっていた。するとコナン達が乗った車の上を飛び越え現れた、暴走する謎の“黒いバイク”。そしてそれを追っていたのは、蘭がいつか見た「風の女神様」 神奈川県警交通機動隊の萩原千速だった―― しかし激しいカーチェイスの末、千速のバイクは大破し、あと一歩のところで取り逃がしてしまう。その後、コナン達が横浜のフェス会場に到着すると、ある最新技術を搭載した白バイ「エンジェル」のお披露目が行われていた。そんな中、暴走した“黒いバイク”が今度は都内に出現し、警視庁の追跡をも振り切ったという情報が。目的不明な暴走だが、その車体が「エンジェル」に酷似していることが分かり、黒いエンジェル──… 「ルシファー」と呼び、追跡を続ける。犯人の正体、そしてその目的とはいったい何なのか─ そしてなぜか千速の脳裏によぎる、弟の萩原研二とその同期・松田陣平との記憶…