2026年10月30日(金)から順次公開の映画『恒星の向こう側』は、長年母との間にわだかまりを抱えてきた娘が、余命わずかな母と再び向き合う物語です。
東京で暮らす未知(福地桃子)は、母・可那子(河瀨直美)が倒れたことをきっかけに奈良へ戻ります。幼い頃から母の顔色をうかがい、自分の選択を否定されてきた未知。しかも彼女自身の体には、新しい命が宿っていました。母との関係に苦しみながら、自分もまた母になろうとしている。そんな未知がたどり着くのは、「本当は愛されていた」というわかりやすい答えではありません。
本作が描くのは、自分を傷つけた「母親」の向こう側に、ひとりの人間として生きてきた可那子の時間があったことを知っていく過程です。
同じ空間にいるだけで伝わる、母と娘の緊張
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
可那子は病を抱えていてもなお強く、未知も母の前ではどこか身構えている。大きく感情をぶつけ合わなくても、2人が同じ画面にいるだけで、長い時間をかけて積み重なってきたものが見えてきます。その緊張感を支えているのが、福地桃子と河瀨直美の芝居です。福地が演じる未知は、母への感情を分かりやすく爆発させ続ける人物ではありません。むしろ、母の前に立ったときの居心地の悪さや、少し距離を測るような佇まいに、幼い頃から身についた感覚がにじみます。一方の可那子には、病による弱さだけではなく、簡単には揺らがない強さがある。2人の間にある「近いのに近づけない」距離そのものが、この映画の息苦しさと緊張につながっています。
なぜ過去を「回想」ではなく「演劇」で描くのか
普通の回想なら、観客は映された出来事を「過去にこういうことがあった」と受け取りやすい。一方で、舞台に置き換えられた瞬間、それは過去そのものではなく、誰かの記憶や解釈を通して再構成されたものになります。つまり観客が見ているのは、「可那子の過去の正解」ではありません。未知もまた、母の人生そのものに入り込めるわけではなく、残された言葉や記憶の断片から想像するしかない。だからこそ、本作では普通の回想ではなく、「演じ直された過去」が必要だったのではないでしょうか。その距離感が、他人の人生を完全には理解できないという感覚と重なっています。
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
野付半島で見えてくる、未知の知らなかった可那子
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
母の人生を知っても、自分の人生は自分で選ぶ
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
母には母の人生があり、娘には娘の人生がある。
本作が描くのは、親の人生を理解することだけではありません。その人生に自分が縛られる必要はないと気づき、自分自身の選択へと向かっていくことなのだと思います。
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
『恒星の向こう側』作品概要
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
シアターキノ(11月7日~)、イオンシネマ旭川駅前(10月30日~)、イオンシネマ釧路(10月30日~)
■公開日
2026年10月30日(金)
■出演
福地桃子
河瀨直美 寛一郎 朝倉あき 南沙良
三浦貴大 久保史緒里 中尾幸世
■監督/脚本/編集
中川龍太郎
■音楽
haruka nakamura
■制作プロダクション
Production I.G
■配給
NAKACHIKA
■公式HP
https://nakachikapictures.com/kosei-no-mukogawa
同じ空間にいるだけで伝わる、母と娘の緊張
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
可那子は病を抱えていてもなお強く、未知も母の前ではどこか身構えている。大きく感情をぶつけ合わなくても、2人が同じ画面にいるだけで、長い時間をかけて積み重なってきたものが見えてきます。その緊張感を支えているのが、福地桃子と河瀨直美の芝居です。福地が演じる未知は、母への感情を分かりやすく爆発させ続ける人物ではありません。むしろ、母の前に立ったときの居心地の悪さや、少し距離を測るような佇まいに、幼い頃から身についた感覚がにじみます。一方の可那子には、病による弱さだけではなく、簡単には揺らがない強さがある。2人の間にある「近いのに近づけない」距離そのものが、この映画の息苦しさと緊張につながっています。
なぜ過去を「回想」ではなく「演劇」で描くのか
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
普通の回想なら、観客は映された出来事を「過去にこういうことがあった」と受け取りやすい。一方で、舞台に置き換えられた瞬間、それは過去そのものではなく、誰かの記憶や解釈を通して再構成されたものになります。つまり観客が見ているのは、「可那子の過去の正解」ではありません。未知もまた、母の人生そのものに入り込めるわけではなく、残された言葉や記憶の断片から想像するしかない。だからこそ、本作では普通の回想ではなく、「演じ直された過去」が必要だったのではないでしょうか。その距離感が、他人の人生を完全には理解できないという感覚と重なっています。
野付半島で見えてくる、未知の知らなかった可那子
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
母の人生を知っても、自分の人生は自分で選ぶ
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
母には母の人生があり、娘には娘の人生がある。
本作が描くのは、親の人生を理解することだけではありません。その人生に自分が縛られる必要はないと気づき、自分自身の選択へと向かっていくことなのだと思います。
『恒星の向こう側』作品概要
(C)2025 映画「恒星の向こう側」製作委員会
シアターキノ(11月7日~)、イオンシネマ旭川駅前(10月30日~)、イオンシネマ釧路(10月30日~)
■公開日
2026年10月30日(金)
■出演
福地桃子
河瀨直美 寛一郎 朝倉あき 南沙良
三浦貴大 久保史緒里 中尾幸世
■監督/脚本/編集
中川龍太郎
■音楽
haruka nakamura
■制作プロダクション
Production I.G
■配給
NAKACHIKA
■公式HP
https://nakachikapictures.com/kosei-no-mukogawa
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